昨日の記事書いてたら聴きたくなったので、図書館(ほんぽーと)から借りてきました(笑)。
レイ・ブライアント(Ray Bryant)の「Alone At Montreux (Atlantic)」は、1972年、スイスの「モントルー・ジャズ・フェスティバル」のソロ・パフォーマンス。
何でもピアノの巨匠、オスカー・ポーターソン(Oscar Peterson)の代役で急遽、演奏する事になり、モントルーの大舞台でソロ演奏したら、大ウケしてしまったらしいです。
このライブで聴くことが出来るレイ・ブライアントの演奏スタイルは、ジャズ初期に「ブギ・ウギ」と呼ばれた演奏スタイルを継承、発展したものです。
左手はコード弾きつつリズムをキープ、右手でソロを弾いてるんで、このスタイルだとドラム、ベース、ピアノの三役を、たった一人でこなせる訳です。
「ピアノはオーケストラだ」とか言った感じの言葉を述べた人も居たような記憶がありますが、ピアノの名手にかかれば、一人でオーケストラのような演奏も出来るんでしょう。
ちなみに、ブギウギスタイルはこんな感じです。
全然関係ないですが、オスカー・ピーターソンはカナダ出身でしたね。
さて、レイ・ブライアント(Ray Bryant)の演奏スタイルは、オスカー・ピーターソンの華麗なる演奏とはちょっと異なりますが。
その分、1970年代の音楽シーンを席巻していたソウルやゴスペル、ファンキージャズのエッセンスをふんだんに混ぜた演奏なんで、避暑地に遊びに来て、ついでにジャズでも聴いてみようかなー的なお客さんにはより親しみやすかったんでしょう。
左手(低音部)は強力なタッチでブロックコードをリズミックに弾き、右手はソロフレーズを弾きこむレイ・ブライアントは、一人でドラム、ベース、ピアノの三役を見事にこなしておりますね。
このピアノ・スタイルなら、オスカー・ポーターソンの代役の責務を十分にはたしつつ、お客さんも納得したでしょう・・・。
ぼーっと聴いていると、ドラムとベースが居るような錯覚にとらわれますね。
「Cubano Chant」などの自作曲はよりファンキーに。「Greensleeves」などのスタンダードはしっとりと・・・。
緩急織り交ぜた演奏と、時々聴こえる観客の歓声・・・「おや?このミュージシャンは誰だ?」的な様子から、どんどん観客がヒートアップしていく様子が感じとれる、まさにライブの醍醐味を体感することが出来るアルバムです。
Ray Bryant - Alone At Montreux
Atlantic SD1626 / Warner Music Japan WPCR-25139 [2006.12.20]
side 1
01. Gotta Travel On (Larry Ehrlich, Paul Clayton, Tom Six) 4:45
02. Blues #3 - Willow Weep For Me (Ray Bryant / Ann Ronell) 5:40
03. Cubano Chant (Ray Bryant) 4:35
04. Rockin' Chair (Hoagy Carmichael) 4:32
05. After Hours (Avery Parrish) 3:28
side 2
06. Slow Freight (Ray Bryant) 5:08
07. Greensleeves (Traditional) 2:00
08. Little Suzie (Ray Bryant) 2:30
09. Until It's Time For You To Go (Buffy Sainte-Marie) 3:23
10. Blues #2 (Ray Bryant) 3:30
11. Liebestraum Boogie (Traditional) 3:30
Ray Bryant (p)
June 23, 1972 at Montreux Jazz Festival, Casino De Montreux, Switzerland.
Producer – Joel Dorn
やや画質悪いですが、映像もあります。