加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

◆ジャズ初心者に聴いて欲しい名盤

「Cannonball Adderley - Know What I Mean ? (Riverside) 1961」端正で格調高きアルバム

短期間ではあるもののマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のグループで共演したアルト・サックスのキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)と、ピアノのビル・エヴァンス(Bill Evans)が、MJQ(Modern Jazz Quartet)のリズム・セクションである…

「Bud Powell - The Genius of Bud Powell (Verve) 1950,1951」ソロ中心のスタイル研究に最適な1枚

ビバップ以降のジャズ・ピアノにおける基本スタイルを確立した天才ピアニスト、バド・パウエル(Bud Powell)。 アルバム「The Genius of Bud Powell (Verve MGV-8115)」は、1950年07月01日のトリオ編成によるセッションと、1951年02月のソロによるセッショ…

「Barney Wilen – Barney (RCA France) 1960」デューク・ジョーダンとケニー・ドーハムの快演

私が大好きなフランスのサックス奏者バルネ・ウィラン(Barney Wilen)名義のアルバム「Barney Wilen – Barney (RCA France 430.053.)」。 オリジナル・アナログ・レコードには、フランスはパリの「Club Saint-Germain」で、1959年04月24日と25日にかけライ…

「Dusko Goykovich - After Hours (Enja) 1971」情熱的なピアノと哀愁漂うトランペットの競演

ドイツのミュンヘン(Munich)を拠点に活動するレコード会社「ENJA (European New Jazz) Records」。 ジャズ愛好家のホルスト・ウェーバー(Horst Weber)とマティアス・ウィンケルマン(Matthias Winckelmann)が設立したこの「ENJA (European New Jazz) Re…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Live At Sweet Basil (Paddle Wheel) 1985」新生ジャズメッセンジャーズの快演

1974年、ニューヨークのグリニッジビレッジ(Greenwich Village)にオープンしたライブスポット、スイート・ベイジル(Sweet Basil)は、1990年には日本の尼崎勝士氏をオーナーに迎え、2001年まで営業を続けていた様です。 そんな日本と縁が深いスイート・ベ…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Album Of The Year (Timeless) 1981」若きウイントン・マルサリスの快演

一般的にアート・ブレイキー(Art Blakey)率いる「The Jazz Messengers」が、長き低迷期を抜けだしたきっかけは、マルサリス・ファミリーの出世頭、トランペットのウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)がバンドに参加した事だと思われている様です。 …

「Bill Evans With Jeremy Steig - What's New (Verve) 1969」超個性派フルート奏者との共演盤

今回ご紹介するアルバムは1969年の01月30日、02月03,04,05,11日、03月11日と3ヶ月に渡り録音された、ビル・エヴァンス(Bill Evans)としてはかなり刺激的な演奏を収めたアルバム「Bill Evans With Jeremy Steig - What's New (Verve V6-8777)」です。 収録…

「Bill Evans Trio – Explorations (Riverside) 1961」革新的なピアノ・トリオの第2弾

ピアノのビル・エヴァンス(Bill Evans)が、ベースのスコット・ラファロ(Scott LaFaro)、ドラムスのポール・モチアン(Paul Motian)と結成した革新的なピアノ・トリオ。 ベースがリズムキープという役割を超え、ピアノと対等に自由な動き(ソロ)をする…

「Bill Evans Trio - Portrait In Jazz (Riverside) 1959」革新的トリオの超定番アルバム

ピアノのビル・エヴァンス(Bill Evans)が、ベースのスコット・ラファロ(Scott LaFaro)、ドラムスのポール・モチアン(Paul Motian)と結成したピアノ・トリオは、それまでのベースとピアノがソロ以外の時はリズムキープに徹するという暗黙の了解を打ち破…

「Don Friedman - Circle Waltz (Riverside) 1962」叙情派ピアニストの名演

ビル・エヴァンス(Bill Evans)派の番頭格というイメージが強い白人系叙情派ピアニスト、ドン・フリードマン(Don Friedman)。 さて、日本で一番売れたであろうドン・フリードマン(Don Friedman)のアルバムが、今回ご紹介する「Circle Walz (Riverside R…

「Donald Byrd - Byrd In Paris Vol. 2 (Brunswick) 1958」オリンピア劇場でのライブ第2弾

名トランペット奏者、ドナルド・バード(Donald Byrd)が1958年11月22日、フランスはパリにあるオリンピア劇場(L'Olympia)で行ったライブ録音「Byrd In Paris Vol. 1 (Brunswick 87 903)」に続くの第2弾が「Byrd In Paris Vol. 2 - Parisian Thoroughfare…

「Donald Byrd - Byrd In Paris Vol. 1 (Brunswick) 1958」ハード・バップ期の円熟したライブ

名トランペット奏者、ドナルド・バード(Donald Byrd)が1958年11月22日、フランスはパリにあるオリンピア劇場(L'Olympia)で行ったライブ演奏のうち、5曲を収録したアルバムが「Byrd In Paris Vol. 1 (Brunswick 87 903)」です。 ドナルド・バード(Donal…

「Art Farmer And Donald Byrd – 2 Trumpets (Prestige) 1956」知性派トランペッター2人の競演

ドナルド・バード(Donald Byrd)とアート・ファーマー(Art Farmer)という、知性派トランペッターの競演を収録した1956年08月03日録音のアルバムが「2 Trumpets (Prestige PRLP-7062)」です。 録音データを眺めると「The Prestige All Stars」とある事から…

「Sonny Rollins – A Night At The Village Vanguard (Blue Note) 1957」ピアノレス・トリオによる大名盤

2023年、明けましておめでとうございます。このブログを開始したのは、2022年01月だったので、もうすぐ1年が過ぎようとしております。 用事が重なると、きっかり定時に「1日1枚更新」という感じにはなりませんが、「1日1枚ジャズのアルバムを紹介する」…

「Kenny Dorham - Afro-Cuban (Blue Note) 1955」踊れるジャズの聖典

トランペッターのケニー・ドーハム(Kenny Dorham)が1955年、ブルーノート(Blue Note Records)で録音した二回のセッションから編纂されたアルバムが「Afro-Cuban (Blue Note BLP-1535)」です。 最初10インチ・レコード「Afro-Cuban (Blue Note BLP-5065…

「Paul Chambers - Bass On Top (Blue Note) 1957」ベーシストの「聖典」であり教科書的な大名盤

アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)がプロデューサーとして全てを仕切る時代のブルーノート(Blue Note Records)で、べーシストではただ一人、リーダーアルバムを残せたのがポール・チェンバース(Paul Chambers)です。 当時、マイルス・デイヴィス(M…

「Miles Davis - Nefertiti (Columbia) 1968」耽美的なウェイン・ショーター・サウンドの到達点かな

「60年代黄金クインテット」を率いるマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のスタジオ録音第4弾は、1967年06~07月にかけ4回行われた録音から拾遺された「Nefertiti (Columbia CS-9594)」です。 シシリー・タイソン(Cicely Tyson)の顔のドアップがあし…

「Miles Davis - E.S.P. (Columbia) 1965」ウェイン・ショーター加入後、最初のスタジオ録音。

ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)がマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のバンドに加入して最初のスタジオ録音が、今回の「E.S.P. (Columbia CS-9150/CL-2350)」です。 後に「60年代の黄金クインテット」と呼ばれるメンバーが集結した、最初のスタ…

「Miles Davis - 'Four' & More (Columbia) 1964」アップテンポ中心の名ライブ

1963年初頭に新バンドを結成したマイルス・デイヴィス(Miles Davis)は、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)を獲得するまでの間、制作(コロンビア)側との確執があったためかライブアルバムだけを発売していく事になります。 マイルス・デイヴィス(Mi…

「Miles Davis - My Funny Valentine (Columbia) 1964」バラッド中心の名ライブ

1963年初頭に新バンドを結成したマイルス・デイヴィス(Miles Davis)は、スタジオには入らず、ひたすらライブに明け暮れる日々を送っていた様です。 そんな中、公式にライブ録音された、1964年02月12日の「Philharmonic Hall」でのライブは、記録(ディスコ…

「Miles Davis - At The Blackhawk (Columbia) 1961」最も聴きやすいマイルスのライブ・アルバム

ハンク・モブレー(Hank Mobley)を擁するマイルス・デイヴィス(Miles Davis)率いるクインテットが、サンフランシスコのライブハウス「ブラックホーク(The Blackhawk)」での演奏を、1961年04月21日と22日の二日間に渡り行り、コロンビア(Columbia Recor…

「Miles Davis - Miles Ahead (Columbia) 1957」ギル・エヴァンス楽団が作り出す温かみあるサウンド

コロンビア(Columbia Records)に移籍したマイルス・デイヴィス(Miles Davis)が、ギル・エヴァンス(Gil Evans)楽団と共演した3枚のスタジオ録音のうち、第1弾として発売されたのが、この「Miles Ahead (Columbia CK-40784/CL-1041)」です。 マイルス…

「Nat Adderley - Work Song (Riverside) 1960」お勧めファンキー・ジャズ入門盤

今回はキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)の弟でコルネット奏者であるナット・アダレイ(Nat Adderley)の代表作。 1960年01月の25日と27日の2日間に渡り録音された「Work Song (Riverside RLP12-318)」です。 偉大な兄ちゃん(キャノンボー…

「Miles Davis - Bags' Groove (Prestige) 1954」喧嘩セッションの真実は

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の「Bags' Groove (Prestige PRLP-7109)」は、通称「喧嘩セッション」と呼ばれる録音を含むアルバム。 1、2曲目は1954年12月24日、クリスマス・イブの日に録音され、日本では通称「喧嘩セッション」と呼ばれております…

「Miles Davis - Walkin' (Prestige) 1954」束縛から解放された喜び満ち溢れる演奏

マイルス・デイヴス(Miles Davis)が、クスリの常習癖という束縛から解放された直後に録音されたセッションを収録したアルバムが「Walkin' (Prestige PRLP-7076)」です。 そんな背景もあった影響でしょうか。これまでの何処か陰りのある演奏から一変、マイ…

「Miles Davis - Dig (Prestige) 1951」興味深いエピソード満載のアルバム

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)初期のリーダー・アルバムで、1951年01月17日と1953年02月19日に録音された「Miles Davis And Horns (Prestige PRLP-7025)」に続くアルバムが、1951年10月05日に録音された「Dig (Prestige PRLP-7012)」となります。 こ…

「Wayne Shorter - Adam's Apple (Blue Note) 1966」マイルスの影響化で覚醒するショーター

ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)が1964年末、アート・ブレイキー(Art Blakey)のジャズ・メッセンジャーズから、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のクインテットに半ば強引に引き抜かれて約1年以上経過。 1965年12月末にはシカゴの「プラグド・…

「Art Blakey and The Jazz Messengers - A Night In Tunisia (Blue Note) 1960」決定版・チュニジアの夜

そろそろ、「初心者お勧めの大名盤」の中から1枚、紹介しましょうかね・・・。 まあ、資料見つけて書き出したものの文章まとまらず、未だ保留中のアルバムが何枚かあったりしますので、少しづつ放出しておかないと(笑)。 さて今回紹介するアルバムは、ア…

「Kenny Burrell - Midnight Blue (Blue Note) 1963」洗練されたブルース・フィーリング

ブルーノート(Blue Note Records)で「洗練されたブルース・フィーリング」と言って真っ先に思い浮かべるのがギタリストのケニー・バレル(Kenny Burrell)。 そんな洗練されたブルージーな感覚を備えるケニー・バレルを主役に据え、あえてブルージーな曲多…

「Grant Green - Idle Moments (Blue Note) 1963」タイトル曲のため、他の曲を再録音

ブルーノート(Blue Note Records)に残したアルバムにより、日本でも絶大なる人気を誇るギタリスト、グラント・グリーン(Grant Green)。 1963年11月に録音された「Idle Moments (Blue Note BST-84154)」は、グラント・グリーンの洗練されたブルース・フィ…