加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

◆Mode & New Mainstream (Post-bop)

「Eric Dolphy - Outward Bound (New Jazz) 1960」伝統とアヴァンギャルドの融合

前の記事でも書きましたが、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)の演奏の特徴は、当時の最先端なスタイルである「伝統的なスタイルをベースにして、そこにアヴァンギャルドな要素を付け加える」という事に尽きると思います。 ベースに「伝統的なスタイル」…

「Stan Getz - Sweet Rain (Verve) 1967」チック・コリアとの共演盤

1967年にスタン・ゲッツ(Stan Getz)が唯一残した公式録音が「Sweet Rain (Verve)」です。 前年1966年には、ヴァイブラフォンの俊英ゲイリー・バートン(Gary Burton)を擁するカルテットで活動してたみたいですが、翌1967年は方向性の模索時期で録音を休止…

「Eric Dolphy – Last Date (Fontana/Limelight) 1964」急逝直前、幸せの絶頂感あふれる演奏

アルト・サックス、バス・クラリネット、フルートを吹き分けるマルチ・リード奏者、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)。 ビバップから始まるモダンジャズの伝統を踏襲につつ、ソロでは前衛的な色彩強いフレーズを連発するという特異なスタイルで、(私含…

「Wayne Shorter - Speak No Evil (Blue Note BST-84194) 1964」新主流派の傑作アルバム

「悪しき事は言わざる(Speak No Evil)」は、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の、そして「新主流派 (New Mainstream)」と呼ばれたミュージシャンが残した代表作です。 ちなみに「See No Evil, Hear No Evil, Speak No Evil」で、日本でもお馴染みの…

「Herbie Hancock - Maiden Voyage (Blue Note) 1965」テレビCMがきっかけとなったコンセプトアルバム

壮大なる海に初めて挑む様子を曲で表現した、ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)がブルーノート(Blue Note Records)に録音したコンセプトアルバム「処女航海(Maiden Voyage)」。 新主流派、英語圏ではポスト・バップ(Post-Bop)と呼ばれる作品群の…

「Bill Evans & Jim Hall - Undercurrent(Liverty) 1962」ジャケットが暗喩する光景

ビル・エヴァンス(Bill Evans)とジム・ホール(Jim Hall)という知性派ジャズ・ミュージシャン達によるデュオ・アルバム「底流(Undercurrent)」。 CD化の際、別テイク含む未発表だった4曲が追加収録されたバージョンも発売されております。 ビル・エ…

「Bill Evans - Waltz For Debby +4 (Riverside)1962」不朽の名盤想定外の続編

「Bill Evans - Sunday At The Village Vanguard」が発売された翌1962年、1961年07月に急死したベースのスコット・ラファロ(Scott LaFaro)追悼盤として「Waltz For Debby」が発売された様です。 「不朽の名盤想定外の続編」が、不幸な事故をきっかけにして…

「Bill Evans - Sunday At The Village Vanguard +5 (Riverside)1961」不朽の名盤

ビル・エヴァンス(Bill Evans)が結成した、革新的なトリオ。 革新的である要因はスコット・ラファロ(Scott LaFaro)のピアノと対等に自己主張するベースであることに異論がある人は、まず居ないかと思われます。 彼ら革新的なトリオが残したライブアルバ…

「Miles Davis - Kind Of Blue (Columbia) 1959」ジャズ屈指の大名盤の光と影

ジャズ界の巨人マイルス・デイビス(Miles Davis)が1959年に発売し、現在までロングセラーを更新するアルバムが「Kind Of Blue (Columbia)」。 「踊るための伴奏音楽」から出発し発展してきたジャズ(JAZZ)が、クラッシック音楽を吸収し、「モード」という…