日本には、彼を神として崇める熱狂的な信者が居る程の人気を誇る、サックス奏者・ジョン・コルトレーン(John Coltrane)。
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のバンドに在籍した頃から、リーダーそっちのけで熱い激しい演奏を繰り広げていたコルトレーンですが・・・。
1961年末から1962年の3回のセッションから編纂された「Ballads (Impulse!) 」は、タイトル通り何故か感情抑え気味、夜の小粋な酒場のBGMにぴったりなバラッド集となりました。
で、発売したところ、世界的な大ベストセラーアルバムに・・・。
私が最初、ジャズ専門誌だったかで読んだ「Ballads (Impulse!) 」に関する記事には、「録音当時コルトレーンが使用するマウスピースが不調なため、激しい演奏が出来ず、苦肉の策として録音されたアルバム」・・・という話でしたが。
実際はプロデューサーのボブ・シール(Bob Thiele)がファン層拡大ため企画したアルバムであったようで。まあ、その狙い通り大ヒットした訳ですね。
John Coltrane - Ballads (1962)
Impulse AS-32 / GRD-156 / Universal MVCZ-10025 [1999.01.21]
side 1 (A)
01. Say It (F. Loesser, J. McHugh) 4:20
02. You Don't Know What Love Is (D. Raye, G. DePaul) 5:17
03. Too Young to Go Steady (H. Adamson, J. McHugh) 4:25
04. All or Nothing at All (J. Lawrence, A. Altoman) 3:40
side 2 (B)
05. I Wish I Knew (H. Warren, M. Gordon) 4:56
06. What's New (B. Haggart, J. Burke) 3:49
07. It's Easy to Remember (L. Hart. R. Rodgers) 2:50
08. Nancy (J. Van Heusen, P. Silvers) 3:16
#07 December 21,1961 at Rudy Van Gelder Studio,Englewood Cliffs,NJ.
#06,08 September 18,1962 at Rudy Van Gelder Studio,Englewood Cliffs,NJ.
#01-05 November 13,1962 at Rudy Van Gelder Studio,Englewood Cliffs,NJ.
John Coltrane(ss, ts) McCoy Tyner(p) Reggie Workman(b) Elvin Jones(ds)
コルトレーンの穏やかな演奏がお好きな方には、マイケル・カスクーナ(Michael Cuscuna)がインパルス時代の演奏から厳選・編纂したコンピレーション・アルバム「The Gentle Side Of John Coltrane」をお勧めしときます。
キース・ジャレットの「ケルン・コンサート」の時も、普段と違う演奏が大ヒットに結び付いた、という点を思い出すにジャズファンは案外ひねくれているというか、意外性を求める傾向があるのかもしれません(笑)。
●John Coltrane - Coltrane (Impulse! AS-21)
●Duke Ellington & John Coltrane (Impulse! AS-30)