加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Cliff(Clifford) Jordan - Cliff Jordan (Blue Note) 1957」最大4管編成のブローイング・セッション

「Cliff(Clifford) Jordan - Cliff Jordan (Blue Note BLP-1565)」はシカゴ出身のテナーマン、クリフ・ジョーダン(Cliff Jordan)をリーダーに据えた、最大4管編成となるブローイング・セッション。

 

「Cliff(Clifford) Jordan - Cliff Jordan (Blue Note) 1957」最大4管編成のブローイング・セッション

トランペットのリー・モーガンLee Morgan)、トロンボーンカーティス・フラーCurtis Fuller)は自作曲を携えて参加しております。

ルフレッド・ライオンお気に入りながら寡作のアルトサックス奏者、ジョン・ジェンキンス(John Jenkins)も自作曲を1曲提供してますね。

 

ピアノの席に座るのはブルーノートでは珍しい、レイ・ブライアントRay Bryant)。

 

その他のリズム隊は、安定感あるポール・チェンバースPaul Chambers)と、アート・テイラーArt Taylor)のコンビです。

 

お気楽なブローイング・セッションのようでありつつ、ブルーノート(Blue Note Records)らしく、演奏の各所で「仕掛け」を施していたりします。

 

ブルーノートの首脳陣がこのアルバムで、各メンバーの持ち味を試している感じもしますが、いかがなものでしょう。

 

 

1曲目、オープニングを飾る「Not Guilty (Cliff Jordan)」は、リー・モーガンを除く3管編成。


ソロの順番は、クリフ・ジョーダン(ts)、カーティス・フラー(tb)、ジョン・ジェンキンス(as)、レイ・ブライアント(p)、ポール・チェンバース(b)。

ほのぼのとした展開はプレスティッジのお気楽ジャム、特にテナーサックスのジーン・アモンズ(Gene Ammons)のリーダー・セッションを髣髴とさせます。

 


2曲目の「St. John (John Jenkins)」は、全員参加の軽快なアップテンポ・ナンバー。

 


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ソロの順番は、まず作曲者のジョン・ジェンキンス(as)。

続いてカーティス・フラー(tb)、リー・モーガン(tp)、クリフ・ジョーダン(ts)、レイ・ブライアント(p)と続きます。

ラスト、テーマ代わりに登場するセカンド・リフが、いかにもハード・バップしてます。


「Blue Shoes (Curtis Fuller)」は、リー・モーガンを除く3管編成。日本人好みの哀愁漂うファンキーな曲です。

 

ソロの順番は、作曲者のカーティス・フラー(tb)が最初に登場。

続いて、クリフ・ジョーダン(ts)、ジョン・ジェンキンス(as)、ポール・チェンバース(b)、レイ・ブライアント(p)です。

各人とも甲乙付け難い、心にグッとくるソロを展開しております。

 

「Beyond The Blue Horizon (Robin - Harling - Whiting)」は、再び全員参加。

 


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疾走感溢れる曲ですが、この曲だけ何故かモノ録音。リマスター時にステレオ・マスターが見つからなかったのかな。

ソロの順番はクリフ・ジョーダン(ts)、リー・モーガン(tp)、カーティス・フラー(tb)、ジョン・ジェンキンス(as)、レイ・ブライアント(p)。

アート・テイラー(ds)との掛け合いを経て、ラストに再度クリフ・ジョーダン(ts)が登場します。
リー・モーガン(tp)の破天荒なソロ・フレーズが気持ち良いですな。

 


「Ju-Ba (Lee Morgan)」は、オリジナル・ライナーに「”way down” blues」と記載されている曲。

 


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ソロは、カーティス・フラー(tb)を除く3管での演奏となります。

 

テーマ部はミュートを付けたリー・モーガン(tp)のみで演奏し、そのままキュートなソロに突入致します。

続いて渋めのソロを展開するクリフ・ジョーダン(ts)、ファンタステックなジョン・ジェンキンス(as)と続きます。

最後はリー・モーガン(tp)が最初同様、しっかりきめてくれます。

 

テーマ部で聴かれるドラムスのリムショットは、ナット・アダレイNat Adderley)の「Work Song」とか、ボビー・テイモンズ(Bobby Timmons)の「Dat Dere」とかのファンキー・タイプの曲に通じるものがありますね。

 

ワーク・ソング

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こんな感じにブローイング・セッションでありながら、演奏の各所で「仕掛け」を施す事が出来るのは、ブルーノート(Blue Note Records)が他のジャズレコード会社と異なり、事前にギャラを出してリハーサルを実施しているからこそ出来る事なんでしょうねえ。

 

Cliff(Clifford) Jordan - Cliff Jordan (RVG)
Blue Note BLP-1565 / 東芝EMI TOCJ-9177 [2000.01.26]
24 Bit By RVG

side 1 (A)
01. Not Guilty (Cliff Jordan)  11:44
02. St. John (John Jenkins)  8:17

side 2 (B)
03. Blue Shoes (Curtis Fuller)  9:39
04. Beyond The Blue Horizon (Robin, Whiting, Harling)  6:59
05. Ju-Ba (Lee Morgan)  3:55


Lee Morgan (tp #1,4,5) Curtis Fuller (tb #1-4) John Jenkins (as) 
Clifford Jordan (ts) Ray Bryant (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds) 

June 2, 1957 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

 

 

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