ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)の「Inventions And Dimensions (Blue Note BST-84147)」は、「ピアノ・トリオ+パーカッション」という編成で録音された、野心と冒険心溢れるアルバム。
珍しい編成ながら、なかなか聴き応えのある1枚。なので私は一時期、集中的に聴いておりました(まあ、このブログは、そういうアルバムを選んで紹介してる訳ですけどね)。
ピアニストがリーダーの作品というよりはドラマーと、パーカッショニストのリーダーアルバムの如く聴こえる作品でもあります。
そんな訳で、BN-LA時代には「Succotash / Herbie Hancock - Willie Bobo [BN-LA 152-F]」として、AB面逆にして発売された事もあります。
※画像は「Discogs」からお借りしました。
「Succotash」は、簡単なモチ-フを元に淡々と進んで行く6/8拍子の曲。
藪の中でガサガサと音をたてている謎の物体が、時々姿を現すような・・・まあ摩訶不思議な1曲。
「Triangle」は、「4/4拍子~12/8拍子~4/4拍子」と移行していくミディアムテンポの曲。
ピアノ・トリオによるモーダルな演奏から始まり、12/8拍子へ移行した所から軽快なパーカッションが加わります。
演奏の最後で4/4拍子に戻りつつ、クールな演奏で締めます。
「Jack Rabbit」は乾いたパーカッションの響きが小気味良い、アップテンポな1曲で、新主流派ピアニスト、ハービー・ハンコックの魅力を十分堪能出来るトラック。
特にオクターブの違うフレーズを、両手で同時に高速にて弾き倒す部分は、何度聴いても圧倒されます。
「Mimosa」は、ハービーと、P・チェンバースがそれぞれ用意したパートを元に展開される美しい曲。
ハービーの用意したパートは、マイルス・デイヴィスとのコラボレーションから生まれたものだとか。
「A Jump Ahead」は、4小節+16小節で展開される曲。
頭の4小節でベースのポール・チェンバースが提示した「コード」を使い、残りの16小節を展開していきます。
まあ、その場で提示された「お題」を元に演奏するという、刺激的というか落語の「大喜利」的な演奏方法ですね。
CDにはボーナストラックとして「Mimosa (alternate take)」が追加されております。
Herbie Hancock - Inventions And Dimensions + 1 (RVG)
Blue Note BST-84147 / 東芝EMI TOCJ-7165 [2008.10.22]
side 1 (A)
01. Succotash (H. Hancock) 07:41
02. Triangle (H. Hancock) 11:02
side 2 (B)
03. Jack Rabbit (H. Hancock) 05:58
04. Mimosa (H. Hancock) 08:39
05. A Jump Ahead (H. Hancock) 6:34
CD Bonus Tracks
06. Mimosa [alternate take] (H. Hancock) 10:07
Herbie Hancock (p) Paul Chambers (b) Willie Bobo (ds, tim)
Osvaldo "Chihuahau" Martinez (conga, bongo, finger cymbal, guiro)
August 30, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.