ブルーノート(Blue Note Records)の看板アーティスト、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)のベストセラー・アルバムの1枚が、この1959年に録音した「Blowin' The Blues Away (Blue Note BST-84017)」です。
ブルー・ミッチェル(Blue Mitchell)とジュニア・クック(Junior Cook)の最強コンビを従えた、ホレス自身も「絶頂期」と呼ぶクインテット編成による録音。
ジャケット裏の写真は「Discogs」からお借りしました。
ただし、難病であるらしい舞踏病を題名にした「The St. Vitus Dance」と、「Melancholy Mood」の2曲がトリオ編成による演奏となっております。
最強なるクインテット編成での演奏で白眉なのは、何と言っても「Sister Sadie」。
小川隆夫さんの著作に収録されるピアニストのハロルド・メイバーンの証言によると、当時からラジオでよくオンエアされたり、バーのジュークボックスに入ってたりしたそうで。
また「Sister Sadie」はビックバンド用に編曲され、現在でも世界中のビックバンドが演奏しているようです。
しかし、レギュラーバンドでなければ、こんな複雑なメロディー演奏する気になれないでしょうねえ・・・大学生の頃からこつこつと購入してた譜面(マイナスワン)を眺める度に、ため息が出ます。無理(笑)。
まあ、聴いてるだけなら、ゴキゲンでキャッチーな演奏なんですけどね。
キャッチーなんだけど譜面見ると「わー!」となる曲を書いてる他の人は・・・となると、ホレスのバンドにも在籍してた、ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)とか(汗)。
Horace Silver - Blowin' The Blues Away +1 (RVG)
Blue Note BST-84017 / Blue Note 7243 4 95342 2 3 [1999]
side 1 (A)
01. Blowin' The Blues Away (Horace Silver) 4:40
02. The St. Vitus Dance (Horace Silver) 4:06
03. Break City (Horace Silver) 4:53
04. Peace (Horace Silver) 5:58
side 2 (B)
05. Sister Sadie (Horace Silver) 6:15
06. The Baghdad Blues (Horace Silver) 4:49
07. Melancholy Mood (Horace Silver) 7:04
CD Bonus Track
08. How Did It Happen (Don Newey) 4:41
#01,06 August 29, 1959 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
#03-05,08 August 30, 1959 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Horace Silver Quintet
Blue Mitchell (tp) Junior Cook (ts) Horace Silver (p) Eugene Taylor (b) Louis Hayes (ds)
#02,07 September 13, 1959 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Horace Silver Trio
Horace Silver (p) Eugene Taylor (b) Louis Hayes (ds)
ホレス・シルヴァー(Horace Silver)は沢山の名盤を残しておりますが、参考までに、幾つか紹介しておきましょう。
「Horace Silver - 6 Pieces Of Silver (Blue Note BLP 1539)」1956
「Horace Silver - Doin' The Thing (Blue Note BST-84076)」1961
「Horace Silver - Song For My Father (Blue Note BST-84185)」1963
「Horace Silver - Silver 'N Brass (Blue Note BN-LA406-G)」1975
「Horace Silver - It's Got To Be Funky (Legacy CK 53812)」1993
「Horace Silver - Jazz...Has...A Sense Of Humor (Verve IMPD-293)」1998
クインテット編成を1960年後半にセクステットに拡大したり、エレクトリック・ピアノを弾きギターとヴォーカル入れてソウル路線に転換したりと、時流に合わせ試行錯誤してたホレスですが。
1970年代以降はビックバンド(ラージアンサンブル)編成で活路を見出し、1990年代には亡くなったアート・ブレイキー(Art Blakey)と入れ替わりに来日。
山中湖畔で開催されてた「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル」に登場してたりしました。
アート・ブレイキー(Art Blakey)と「共演NG」の理由は、小川隆夫さんの著作を読むかぎり「信仰する宗教の相違」とありますが、さて、真実は如何に。