加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

「Miles Davis - Dig (Prestige) 1951」興味深いエピソード満載のアルバム

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)初期のリーダー・アルバムで、1951年01月17日と1953年02月19日に録音された「Miles Davis And Horns (Prestige PRLP-7025)」に続くアルバムが、1951年10月05日に録音された「Dig (Prestige PRLP-7012)」となります。 こ…

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

ジャズ界の帝王、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)がまだ駆け出しの頃は、天才チャーリー・パーカー(Charlie Parker)との共演で腕を磨きつつ、パーカーの悪影響でクスリにハマる事となります。 クスリを入手するために演奏をこなす、といった日々を過…

「Eddie Gale - Eddie Gale's Ghetto Music (Blue Note) 1968」洗練された音楽による主張

エディ・ゲイル(Eddie Gale)というトランぺッターは、フリー・ジャズ界の巨人の一人、セシル・テイラー(Cecil Taylor)のアルバム「Unit Structures (BST-84237)」で最初の注目を浴びたミュージシャンなんだそうです。 トランペットはビバップ時代から活…

「Eric Dolphy - In Europe Vol. 1 (Prestige) 1961」デンマークでの刺激的なライブ

今回はマルチ・リード奏者、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のアルバムです。 BOXセットで購入したものを、バラしてアルバム単位で聴けるようにした中から「In Europe Vol. 1 (Prestige PRLP-7304)」を。 1961年09月08日、デンマークのコペンハーゲ…

「Kenny Drew - This Is New (Riverside) 1957」ドナルド・バードの快演

ケニー・ドリュー(Kenny Drew)のホーン入りアルバム「This Is New (Riverside RLP12-236)」は、ハードバップ期の演奏スタイルで素敵な演奏を繰り広げるトランペッター、ドナルド・バード(Donald Byrd)を堪能するためのアルバムです、私の場合。 1~3曲…

「Freddie Redd - Shades of Redd (Blue Note) 1960」悲劇俳優の名演奏

1960年08月13日に録音されたピアニスト、フレディ・レッド(Freddie Redd)をリーダーとする「Shades of Redd (Blue Note BST-84045)」は、ブルーノート(Blue Note Records)での前作「The Connection (Blue Note BST-84027)」に続くアルバムです。 前作に…

「Freddie Redd - The Connection (Blue Note) 1960」麻薬問題を題材にしたミュージカル

ピアニスト、フレディ・レッド(Freddie Redd)をリーダーとし、1960年02月15日に録音された「The Connection (Blue Note BST-84027)」は、麻薬問題を題材にしたミュージカルの劇中音楽を収録したアルバムです。 ジャケットの通り「ザ・コネクション(The Co…

「Ornette Coleman - Dancing In Your Head (A&M/Horizon)1977」猥雑極まりないお祭り騒ぎ

フリー・ジャズの開祖、オーネット・コールマン(Ornette Coleman)。 ジャズと呼ばれる音楽ジャンルで、従来の「定型的な決めた長さ(小節数)」に設定した「コード進行」に沿った演奏を破壊(笑)。 即興演奏(フリー・インプロビゼーション)を行う際の「…

「Aldo Romano - To Be Ornette To Be (Owl Records) 1989」聴きやすいオーネット・コールマン作品集

今回は、イタリア出身で主にフランスで活動を続けたドラマー、アルド・ロマーノ(Aldo Romano)のリーダーアルバムを紹介してみようと思います。 1989年11月13日、14日に録音された「To Be Ornette To Be (Owl Records OWL057CD)」は、フリージャズの創始者…

「Wayne Shorter - Adam's Apple (Blue Note) 1966」マイルスの影響化で覚醒するショーター

ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)が1964年末、アート・ブレイキー(Art Blakey)のジャズ・メッセンジャーズから、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のクインテットに半ば強引に引き抜かれて約1年以上経過。 1965年12月末にはシカゴの「プラグド・…

「Kenny Dorham - Trampeta Toccata (Blue Note) 1964」本当は熱いトランぺッターの最終作

ビ・バップ時代に相当する1940年代後半、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)クインテットに抜擢された頃から注目を集め、1950年代はアート・ブレイキー(Art Blakey)とホレス・シルヴァー(Horace Silver)を中心とするジャズ・メッセンジャーズ(The …

「Art Blakey and The Jazz Messengers - A Night In Tunisia (Blue Note) 1960」決定版・チュニジアの夜

そろそろ、「初心者お勧めの大名盤」の中から1枚、紹介しましょうかね・・・。 まあ、資料見つけて書き出したものの文章まとまらず、未だ保留中のアルバムが何枚かあったりしますので、少しづつ放出しておかないと(笑)。 さて今回紹介するアルバムは、ア…

「Sonny Rollins - Plays For Bird (Prestige) 1956」チャーリー・パーカーに捧ぐ長尺メドレー

ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)名義の「Plays For Bird (Prestige PRLP-7095)」は、1955年03月12日に急逝したチャーリー・パーカー(Charlie Parker)を偲び、パーカーが亡くなった翌年の1956年10月05日、ソニー・ロリンズ自身も参加していた「Max Roach…

「Sonny Rollins - Sonny Rollins Plus 4 (Prestige) 1956」ブラウンーローチ・クインテット、最後の輝き

モダンジャズ・テナーサックスの巨人、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のアルバムを紹介するにあたり、「クリフォード・ブラウンとマックス・ローチの双頭クインテット」関連の話題を断続的に書いてきましたが、その過程で思い出した「裏技的」なアルバム…

「Kenny Burrell - Midnight Blue (Blue Note) 1963」洗練されたブルース・フィーリング

ブルーノート(Blue Note Records)で「洗練されたブルース・フィーリング」と言って真っ先に思い浮かべるのがギタリストのケニー・バレル(Kenny Burrell)。 そんな洗練されたブルージーな感覚を備えるケニー・バレルを主役に据え、あえてブルージーな曲多…

「Grant Green - Idle Moments (Blue Note) 1963」タイトル曲のため、他の曲を再録音

ブルーノート(Blue Note Records)に残したアルバムにより、日本でも絶大なる人気を誇るギタリスト、グラント・グリーン(Grant Green)。 1963年11月に録音された「Idle Moments (Blue Note BST-84154)」は、グラント・グリーンの洗練されたブルース・フィ…

「Albert Ayler - Spiritual Unity (ESP-Disk) 1964」魂揺さぶるサックスの音色

新潟は今、お盆の時期なので「幽霊(Ghosts)」がらみのアルバムを選んでみました(笑)。 アルバート・アイラー(Albert Ayler)は私にとって、数少ないフリー・ジャズで許せる(笑)ミュージシャンであります。 その中でも「ESP-Disk」時代のアルバムは、…

「Bud Powell - The Time Waits (Blue Note) 1958」フィリー・ジョーのドラムに賛否あり

天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)のブルーノート(Blue Note Records)第4弾「The Time Waits (Blue Note BST-81598)」は、ドラムスにフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)、ベースにサム・ジョーンズ(Sam Jones)を迎えたトリ…

「Bud Powell - The Amazing Bud Powell Vol. 3 - Bud! (Blue Note) 1957」パウエルのブルーノート復帰第1弾

1957年08月03日に録音された「The Amazing Bud Powell Vol. 3 - Bud! (Blue Note BLP-1571)」は天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)のブルーノート(Blue Note Records)復帰第1弾となるアルバムです。 以前、トリオ編成にて行われた録音が1953年…

「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note) 1955」充実したライブ録音、2枚目

リーダーを明示しないジャズ・ユニット「The Jazz Messengers」が1955年11月23日、ジャズ・クラブ「カフェ・ボヘミア(The Cafe Bohemia)」で行ったライブ録音の後半(Vol.2)、2枚目となる「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note B…

「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 1 (Blue Note) 1955」レギュラー・バンドによる充実したライブ録音

1955年当時、ニューヨークのミュージシャン達が「B」の付くジャズ・クラブを巡ると言った時は「Birdland」、「Basin Street」、そして今回の舞台「(Cafe) Bohemia」を巡る事を意味していたそうです。 さて、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)との交流…

「Horace Silver and The Jazz Messengers (Blue Note) 1955」ジャズ・メッセンジャーズ名義のホレス・シルヴァー

ホレス・シルヴァー(Horace Silver)が「The Jazz Messengers」を従えた様に表記されたアルバムが「Horace Silver and The Jazz Messengers (Blue Note BLP-1518)」です・・・実際の処、ホレス・シルヴァーが「The Jazz Messengers」を率いていた事はない様…

「Horace Silver - Six Pieces Of Silver (Blue Note) 1956」恒久バンド化、最初の一歩

アルバム・ディスコグラフィー等で録音データを眺めると、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)にとって1956年という年が重要な節目であった事が分かります。 1956年前半は、リーダー不在の人気バンド「ジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)」の…

「The Three Sounds - Introducing The 3 Sounds (Blue Note) 1958」金太郎飴的な人気ピアノ・トリオ

ブルーノート(Blue Note Records)の名盤ひしめく1500番台のトリを飾るアルバムが以前、他のブログで取り上げた際「偉大なるマンネリズム」と書いたバンド、スリー・サウンズ(The Three Sounds)の「Introducing The 3 Sounds (Blue Note BST-81600)」です…

「Kenny Dorham - 'Round About Midnight At The Cafe Bohemia (Blue Note) 1956」幻のバンド、ジャズ・プロフェッツのライブ録音

アップ・テンポの火を吹くかのようなソロ、一転してしみじみとしたバラードにおいても、かすれ気味だが艶のあるハスキー気味な音で、飄々と独特のメロディを吹き綴る、哀愁のハード・バップ・トランぺッター、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)。 ビバップ時…

「Johnny Griffin - Introducing Johnny Griffin (Blue Note) 1956」シカゴの俊英登場

最初期(1940年代後半)にはライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)楽団等のビックバンドで活動していた俊英、超絶速吹きテナー・サックス奏者のジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)。 1956年04月17日に録音された「Introducing Johnny Griffin (Blue…

「Sonny Rollins - Sonny Rollins Vol. 1 (Blue Note) 1956」リユニオン・バンド的なアルバム

マックス・ローチ(Max Roach)からブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)にある提案があったようです。 「ソニー・ロリンズの調子が上がってきているので、ブルーノートでも録音した方がいいよ(意訳)」 そ…

「Sonny Rollins - Saxophone Colossus (Prestige)」悲劇の4日前に録音された大名盤

豪快で大胆。自然体のまま自由奔放に吹いただけで、持ち味が最大限に引き出されたアルバム。 ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のアルバム「Saxophone Colossus (Prestige PRLP-7079)」は、1956年06月22日、クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クイ…

「Lee Morgan - Leeway (Blue Note) 1960」ジャズ・メッセンジャーズ・ジャム

リー・モーガン(Lee Morgan)がリーダー名義のアルバム「Leeway (Blue Note BST-84034)」は、このアルバムにも参加するアート・ブレイキー(Art Blakey)率いるジャズ・メッセンジャーズに在籍していた頃の録音であり、ブルーノート(Blue Note Records)が…

「Johnny Griffin - A Blowing Session (Blue Note) 1957」饒舌すぎるブローイング・セッション

1928年04月24日、イリノイ州シカゴで生まれたジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)。最初はアルトサックスを吹いていたみたいですが1940年代、17歳でライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)楽団にて演奏を始めた頃には、すでにテナー・サックスに持ち…