加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Cannonball Adderley - Phenix (Fantasy) 1975」ジャズ・ファンク・セルフカヴァー集

ジャズの「CD」とか「FMエアチェック」は普段、棚から探してCDプレイヤーにセットするという儀式が億劫(笑)。

 

なので、そういう事(億劫)もあろうかと、パソコンに取り込んだ音源をその日の気分で選んで聴いているのですが、昨日聴いていて「あ、これいいな!」と思ったアルバムを思いつきでご紹介します。

 

「Cannonball Adderley - Phenix (Fantasy)  1975」ジャズ・ファンク・セルフカヴァー集

キャノンボール・アダレイCannonball Adderley)の「Phenix (Fantasy)」は、1975年録音のジャズ・ファンク・セルフカヴァー集。レコード時代は2枚組だったんですね。

 

ジョージ・デュークGeorge Duke)のドリーミーなエレピの音と、アイアート・モレイラ(Airto Moreira)が奏でるパーカッションが心地よく、1975年頃のフュージョン風味がよい感じです。

バックのサウンドは時代に合わせてますが、キャノンボールとナットのアダレイ兄弟が演奏するソロの熱さは、ファンキー旋風を巻き起こした60年代そのまま。


バックのユルさと熱いソロの絶妙な加減がクラブ、ヒップホップ系に持て囃される理由なんだと思います。

50~60年代に近いアレンジの曲の方が、キャノンボール以下のソロは冴え渡るというのは、仕方ないというか面白い処。


「High Fly」は、軽めのボッサ風。このアルバム曲調はこんな感じです。


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ライトなバックとアダレイ兄弟含む熱いソロリレーの対比が印象的な「Work Song」。


怪しげなエレピの音から始まるファンク風味の「Sack O' Woe」、「Organized Konfusion - Keep It Koming」には、「Sack O' Woe」のベースラインがサンプリングされているとの事。

 


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エレピのファンキーなソロが凄い「Jive Samba」、うなるベースをバックに抑え気味のテンポで、じわじわ盛り上げる「This Here」、キャノンボールの饒舌なアルトソロが堪能出来る「The Sidewalks Of New York」。

 

ジャングルを思わせる雰囲気のオープニングから、ファンキーなソロが続く 「Hamba Nami」、急速調のテーマから続く、シリアスなナットのソロが凄い「Domination」、
前半7拍子で最後4拍子となる面白い曲「74 Miles Away」ではキャノンボールが暴れまわります(笑)。

 

牧歌的というか童謡風なアレンジな「Country Preacher」、ピアノを従えキャノンボールがノビノビとソロを展開する「Stars Fell On Alabama」。

 

メドレー形式で演奏される「Walk Tall/Mercy, Mercy, Mercy」は、8ビートの「Walk Tall」から「Mercy, Mercy, Mercy」というファンク~ゴスペルへと雰囲気が展開する流れが、アルバム最後に相応しい展開なんだと思います。

The Pharcyde - She Said」は、このアルバム収録の「Mercy, Mercy, Mercy」がネタになった模様。


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Cannonball Adderley - Phenix  
Fantasy F-79004 / FCD-79004-2 [1999]

side 1
01. High Fly (Randy Weston)  6:13
02. Work Song (Nat Adderley)  6:37
03. Sack O' Woe (Julian "Cannonball" Adderley)  5:14

side 2
04. Jive Samba (Nat Adderley)  5:27
05. This Here (Bobby Timmons)  7:20
06. The Sidewalks Of New York (Lawlor-Blake, arr. J. Adderley)  5:43

side 3
07. Hamba Nami (Julian "Cannonball" Adderley)  5:32
08. Domination (Julian "Cannonball" Adderley)  7:02
09. 74 Miles Away (Josef Zawinul)  6:07

side 4
10. Country Preacher (Josef Zawinul)  4:34
11. Stars Fell On Alabama (Parish-Perkins)  5:56
12. Walk Tall/Mercy, Mercy, Mercy (Zawinul-Marrow-Rein/Zawinul)  7:32


Nat Adderley (cor) Cannonball Adderley (as, ss) Mike Wolf (p #7-12) 
George Duke (p,syn #1-6, add syn #8,10,12) 
Sam Jones (b #1-6) Walter Booker (b, el-b #7-12) Louis Hayes (ds #1-6) 
Roy McCurdy (ds #7-12) Airto Moreira (per) 

February, March, April, 1975, Fantasy Studios, Berkeley, CA.

 

Phenix

Phenix

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1960年代、ファンキー時代の演奏と聴き比べてみるのも面白いかと。