加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

☆プレステッジ(Prestige - New Jazz)

「John Coltrane - Soultrane (Prestige) 1958」プレステッジ時代の最高傑作(諸説あり)

テナーサックスの巨人、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)が、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)らジャズ・ジャイアンツと共演する事で急激な成長を遂げた時期が1958年付近、丁度、プレステッジ(Prestige Records)と契約していた時代であったりし…

「Jackie Mclean - 4,5 and 6 (Prestige) 1956」名盤には届かないものの、良盤

ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)の、1956年07月に行われた2回のセッションをまとめたアルバムが「4,5 and 6 (Prestige PRLP-7048)」です。 07月13日のセッションではドナルド・バード(Donald Byrd)とのクインテット、07月20日のセッションではド…

「Hal McKusick - Triple Exposire (Prestige) 1957」予想外の好盤

マルチリード奏者であるハル・マクシック(Hal McKusick)のアルバム「Triple Exposire (Prestige PRLP-7135)」を先日、時々行く中古CD屋さんで入手。 まあ、私も大好きなゴリゴリとしたピアノ演奏でスタイルで人気が高い、エディ・コスタ(Eddie Costa)…

「Carmel Jones - Jay Hawk Talk (Prestige) 1965」遅れて登場した極上のハード・バップ

カーメル・ジョーンズ(Carmel Jones)の「Jay Hawk Talk (Prestige PR-7401)」は、1965年05月08日に録音された、遅れて登場した極上のハード・バップという感じのアルバムです。 リーダーであるトランペットのカーメル・ジョーンズ(Carmel Jones)の他、フ…

「Miles Davis - Steamin' (Prestige) 1956」商業的成功とマラソン・セッション

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)率いる1950年代の黄金クインテットは、プレステッジ(Prestige Records)との録音契約を履行するため、1956年の05月11日と10月26日の2回に分けたスタジオをライブ会場に見立てた長時間録音、通称「マラソン・セッション…

「Miles Davis - Workin' (Prestige) 1956」変革の年に行われた充実した長時間セッション

コロンビア(Columbia Records)と契約を結んだ1956年は、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)にとって変革の年となりました。 後に「1950年代の黄金クインテット」と呼ばれるバンドでのツアーは大成功を収め、出演するクラブは連日満員。 そんな中、1956年…

「Miles Davis - Miles (Prestige) 1955」1950年代黄金のクインテット始動

1955年11月16日に録音された「Miles (Prestige PRLP-7014)」。 解説文が印刷されるジャケット裏に「The New Miles Davis Quintet」と記載されている通り1955年の中頃、マイルスが新たに結成したバンドでの録音です。 マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の…

「Miles Davis And Milt Jackson Quintet/Sextet (Prestige) 1955」マクリーンとの喧嘩セッション

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の1955年08月05日に録音された「Miles Davis And Milt Jackson Quintet/Sextet (Prestige PRLP-7034)」は、録音時にジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)とひと悶着が起きた事から、嘘偽りない本当の意味での「喧嘩…

「Miles Davis - The Musings Of Miles (Prestige) 1955」バード逝去直後に録音されたワンホーン・アルバム

マイルス・デイヴス(Miles Davis)の「The Musings Of Miles (Prestige PRLP-7007)」は、珍しいワンホーン・アルバムです。 マイルスの他、レッド・ガーランド(Red Garland)のピアノ、オスカー・ペティフォード(Oscar Pettiford)のベース、フィリー・ジ…

「Miles Davis And The Modern Jazz Giants (Prestige) 1954,56」有名なる2つのセッション

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の「Miles Davis And The Modern Jazz Giants (Prestige PRLP-7150)」は、通称「喧嘩セッション」から4曲、「マラソンセッション」から1曲を収録したアルバム。 セロニアス・モンク(Thelonious Monk)、ミルト・ジャ…

「Miles Davis - Bags' Groove (Prestige) 1954」喧嘩セッションの真実は

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の「Bags' Groove (Prestige PRLP-7109)」は、通称「喧嘩セッション」と呼ばれる録音を含むアルバム。 1、2曲目は1954年12月24日、クリスマス・イブの日に録音され、日本では通称「喧嘩セッション」と呼ばれております…

「Miles Davis - Walkin' (Prestige) 1954」束縛から解放された喜び満ち溢れる演奏

マイルス・デイヴス(Miles Davis)が、クスリの常習癖という束縛から解放された直後に録音されたセッションを収録したアルバムが「Walkin' (Prestige PRLP-7076)」です。 そんな背景もあった影響でしょうか。これまでの何処か陰りのある演奏から一変、マイ…

「Miles Davis - Collectors' Items (Prestige) 1953,1956」バードとロリンズの共演盤

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の「Collectors' Items (Prestige PRLP-7044)」は1953年01月30日に行われたセッションと、マイルスがプレステッジ(Prestige)レコードを離れる直後の3年後、1956年03月16日に行われた消化試合的なセッションの2つを1…

「Miles Davis - Live At The Barrel (Prestige) 1952」自叙伝読みつつ聴く1枚

このアルバム「Live At The Barrel (Prestige PRLP-7858)」は、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)の自叙伝読みつつ聴くと、面白みが倍増すると思います。 CDの日本語表記では、「マイルス・イン・セントルイス」となっており、ややこしいので統一して欲し…

「Miles Davis - Dig (Prestige) 1951」興味深いエピソード満載のアルバム

マイルス・デイヴィス(Miles Davis)初期のリーダー・アルバムで、1951年01月17日と1953年02月19日に録音された「Miles Davis And Horns (Prestige PRLP-7025)」に続くアルバムが、1951年10月05日に録音された「Dig (Prestige PRLP-7012)」となります。 こ…

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

ジャズ界の帝王、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)がまだ駆け出しの頃は、天才チャーリー・パーカー(Charlie Parker)との共演で腕を磨きつつ、パーカーの悪影響でクスリにハマる事となります。 クスリを入手するために演奏をこなす、といった日々を過…

「Eric Dolphy - In Europe Vol. 1 (Prestige) 1961」デンマークでの刺激的なライブ

今回はマルチ・リード奏者、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のアルバムです。 BOXセットで購入したものを、バラしてアルバム単位で聴けるようにした中から「In Europe Vol. 1 (Prestige PRLP-7304)」を。 1961年09月08日、デンマークのコペンハーゲ…

「Sonny Rollins - Plays For Bird (Prestige) 1956」チャーリー・パーカーに捧ぐ長尺メドレー

ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)名義の「Plays For Bird (Prestige PRLP-7095)」は、1955年03月12日に急逝したチャーリー・パーカー(Charlie Parker)を偲び、パーカーが亡くなった翌年の1956年10月05日、ソニー・ロリンズ自身も参加していた「Max Roach…

「Sonny Rollins - Sonny Rollins Plus 4 (Prestige) 1956」ブラウンーローチ・クインテット、最後の輝き

モダンジャズ・テナーサックスの巨人、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のアルバムを紹介するにあたり、「クリフォード・ブラウンとマックス・ローチの双頭クインテット」関連の話題を断続的に書いてきましたが、その過程で思い出した「裏技的」なアルバム…

「Sonny Rollins - Saxophone Colossus (Prestige)」悲劇の4日前に録音された大名盤

豪快で大胆。自然体のまま自由奔放に吹いただけで、持ち味が最大限に引き出されたアルバム。 ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)のアルバム「Saxophone Colossus (Prestige PRLP-7079)」は、1956年06月22日、クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ・クイ…

「Thelonious Monk - Thelonious Monk and Sonny Rollins (Prestige) 1954」ロリンズとモンクの共演盤

モダンジャズ・サックスの巨人であり一時期、世界中のモダン・テナーサックス奏者のお手本となった、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)と、孤高の天才、セロニアス・モンク(Thelonious Monk)の共演を集めた拾遺集が、今回の「Thelonious Monk and Sonny R…

「Miles Davis - Blue Haze (Prestige) 1953,1954」呪縛からの解放と反面教師的なアルバム

ジャズ界の巨人、マイルス・デヴィス(Miles Davis)の「Blue Haze (Prestige PRLP-7054)」は、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)との出会いからもたらされた「負の遺産」とでもいうべき、麻薬中毒の長く絶望的なトンネルから抜け出した時期の演奏を含…

「Tadd Dameron with John Coltrane - Mating Call (Prestige) 1956」ジョン・コルトレーン急成長期の一コマ

ファッツ・ナバロ(Fats Navarro)との共演、クリフォード・ブラウン(Clifford Borwn)への作編曲の提供など、トランペット好きには外せないピアニスト兼作編家であるタッド・ダメロン(Tadd Dameron)。 そんなタッド・ダメロンが、テナーサックスの巨人ジ…

「Booker Ervin - The Song Book (Prestige) 1964」豪快なるハード・バップ系テナー

「The Song Book (Prestige PR-7318)」は1964年初頭、ブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)が米国のジャズレーベルであるプレステッジ(Prestige Records)に録音したアルバム。 今まで私にとってブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)は、ブルーノート(Bl…

「Sonny Criss - Up, Up And Away (Prestige)1967」温故知新、時代の流れに身を任せ生まれた名盤

ソニー・クリス(Sonny Criss)が1967年に録音した「Up, Up And Away (Prestige PRST-7530)」は、ギターのタル・ファーロウ(Tal Farlow)、ピアノのシダー・ウォルトン(Cedar Walton)、ベースのボブ・クランショウ(Bob Cranshaw)、ドラムスのレニー・マ…

「Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige) 1966」絶好調のウェイン・ショーターだけ聴こう

「The Soul Man! (Prestige PRST-7465)」は、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)[1935 - 1974]最後期の1966年、ジャズ・メッセンジャーズ時代の同僚・ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)を迎えたアルバム。 兎に角、独自のサウンドを明確に押し出し始…

「Roy Haynes - We Three (Prestige/New Jazz) 1958」変幻自在な3人対等のバンド

予測不能で個性的なリズムを叩き出すロイ・ヘインズ(Roy Haynes)。 1958年11月14日に録音されたアルバム「We Three」はロイ・ヘインズ名義ではありますが、「We Three」とタイトルをつけているので「3人対等」のバンドなのでしょう。 ジャケットを見ると…

「Eric Dolphy - At The Five Spot Vol. 1 (New Jazz) 1961」双頭バンドが残した壮絶なるライブ盤

「At The Five Spot Vol. 1 (New Jazz NJLP-8260)」は、マルチ・リード奏者のエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)とトランペッター、 ブッカー・リトル(Booker Little)との双頭バンドによる1961年07月、ニューヨークのライブスポット、ファイブ・スポット…

「Elmo Hpoe - Hope Meets Foster(Prestige) 1955」フランク・フォスターの名演を堪能出来るアルバム

「Hope Meets Foster(Prestige PRLP-7021) 」は、ピアニスト、エルモ・ホープ(Elmo Hope)名義のアルバムです。 ただ、後に1曲目のタイトルである「Wail, Frank, Wail (PRLP-7021)」に改題、再発された事でも分かる通り、カウント・ベイシー楽団などで大活…

「Eric Dolphy - Outward Bound (New Jazz) 1960」伝統とアヴァンギャルドの融合

前の記事でも書きましたが、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)の演奏の特徴は、当時の最先端なスタイルである「伝統的なスタイルをベースにして、そこにアヴァンギャルドな要素を付け加える」という事に尽きると思います。 ベースに「伝統的なスタイル」…