加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「Bud Powell - The Genius of Bud Powell (Verve) 1950,1951」ソロ中心のスタイル研究に最適な1枚

ビバップ以降のジャズ・ピアノにおける基本スタイルを確立した天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)。 アルバム「The Genius of Bud Powell (Verve MGV-8115)」は、1950年07月01日のトリオ編成によるセッションと、1951年02月のソロによるセッショ…

「Bud Powell - Jazz Giant (Verve) 1949,1950」初期の覇気に満ち溢れた演奏

ノーマン・グランツ(Norman Granz)が手掛けた、1949年から1950年にかけた天才ピアニストであるバド・パウエル(Bud Powell)初期の、覇気に満ち溢れた演奏を収めたアルバムが「Jazz Giant (Verve MV-2533)」です。 バド・パウエル(Bud Powell)は、左手で…

「Lee Morgan – Take Twelve (Jazzland)」1962年休養期唯一のスタジオ録音

1956年に18歳で衝撃的なデビューを果たし、「Dizzy Gillespie Big Band」や「Art Blakey And The Jazz Messengers」での張ったりの効いた演奏で、天才トランペット少年の名声を欲しいままにしたリー・モーガン(Lee Morgan)。 インディード+1 アーティスト:…

「Kenny Dorham Quintet (Debut) 1953」記念すべき初リーダーアルバム

21歳の年、1945年05月に「Mercer Ellington And His Orchestra」で公式録音を残したケニー・ドーハム(Kenny Dorham)。 1946年には「Billy Eckstine Orchestra」、「Dizzy Gillespie Orchestra」に参加。 1947年には「Lionel Hampton Orchestra」と「Art Bl…

「Kenny Dorham & Jackie McLean - Inta Somethin' (Pacific Jazz) 1962」双頭バンドの熱いライブ

ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)とジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)を双頭リーダーとするアルバム「Inta Somethin' (Pacific Jazz PJ-41)」は1961年11月13日、サンフランシスコの「The Jazz Workshop」におけるライブ録音です。 バックのピアノト…

「Art Blakey And The Jazz Messengers - Soul Finger (Limelight) 1965」フレディ・ハバードとリー・モーガンの競演

1965年05月12日と13日にかけて録音された、「Art Blakey And The Jazz Messengers」の「Soul Finger (Limelight LS-86018)」。 リーダーであるアート・ブレイキー(Art Blakey)の他、トランペットがフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)とリー・モーガン…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - 'S Make It (Limelight) 1964」リー・モーガンの快演

「Art Blakey and The Jazz Messengers」が1964年11月14日、16日、25日の3日間かけて録音したアルバムが「'S Make It (Limelight LS-86001)」です。 音楽監督であったウェイン・ショーター(Waynes Shorter)が抜け、バンドとしてのまとまりにはやや欠ける…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Three Blind Mice (United Artists) 1962 」3管メッセンジャーズの傑作ライブ

ドラマーのアート・ブレイキー(Art Blakey)率いる「The Jazz Messengers」が、人気が出ている時期は、リーダーとは別に優秀な音楽監督が居た時期と重なっていると断言出来ます。 1958年に欧米を中心に人気が沸騰した時は、ベニー・ゴルソン(Benny Golson…

「Art Farmer - Maiden Voyage (Interface) 1983」佐藤允彦さんのアグレッシブな演奏と編曲

トランペット界の吟遊詩人、アート・ファーマー(Art Farmer)。 晩年には楽器メーカーのモネット(Monette)が作るトランペットとフリューゲルホルンを掛け合わせた「フランペット(Flumpet)」なるハイブリット楽器で演奏しておりましたね。 雑誌で「フラ…

「Wynton Marsalis - Hot House Flowers (Columbia) 1984」グラミー賞を受賞したストリングスもの

1980年代にロック風味のエレクトリック・サウンドが幅をきかせていたジャズ界を、アコーステックに回帰させた最大の貢献者であるトランペット奏者のウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)。 類まれなるテクニックで、ジャズとクラッシックの両方のアル…

「Chet Baker – Live In Rosenheim (Timeless) 1988」最晩年のご機嫌なライブ

「Chet Baker – Live In Rosenheim (Timeless SJP-233)」は、西ドイツ・ローゼンハイムで1988年04月17日に行われた「Rosenheim Jazz Festival」におけるチェット・ベイカー(Chet Baker)カルテットのライブ録音を収録したもの。 副題に「Chet Baker's Last …

「Duke Jordan - Flight To Norway (SteepleChase) 1978」高揚気味の演奏が聴ける良質な発掘盤

通好みの「いぶし銀」と表現される端正かつメロディアスな演奏で、日本のジャズファンから絶大な人気を誇るピアニスト、デューク・ジョーダン(Duke Jordan)。 ニックネームの「デューク」は、デューク・エリントン(Duke Ellington)が普段の優雅な振る舞…

「Don Ellis Orchestra – Live At Monterey! (Pacific Jazz) 1966」インド音楽に影響を受けた変拍子ジャズの傑作

1966年09月18日に開催された「The Monterey Jazz Festival」のライブ録音と、1966年01月08日に開催された「The Pacific Jazz Festival」でのライブ録音「Concerto For Trumpet」を追加収録したアルバムで、「インド音楽」に影響を受けた変拍子ジャズの傑作が…

「Don Cherry – Symphony For Improvisers (Blue Note) 1966」前衛ジャズの宴

今回ご紹介するのは1966年09月19日に録音された、ドン・チェリー(Don Cherry)をリーダーとする前衛ジャズ系のアルバム「即興演奏家のためのシンフォニー Symphony For Improvisers (Blue Note BST-84247)」です。 メロディアスな前衛ジャズである前作「Com…

「Don Cherry - Complete Communion (Blue Note) 1965」メロディアスな前衛ジャズ

1958年から1961年頃までオーネット・コールマン(Ornette Coleman)率いるピアノレス・カルテットのポケット・トランペット(コルネット)奏者として注目を集めたドン・チェリー(Don Cherry)。 kaji-jazz.hatenablog.com その後は、前衛的なジャズの影響を…

「John Lee & Gerry Brown – Still Can't Say Enough (Blue Note) 1976」ブレッカー兄弟参加の隠れ名盤

1970年代後半のブルーノート(Blue Note Records)には、こんな良質でファンキー、そしてクロスオーヴァー(昔でいう処のフュージョン)なアルバムがありまして。 エレクトリック・ベースのジョン・リー(John Lee)と、ドラムスのジェリー・ブラウン(Gerry…

「Ornette Coleman - Free Jazz (Atlantic) 1960」ダブルカルテットが放つ奔放な演奏

以前は「フリージャズ=訳分かんない」という先入観念で、フリー・ジャズの先駆者的立場にいたマルチ・リード奏者であるオーネット・コールマン(Ornette Coleman)のアルバムなんかは気軽に聴けなかったんですが・・・。 聴いて見ると、案外ふつーに聴けた…

「Andrew Hill - Les Trinitaires (Jazz Friends) 1998」珍しくスタンダードも演奏するソロ

アンドリュー・ヒル(Andrew Hill)が1998年02月10日と11日に、フランスのジャズクラブ「The Trinitaires」で収録した演奏を収録したアルバムが「Andrew Hill - Les Trinitaires (Jazz Friends Productions JFP-002)」です。 全編ソロによる演奏である事と、…

「Andrew Hill - Nefertiti (East Wind) 1976」じゃない方のネフェルティティ

日本では何故か人気薄なピアニスト、アンドリュー・ヒル(Andrew Hill)。 ブルーノートのオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)が、「セロニアス・モンク(Thelonious Monk)に出会った時以来の衝撃的な才能」とベタ惚れし、1964年発売の「Andre…

「Eddie Henderson – Heritage (Blue Note) 1976」音量豊かで饒舌なトランペット

医師であった親父さん(義父)の人徳か、ジャズ・ミュージシャン達が子供の頃から度々、自宅に遊びに来ていたらしい、医師とトランペット奏者という、昼夜別々の仕事をこなすトランペット奏者のエディ・ヘンダーソン(Eddie Henderson)。 そんな自宅に遊び…

「Bill Evans - From From Left To Right (MGM) 1970」世の評価はさておき、私はイチオシなアルバム

日本の場合、私も異存はないのですが「ビル・エヴァンスは、スコット・ラファロとのピアノ・トリオが最高」という評価が定着しておりまして。 そのため、前に紹介したクインテット編成の「Interplay (Riverside RM-445/RS-9445)」や、今回ご紹介する「Bill E…

「Barney Wilen – Barney (RCA France) 1960」デューク・ジョーダンとケニー・ドーハムの快演

私が大好きなフランスのサックス奏者バルネ・ウィラン(Barney Wilen)名義のアルバム「Barney Wilen – Barney (RCA France 430.053.)」。 オリジナル・アナログ・レコードには、フランスはパリの「Club Saint-Germain」で、1959年04月24日と25日にかけライ…

「Dusko Goykovich - After Hours (Enja) 1971」情熱的なピアノと哀愁漂うトランペットの競演

ドイツのミュンヘン(Munich)を拠点に活動するレコード会社「ENJA (European New Jazz) Records」。 ジャズ愛好家のホルスト・ウェーバー(Horst Weber)とマティアス・ウィンケルマン(Matthias Winckelmann)が設立したこの「ENJA (European New Jazz) Re…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - New Year's Eve At Sweet Basil (Paddle Wheel) 1985」4管ジャズメッセンジャーズのライブ

日本だと大晦日になりますかね。1985年12月30日と31日にかけ、ニューヨークの「Sweet Basil」で、アート・ブレイキー(Art Blakey)率いる「The Jazz Messengers」がライブを行いました。 で、ライブ録音から選ばれた4曲を収録した「New Year's Eve At Swee…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Live At Sweet Basil (Paddle Wheel) 1985」新生ジャズメッセンジャーズの快演

1974年、ニューヨークのグリニッジビレッジ(Greenwich Village)にオープンしたライブスポット、スイート・ベイジル(Sweet Basil)は、1990年には日本の尼崎勝士氏をオーナーに迎え、2001年まで営業を続けていた様です。 そんな日本と縁が深いスイート・ベ…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Album Of The Year (Timeless) 1981」若きウイントン・マルサリスの快演

一般的にアート・ブレイキー(Art Blakey)率いる「The Jazz Messengers」が、長き低迷期を抜けだしたきっかけは、マルサリス・ファミリーの出世頭、トランペットのウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)がバンドに参加した事だと思われている様です。 …

「Various Artists - One Night With Blue Note (Blue Note) 2003」CDとDVD入りのお得盤

1985年02月22日、ニューヨークの「Town Hall」で行われた歴史的なコンサートの模様を4枚のアルバムに分散収録した「One Night With Blue Note」についてご紹介してきましたが、2003年にCDとDVDの両方入ったお得盤「Various Artists - One Night With Blue N…