2023-01-01から1年間の記事一覧
1980年代に彗星の如く登場したウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)に連なるトランペッターの系譜の中で、音楽シーンに最も影響力があったトランペッターが、2018年に49歳という若さで惜しくも亡くなったロイ・ハーグローヴ(Roy Hargrove)でしょう。…
1959年04月15日に録音された、リーダーが誰かすら明確でないブローイング・セッション風のアルバム「Young Men From Memphis – Down Home Reunion (United Artists Records UAS-5029)」。 実力派あるものの、どちらかという玄人好みなメンバー、まあ、こうい…
スペイン・カタロニア出身で盲目のピアニスト、テテ・モントリュー(Tete Montoliu)。 曇りなき粒立ちのはっきりとした音色で、縦横無尽に鍵盤を弾き鳴らすテテ・モントリュー(Tete Montoliu)が1971年にドイツのミュンヘン(Munich)で録音したライブ盤が…
レニー・トリスターノ(Lennie Tristano)を師と仰ぐ、クール・ジャズの一派「トリスターノ派」の番頭的な存在が、サックス奏者のリー・コニッツ(Lee Konitz)です。 そんなリー・コニッツ(Lee Konitz)の代表作が、今回ご紹介する「Lee Konitz - Inside H…
盲目のジャズ・ピアニスト、レニー・トリスターノ(Lennie Tristano)は、「トリスターノ派」と呼ばれるミュージシャン達の育成にも注力しておりました。 彼に師事した有名ミュージシャンをパッと思い出してみると、リー・コニッツ(Lee Konitz)、ビル・エ…
1961年07月06日、ベースのスコット・ラファロ(Scott LaFaro)を交通事故で失った事は、ビル・エヴァンス(Bill Evans)にとって最大の悲劇だったと思われます。 そんな悲劇を乗り越え、スコット・ラファロ(Scott LaFaro)同様に前衛ジャズ系ミュージシャン…
1961年06月25日、ビル・エヴァンス(Bill Evans)トリオが「The Village Vanguard」で行った、今や伝説的なライブ。 kaji-jazz.hatenablog.com kaji-jazz.hatenablog.com この時のライブでは、ピアノのビル・エヴァンス(Bill Evans)と、ベースのスコット・…
フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)が参加したアルバムを何枚も聴いている人にはご納得いただけるかと思われますが。 フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)のリーダー・アルバムでは、音楽監督が居なとフレディのソロは別にして、全体の印象が散漫にな…
オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)と言えば真っ先に思う浮かぶのが、この大名盤「Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse! AS-5)」です。 邦題「ブルースの真実」と書いた方が、あー、アレね、と言う人が多いのかもしれません。 1曲…
クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)が念願であった、花形ミュージシャンをふんだんに起用した自身のビッグ・バンドを結成。ミュージカル「Free and Easy」の伴奏バンドという形で1960年、ヨーロッパを訪問しました。 が、ミュージカル自体は不評で巡業…
1992年12月03日、ドラムスの巨人エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)の新宿ピット・インでのライブ盤が、この「至上の愛~ライヴ・アット新宿ピットイン」です。 スペシャルゲストに、トランペットのウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)が参加して…
トランペット奏者としてプロ活動を始め、作編曲者として2023年現在も90歳という高齢ながら音楽活動を続けている、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)。 kaji-jazz.hatenablog.com 前回ご紹介したアメリカの東海岸で録音された「私の考えるジャズ(That'…
2023年現在も、御年90歳となるクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)は、精力的な音楽活動を続けている様です。 ヴィヴラフォンの名手、ライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)が楽団を率いて1953年に行ったヨーロッパ巡業の際、トランペット奏者として…
日本のジャズ・ファンにとって、日本人好みとよく言われるピアニスト、ソニー・クラーク(Sonny Clark)が残した「Sonny Clark Trio」と言われたら、すぐ思い出すアルバムが2枚あるかと思われます。 まず、1枚は日本で「ジャズ喫茶の定番アルバム」として…
兄弟で片方がトランペット、もう片方がテナーサックスを演奏するジャズ系ミュージシャンは案外、多かったりします。 で、不思議な事に兄弟一緒に活動してても、サックス奏者の方に人気が集まり、トランペット奏者の人気がイマイチという法則めいたものまで生…
スタンリー・タレンタイン(Stanley Turrentine)が「Time Records」に1960年01月に録音したアルバムが「Stanley Turrentine - Stan "The Man" Turrentine (Time S/2086)」です。 リズム隊のベースはジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)、ドラムス…
人気絶頂だったマックス・ローチ(Max Roach)率いるクインテットは1956年06月26日、天才トランペッターであったクリフォード・ブラウン(Clifford Brown)とピアニストのリッチー・パウエル(Richie Powell)を、雨降る深夜における交通自損事故で失った事…
1956年08月にハリウッドの「Capitol Recording Studios」で録音された「Lawrence Marable - Tenorman (Jazz West JWLP-8)」は、ドラムスのローレンス・マラブル(Lawrence Marable)をリーダーとしたアルバムでありながら、ジャケットはテナー・サックスのジ…
アルバム「The Jon Eardley Seven (Prestige PRLP-7033)」は、珍しい4管アンサンブルを交えたトランペット奏者、ジョン・アードレイ(Jon Eardley)のリーダー作ではあるものの。 リーダーの知名度がイマイチな為か、共演者のズート・シムズ(Zoot Sims)や…
ヴィヴラフォン奏者でスイング時代からの大スターであるライオネル・ハンプトン(Lionel Hampton)率いる楽団が、1953年09月中旬から11月中旬にかけて行なった欧州巡業には、白人系バップ・ピアニストのジョージ・ウォーリントン(George Wallington)、天才…
クロスオーバー(フュージョン)・サウンド旋風が世を席巻していた時期、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)率いる「V.S.O.P. Quintet」が商業的成功を収めた事をきっかけにして、アコーステック・ジャズ回帰の機運が高まっていったみたいですね。 そん…
1977年に録音された「The Herbie Hancock Trio (CBS/Sony 25AP-650)」から、約4年後の1981年07月28日、東京信濃町にある「CBS/Sony 信濃町スタジオ」にて録音されたアルバムが「Herbie Hancock Trio (CBS/Sony AP-2190)」です。 kaji-jazz.hatenablog.com …
いわゆるアコーステック・ジャズの人気がロックに押され衰退した1960年代末、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)を筆頭にしたミュージシャン達がロック、ファンク等のテイストを取り入れた音楽の制作を始めていきます。 そんな、クロスオーバー(フュージ…
ドラムスのチコ・ハミルトン(Chico Hamilton)クインテットは、チェロにテーマを弾かせたりする、普通のバンドであればホーン奏者が担う役割をチェロが担当するという、ジャズ界隈では珍しい編成のバンドであります。 他のメンバーは、フロントはマルチリー…
ドラムスのチコ・ハミルトン(Chico Hamilton)をリーダーとするクインテットは、フロントにマルチリード奏者のバディ・コレット(Buddy Collette)、チェロのフレッド・カッツ(Fred Katz)、ギターのジム・ホール(Jim Hall)、ベースのカーソン・スミス(…
バド・パウエル(Bud Powell)の1955年04月27日に行われた、ベースのジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)、ドラムスのアート・テイラー(Art Taylor)を伴った録音3曲と。 録音日が少し遡りますが1955年01月13日に行われた、ベースのパーシー・ヒ…
バド・パウエル(Bud Powell)がベースにレイ・ブラウン(Ray Brown)、ドラムスにオジー・ジョンソン(Osie Johnson)を迎え、1956年09月13日に録音したアルバムが「 Bud Powell - Blues In The Closet (Verve MGV-8218)」です。 しっかし、ジャケットのモ…
バド・パウエル(Bud Powell)の1954年12月16日、ベースがパーシー・ヒース(Percy Heath)、ドラムスがマックス・ローチ(Max Roach)のトリオ・セッション3曲と、1955年01月11日と12日の二日間に渡りドラムスにアート・ブレイキー(Art Blakey)を迎えた…
天才と呼ばれるジャズ系ミュージシャンは、常人が絶対にやらないであろう「奇行」を平気で行う人が多い様で・・・ミュージシャンではありませんが、私も知人に「天才」が居て、ぶっ飛んだ行動を実際に見聞きしているんで、「天才の功罪」に関しては、多少の…
晩年のバド・パウエル(Bud Powell)は、パリでバドの生演奏を聴いた大江健三郎氏が「老いたセイウチ」と表現するような、初期の狂気をはらんだ輝きある演奏とは真逆の、穏やかで滋味あふれる演奏を聴かせる様になっております。 そんな初期の「眩いばかりの…