加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Curtis Fuller - Blues-ette (Savoy) 1959」魅力的な重低音サウンド誕生のいきさつ

数少ないハードバップ時代から活躍していたトロンボーン奏者・カーティス・フラーCurtis Fuller)。

 

「Curtis Fuller - Blues-ette (Savoy) 1959」魅力的な重低音サウンド誕生のいきさつ

彼をリーダーとし、ベニー・ゴルソンBenny Golson)が音楽監督を務めるアルバム「Blues-ette (Savoy)」は、1959年06月21日に録音された、サヴォイ(Savoy Records)を代表する大ベストセラー・アルバム。

 

このアルバムの人気を決定的にしたベニー・ゴルソンBenny Golson)作曲の「Five Spot After Dark」は、日本ではテレビCMに起用されたことで、誰もが一度は聴いた事のあるジャズの名曲となっております。

 


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小川隆夫さんの著作「ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100(河出書房新社)」によると、1958年中頃から1959年前半の1年を通じ、カーティス・フラーベニー・ゴルソンの二人は、ファイブ・スポットの「ハウス・バンド」として演奏したそうで。

 

このハウスバンドは、リーダーがカーティス・フラーCurtis Fuller)で、音楽監督ベニー・ゴルソンBenny Golson)である以外、他のメンバーは流動的だったとの事。

 

このバンドでの演奏では、トロンボーンとテナーサックスによるハーモニーとサウンドを研究・実践し、日々ハーモニーとサウンドを、自分たちが満足いく方向に変えていったそうで・・・。

 

その「完成系」が、1959年06月に録音されたアルバム「Blues-ette (Savoy) 」との事。

 

ベニー・ゴルソンが「地を這うようなサウンド」と形容する二管アンサンブルは、徹底して1オクターブの音域の中に収まる「クローズド・ハーモニー」という形式で書かれているそうです。

 

ちなみに1オクターブの音域の中に収まらないアンサンブルは「オープン・ハーモニー」と呼ばれているとの事。

 

低音楽器の魅力を最大限に引き出すため「クローズド・ハーモニー」を用い、「魅力的な重低音サウンド」を1年掛けて磨き上げたという話は、実際ご本人に聞いてみないと分からないエピソードでありますね。

 

Curtis Fuller - Blues-ette (stereo) +3
Savoy MG-12141/ST-13006 / 
Columbia Music Entertainment/Jroom Jazz COCB-53479 [2005.12.21]

side 1 (A)
01. Five Spot After Dark (Benny Golson)  5:20
02. Undecided (Sydney Robin, Charlie Shavers)  7:11
03. Blues-ette (Curtis Fuller)  5:34

side 2 (B)
04. Minor Vamp (Benny Golson)  5:12
05. Love Your Spell Is Everywhere (Edmund Goulding, Elsie Janis)  7:08
06. Twelve-Inch (Curtis Fuller)  6:29

CD Bonus Tracks
07. Five Spot After Dark (Take 2) (Benny Golson)  5:23
08. Blues-ette (Take 3) (Curtis Fuller)  7:52
09. Love Your Spell Is Everywhere (Take 3) (Edmund Goulding, Elsie Janis)  7:17


Curtis Fuller (tb) Benny Golson (ts) Tommy Flanagan (p) 
Jimmy Garrison (b) Al Harewood (ds)

May 21, 1959 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

 

 

「ファイブ・スポット(Five Spot Cafe)」でのライブ録音あれこれ

 

当時のニューヨーク界隈のジャズスポットは「2バンド出演制」を導入しており、週替わりに演奏する「ゲスト・バンド」と、長期出演する「ハウス・バンド」が演奏していたそうです。今考えると、贅沢な事ですね・・・。


さて、「ファイブ・スポット(Five Spot Cafe)」は、元々「The No. 5 Bar」というお店だったそうで。

 

キャバレー営業の免許(キャバレーカード)を取得した後、1956年09月から「ファイブ・スポット(Five Spot Cafe)」と名前を変え営業を始めたとのこと。


ファイブスポットにおける最初の公演は、1956年11月29日から1957年01月03日まで
行われたセシル・テイラーCecil Taylor)のバンドだったそうです。


1957年07月18日より6ヶ月、ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)を含む伝説的なセロニアス・モンクThelonious Monk)のカルテットによる演奏が行われました。

 

 

1年後、ジョニー・グリフィンJohnny Griffin)をフロントに迎えた1958年08月07日のステージは、2枚のライブアルバムとして発売されております。

 

Thelonious Monk Quartet With Johnny Griffin - Thelonious In Action (Riverside RLP 12-262)

 

Thelonious Monk Quartet - Misterioso  (Riverside RLP 12-279)

Misterioso

Misterioso

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少し遡った1958年04月15日には、ペッパー・アダムス(Pepper Adams)とドナルド・バードDonald Byrd)の(実質的に双頭)クインテットによるライブ録音。

 

●Pepper Adams Quintet - 10 To 4 At The 5 Spot (Riverside RLP 12-265)

 

 

1959年08月25日には、ケニー・バレルKenny Burrell)をリーダーとしたブルーノート(Blue Note Records)による、オールスターセッションが録音されております。

 

Kenny Burrell With Art Blakey - On View At The Five Spot Cafe (Blue Note BST-84021)

On View at the Five Spot Cafe

 

1959年11月17日から1960年01月下旬まで、オーネット・コールマンOrnette Coleman)のカルテットがファイブ・スポットにて、ニューヨーク・デビューを果たしました。

翌1960年04月05日から1960年10月下旬まで、オーネット・コールマンは2回目の公演を行った模様。

 


少し時代の経過した1966年10月13日、バリー・ハリス(Barry Harris)を含む、チャールス・マクファーリン(Charles McPherson)のクインテットによるライブ録音が行われました。

 

●Charles McPherson - The Quintet/Live! (Prestige PR-7480)

Quintet - Live

Quintet - Live

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現在、「ファイブ・スポット(Five Spot Cafe)」は取り壊され、別の建物が建っている様ですが、ライブ録音と写真等で当時の雰囲気を味わう事が出来るのは嬉しい限りです。