知性派ピアニスト、デューク・ピアソン（Duke Pearson）の人気アルバム「Profile (Blue Note BST-84022) 」
『PROFILE DUKE PEARSON a lyrical pianist... with a fine sense of time and gynamics... ideas of clarity and brightness... a flowing, effortless swing.』
こんな宣伝（チャッチ・コピー）までデザインに折り込んだジャズのジャケット、
他にありますかねえ？
宣伝込みで端正なジャケット・デザインに仕立ててしまう、リード・マイルス（Reid Miles）の大胆さを兼ね備えたセンスには脱帽ですね。
さて、デューク・ピアソン（Duke Pearson）のピアノ・スタイルは、１曲目「Like Someone In Love」に詰め込まれているように思えます。
大雑把に喩えると、初期のレイ・ブライアント（Ray Bryant）とジーン・ハリス（Gene Harris）を足して２で割った感じでしょうか。
程好いブルージーさに加え、ホーン・ライクなフレーズに時々ピアノを鈴（ベル）のようにかき鳴らすスタイルは、落ち着いたスリー・サウンズ（The Three Sounds）といった印象を与えます。
表題に書いた通り、知性派ピアニストの耽美的なピアノトリオと言い直してもいいかも。
なお、アルバム構成は売上を考慮した（笑）のか前半がスタンダード、後半がピアソンのオリジナルとなっております。
スタンダードな曲だと１曲目「Like Someone In Love」の他、ジーン・テイラー（Gene Taylor）の刻むベース音が心地よい２曲目の「Black Coffee」、レックス・ハンフリーズ（Lex Humphries）の刻むラテン・リズムが素敵な３曲目「Taboo」が良いですね。
オリジナル曲では、アップ・テンポで緊張感のある６曲目「Two Mile Run」をお勧めしときます。
Duke Pearson - Profile (RVG)
Blue Note BST-84022 / 東芝EMI TOCJ-9072 [1999.01.27]
side 1 (A)
01. Like Someone In Love (Burke-Van Heusen) 5:30
02. Black Coffee (Webster-Burke) 4:32
03. Taboo (M.Lecuona) 4:57
04. I'm Glad There Is You (Madeira-Dorsey) 4:52
side 2 (B)
05. Gate City Blues (Duke Pearson) 5:09
06. Two Mile Run (Duke Pearson) 5:54
07. Witchcraft (Coleman-Leigh) 5:42
Duke Pearson (p) Gene Taylor (b) Lex Humphries (ds)
October 25, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
最後に、デューク・ピアソンの後見人的なトランぺッター、ドナルド・バード（Donald Byrd）絡みで補足。
本作と同じ月の10月04日には、ジャズ喫茶の人気盤「Donald Byrd - Fuego（BST-84026）」を録音。
「Donald Bryd - Byrd In Hand （BST-8419）」には、「Witchcraft」が同じテンポ・アレンジで収録。
「Donald Bryd - Bryd In Flight（BST-844048）」には、「Gate City Blues」をややテンポを上げ「Gate City」と改題して収録。
機会があれば「Duke Pearson - Tender Feelin's（BST-8435）」と併せ、聴き比べてみて下さいませ。
