ジミー・ジョーンズ(Jimmy Jones)の「Jimmy Jones Trio (Vogue/Swing)1954」は1954年10月、サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)欧州ツアーに同行した時にパリで録音されたもの。
かなり控えめですが、ドラムはロイ・ヘインズ(Roy Haynes)だったりします。
さて、ジミー・ジョーンズ(Jimmy Jones)は控えめながら装飾音符を多様しつつも小粋にスイングする、ツボの押さえ処を心得た歌伴ピアニストであります。
アーマッド・ジャマル(Ahmad Jamal)やエロル・ガーナー(Erroll Garner)あたりの演奏スタイルがお好きな方なら、お気に召すのではないかと。
このアルバムは元々、10インチLPで発売されたものなので収録時間が6曲約23分と短いです。
ちなみに1990年代終わり頃、12インチLP、10インチLP、CDと日本では続けて復刻されましたが、即座に売り切れ。中古市場でも高値で取引されていた模様。
データを調べていたら2ヶ月後の1954年12月、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)と共に、続けて有名ヴォーカルアルバムに参加しているんですね。
いやー、調べて吃驚(笑)。
16日と18日には、サラ・ヴォーン(Sarah Vaughan)の名演「Lullaby Of Birdland」を含むアルバム「Sarah Vaughan (EmArcy MG 36004)」に参加。
指揮・編曲は、アーニー・ウィルキンス(Ernie Wilkins)。
22日と24日には、ヘレン・メリル(Helen Merrill)のこれまた名演「You'd Be So Nice To Come Home To」を含む「Helen Merrill (EmArcy MG 36006)」に参加。
指揮・編曲は、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)と豪華ですね。
さて話を「Jimmy Jones Trio (Vogue/Swing)1954」に戻します。
魅惑的なブロックコードから始まる、1曲目「Easy To Love」は、アーマッド・ジャマル(Ahmad Jamal)の様な、玉を転がす如くきらびやかな演奏。
2曲目「Little Girl Blue」は、装飾音符を多用した幻想的な演奏ですね。
3曲目「Lush Life」は、ピアノソロで始まるゆったりとした演奏となってます。
4曲目「Squeeze Me」は、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)のブラシをバックに小粋にスイングしてます。
5曲目「My Funny Valentine」は、バラッド調に優雅で落ち着いた演奏。
6曲目「Good Morning Heartache」、これまた幻想的な雰囲気ですね。
Jimmy Jones - Jimmy Jones Trio
Vogue/Swing M.33.336 / Victor BVCJ-37019 [1998.11.21]
side 1 (A)
01. Easy To Love (Porter) 3:12
02. Little Girl Blue (Rodgers-Hart) 3:44
03. Lush Life (B.Strayhorn) 3:51
side 2 (B)
04. Squeeze Me (Williams-Woller) 3:48
05. My Funny Valentine (Rodgers-Hart) 3:52
06. Good Morning Heartache (Higginbotham-Drake-Fisher) 3:43
Jimmy Jones (p) Joe Benjamin (b) Roy Haynes (ds)
October 28, 1954 in Paris
マニアご用達の1枚ですが、ふつーの方でもジャズの棚に入れておいて損のない1枚だと思います。