「Cliff(Clifford) Jordan - Cliff Jordan (Blue Note BLP-1565)」はシカゴ出身のテナーマン、クリフ・ジョーダン(Cliff Jordan)をリーダーに据えた、最大4管編成となるブローイング・セッション。
トランペットのリー・モーガン(Lee Morgan)、トロンボーンのカーティス・フラー(Curtis Fuller)は自作曲を携えて参加しております。
アルフレッド・ライオンお気に入りながら寡作のアルトサックス奏者、ジョン・ジェンキンス(John Jenkins)も自作曲を1曲提供してますね。
ピアノの席に座るのはブルーノートでは珍しい、レイ・ブライアント(Ray Bryant)。
その他のリズム隊は、安定感あるポール・チェンバース(Paul Chambers)と、アート・テイラー(Art Taylor)のコンビです。
お気楽なブローイング・セッションのようでありつつ、ブルーノート(Blue Note Records)らしく、演奏の各所で「仕掛け」を施していたりします。
ブルーノートの首脳陣がこのアルバムで、各メンバーの持ち味を試している感じもしますが、いかがなものでしょう。
1曲目、オープニングを飾る「Not Guilty (Cliff Jordan)」は、リー・モーガンを除く3管編成。
ソロの順番は、クリフ・ジョーダン(ts)、カーティス・フラー(tb)、ジョン・ジェンキンス(as)、レイ・ブライアント(p)、ポール・チェンバース(b)。
ほのぼのとした展開はプレスティッジのお気楽ジャム、特にテナーサックスのジーン・アモンズ(Gene Ammons)のリーダー・セッションを髣髴とさせます。
2曲目の「St. John (John Jenkins)」は、全員参加の軽快なアップテンポ・ナンバー。
ソロの順番は、まず作曲者のジョン・ジェンキンス(as)。
続いてカーティス・フラー(tb)、リー・モーガン(tp)、クリフ・ジョーダン(ts)、レイ・ブライアント(p)と続きます。
ラスト、テーマ代わりに登場するセカンド・リフが、いかにもハード・バップしてます。
「Blue Shoes (Curtis Fuller)」は、リー・モーガンを除く3管編成。日本人好みの哀愁漂うファンキーな曲です。
ソロの順番は、作曲者のカーティス・フラー(tb)が最初に登場。
続いて、クリフ・ジョーダン(ts)、ジョン・ジェンキンス(as)、ポール・チェンバース(b)、レイ・ブライアント(p)です。
各人とも甲乙付け難い、心にグッとくるソロを展開しております。
「Beyond The Blue Horizon (Robin - Harling - Whiting)」は、再び全員参加。
疾走感溢れる曲ですが、この曲だけ何故かモノ録音。リマスター時にステレオ・マスターが見つからなかったのかな。
ソロの順番はクリフ・ジョーダン(ts)、リー・モーガン(tp)、カーティス・フラー(tb)、ジョン・ジェンキンス(as)、レイ・ブライアント(p)。
アート・テイラー(ds)との掛け合いを経て、ラストに再度クリフ・ジョーダン(ts)が登場します。
リー・モーガン(tp)の破天荒なソロ・フレーズが気持ち良いですな。
「Ju-Ba (Lee Morgan)」は、オリジナル・ライナーに「”way down” blues」と記載されている曲。
ソロは、カーティス・フラー(tb)を除く3管での演奏となります。
テーマ部はミュートを付けたリー・モーガン(tp)のみで演奏し、そのままキュートなソロに突入致します。
続いて渋めのソロを展開するクリフ・ジョーダン(ts)、ファンタステックなジョン・ジェンキンス(as)と続きます。
最後はリー・モーガン(tp)が最初同様、しっかりきめてくれます。
テーマ部で聴かれるドラムスのリムショットは、ナット・アダレイ(Nat Adderley)の「Work Song」とか、ボビー・テイモンズ(Bobby Timmons)の「Dat Dere」とかのファンキー・タイプの曲に通じるものがありますね。
こんな感じにブローイング・セッションでありながら、演奏の各所で「仕掛け」を施す事が出来るのは、ブルーノート(Blue Note Records)が他のジャズレコード会社と異なり、事前にギャラを出してリハーサルを実施しているからこそ出来る事なんでしょうねえ。
Cliff(Clifford) Jordan - Cliff Jordan (RVG)
Blue Note BLP-1565 / 東芝EMI TOCJ-9177 [2000.01.26]
24 Bit By RVG
side 1 (A)
01. Not Guilty (Cliff Jordan) 11:44
02. St. John (John Jenkins) 8:17
side 2 (B)
03. Blue Shoes (Curtis Fuller) 9:39
04. Beyond The Blue Horizon (Robin, Whiting, Harling) 6:59
05. Ju-Ba (Lee Morgan) 3:55
Lee Morgan (tp #1,4,5) Curtis Fuller (tb #1-4) John Jenkins (as)
Clifford Jordan (ts) Ray Bryant (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
June 2, 1957 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
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