加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Ray Bryant - Alone At Montreux (Atlantic) 1972」代役で掴んだ大歓声

昨日の記事書いてたら聴きたくなったので、図書館(ほんぽーと)から借りてきました(笑)。

 

「Ray Bryant - Alone At Montreux (Atlantic) 1972」代役で掴んだ大歓声

レイ・ブライアントRay Bryant)の「Alone At Montreux (Atlantic)」は、1972年、スイスの「モントルー・ジャズ・フェスティバル」のソロ・パフォーマンス。

 

「Ray Bryant - Alone At Montreux (Atlantic) 1972」代役で掴んだ大歓声

何でもピアノの巨匠、オスカー・ポーターソン(Oscar Peterson)の代役で急遽、演奏する事になり、モントルーの大舞台でソロ演奏したら、大ウケしてしまったらしいです。

 

このライブで聴くことが出来るレイ・ブライアントの演奏スタイルは、ジャズ初期に「ブギ・ウギ」と呼ばれた演奏スタイルを継承、発展したものです。

 

左手はコード弾きつつリズムをキープ、右手でソロを弾いてるんで、このスタイルだとドラム、ベース、ピアノの三役を、たった一人でこなせる訳です。

 

「ピアノはオーケストラだ」とか言った感じの言葉を述べた人も居たような記憶がありますが、ピアノの名手にかかれば、一人でオーケストラのような演奏も出来るんでしょう。

 

ちなみに、ブギウギスタイルはこんな感じです。


www.youtube.com

 

 

全然関係ないですが、オスカー・ピーターソンはカナダ出身でしたね。

さて、レイ・ブライアントRay Bryant)の演奏スタイルは、オスカー・ピーターソンの華麗なる演奏とはちょっと異なりますが。

 

その分、1970年代の音楽シーンを席巻していたソウルやゴスペル、ファンキージャズのエッセンスをふんだんに混ぜた演奏なんで、避暑地に遊びに来て、ついでにジャズでも聴いてみようかなー的なお客さんにはより親しみやすかったんでしょう。

 

左手(低音部)は強力なタッチでブロックコードをリズミックに弾き、右手はソロフレーズを弾きこむレイ・ブライアントは、一人でドラム、ベース、ピアノの三役を見事にこなしておりますね。

 

このピアノ・スタイルなら、オスカー・ポーターソンの代役の責務を十分にはたしつつ、お客さんも納得したでしょう・・・。

 

ぼーっと聴いていると、ドラムとベースが居るような錯覚にとらわれますね。

 

「Cubano Chant」などの自作曲はよりファンキーに。「Greensleeves」などのスタンダードはしっとりと・・・。

 

緩急織り交ぜた演奏と、時々聴こえる観客の歓声・・・「おや?このミュージシャンは誰だ?」的な様子から、どんどん観客がヒートアップしていく様子が感じとれる、まさにライブの醍醐味を体感することが出来るアルバムです。

 

Ray Bryant - Alone At Montreux
Atlantic SD1626 / Warner Music Japan WPCR-25139 [2006.12.20]

side 1
01. Gotta Travel On (Larry Ehrlich, Paul Clayton, Tom Six)  4:45
02. Blues #3 - Willow Weep For Me (Ray Bryant / Ann Ronell)  5:40        
03. Cubano Chant (Ray Bryant)  4:35
04. Rockin' Chair (Hoagy Carmichael)  4:32
05. After Hours (Avery Parrish)  3:28

side 2
06. Slow Freight (Ray Bryant)  5:08
07. Greensleeves (Traditional)  2:00
08. Little Suzie (Ray Bryant)  2:30
09. Until It's Time For You To Go (Buffy Sainte-Marie)  3:23
10. Blues #2 (Ray Bryant)  3:30
11. Liebestraum Boogie (Traditional)  3:30


Ray Bryant (p)
June 23, 1972 at Montreux Jazz Festival, Casino De Montreux, Switzerland.

Producer – Joel Dorn

 

 

やや画質悪いですが、映像もあります。

 


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