加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Stan Getz - Sweet Rain (Verve) 1967」チック・コリアとの共演盤

1967年にスタン・ゲッツStan Getz)が唯一残した公式録音が「Sweet Rain (Verve)」です。

前年1966年には、ヴァイブラフォンの俊英ゲイリー・バートンGary Burton)を擁するカルテットで活動してたみたいですが、翌1967年は方向性の模索時期で録音を休止していたのかな。

 

「Stan Getz - Sweet Rain (Verve) 1967」チック・コリアとの共演盤


ピアノにラテン調の演奏を得意とするチック・コリアChick Corea)を迎え、チックのオリジナル「Litha」と「Windows」の2曲も収録されております。

 


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レコード会社の意向なのか、ブームを巻き起こしたボサノヴァ調の曲を交えつつ、新主流派と呼ばれるミュージシャン達が作り出す新たな方向性を持つ曲も積極的にとりあげ、吸収していこうとするゲッツの先見性が垣間見えます。

 

しかし、ハードバップ(クール)時代から日々変遷する演奏スタイルを吸収し、自身の個性を発揮するスタン・ゲッツの恐るべき柔軟性には、舌を巻くばかりですね。

 

Stan Getz - Sweet Rain
Verve V/V6-8693 / POCJ-9240 [2000.06.01] Verve 24bit Super Best 50

side 1 (A)
01. Litha (Chick Corea)  8:30
02. O Grande Amor (Jobim, DeMoraes)  4:44
03. Sweet Rain (Gibbs)  7:12

side 2 (B)
04. Con Alma (Gillespie)  8:06
05. Windows (Chick Corea)  8:57


Stan Getz (ts) Chick Corea (p) Ron Carter (b) Grady Tate (ds) 

March 21(#01-03), 30(#04,05) 1967 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

 

 


そういえば初期のチック・コリアChick Corea)は、スタン・ゲッツとの共演歴を持つ、ホレス・シルヴァーHorace Silver)のラテン風味な演奏スタイルを踏襲しておりましたね。

 


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ついでなんで、1972年に録音された、チック・コリアが参加した「Sweet Rain (Verve)」と同じ志向のアルバムも紹介しておきます。

 

Stan Getz – Captain Marvel (Columbia)」

Stan Getz (ts) Chick Corea (p, el-p) Stanley Clarke (b) 
Tony Williams (ds) Airto Moreira (per)

March 3, 1972 at A&R Studios in NYC.