加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Barney Wilen - Paris Moods (Alfa Jazz) 1990」ジャッキー・テラソン参加、お洒落な雰囲気漂うアルバム

フランス出身のテナー・サックス奏者、バルネ・ウィラン(Barney Wilen)。

 

晩年、日本のレコード会社が積極的に録音したり、寺島靖国氏が自身の著作で「IDA Records」三部作を取り上げたりした事もあってか、日本での知名度は、かなり高いのではないかと思われます。

 

私も寺島靖国氏の著作を読んで、バルネ・ウィランに興味を持った一人だったりしますし、某ジャズ誌のプレゼントに応募して、サイン入りポスターをいただいたりしたので、今もバルネ・ウィランには入れ込んでます。

 

そんなバルネ・ウィランが日本の「Alfa Jazz」に残したアルバムが、パリのお洒落な雰囲気漂う「Paris Moods (Alfa Jazz ALCR-73) 」です。

 

「Barney Wilen - Paris Moods (Alfa Jazz) 1990」ジャッキー・テラソン参加、お洒落な雰囲気漂うアルバム

ピアノのジャッキー・テラソン(Jacky Terrasson)が参加する事により、バルネ・ウィランの演奏がかなり刺激的というか、ややトンガった感じに聴こえるのは嬉しいですね。

 

カバー・ペインティングは、画家でシンガーのマリー・ムーア(Marie Moor)さんですね。

彼女は、バルネ・ウィランと共にヴィーナス(Venus Records)盤のジャケットに度々登場しているので、ご存知の方も多いでしょう。

 

「Barney Wilen - Paris Moods (Alfa Jazz) 1990」ジャッキー・テラソン参加、お洒落な雰囲気漂うアルバム

 

さて、「Paris Moods (Alfa Jazz ALCR-73) 」ですが、私はいつもピアノのジャッキー・テラソン(Jacky Terrasson)中心に聴き進めてしまいます。

 

バルネ・ウィランの演奏を中心に聴きたい方は、1曲目のテナー・サックスで演奏する「Latin Alley」、そして2曲目のソプラノ・サックスに持ち替えて演奏される「April in Paris」辺りをお勧めしておきます。

 

3曲目のバラッド「I'm A Fool To Want You」は、後年発売された各種ライブ・アルバム等で聴く事が出来ますが、スタジオ録音はこれだけかな。

 


www.youtube.com

 

バルネ・ウィランがソプラノ・サックスに持ち換えて演奏される4曲目、バラッドの「残されし恋には(Que Rest-t-il De Nos Amours)」は、ピアノのジャッキー・テラソン(Jacky Terrasson)がフューチャーされたトラックであり、後に録音されるジャッキー・テラソンのソロ・アルバム同様、個性溢れるピアノ・ソロを堪能出来ます。

 

また6曲目、ソウルフルな「褐色のブルース(Blue de Memphis)」でのジャッキー・テラソンは、ブロック・コードをガンガン弾いて、バルネ・ウィランを盛り立てています。

 

バルネ・ウィラン(Barney Wilen)とジャッキー・テラソン(Jacky Terrasson)のコンビネーションを存分に楽しめるトラックは、8曲目の「Mon Blouson」かもしれません。


お得意のラテン調リズム・パターンに乗り、鍵盤を縦横無尽に弾きまくるジャッキー・テラソンに負けじと、ソニー・ロリンズSonny Rollins)張りの豪快なフレーズを連発するバルネ・ウィラン!演奏を聴き終えた後の爽快感が堪らないですー。

 

まあ歳を取ったら、こういう(美人が寄って来るような)カッコいい大人になりたいものですね。ちょい悪オヤジとかじゃなくてね・・・。

 

Barney Wilen - Paris Moods
Alfa Jazz ALCR-73 [1990.12.21]

01. Latin Alley (Alan Jean Marie)
02. April In Paris (V.Duke)
03. I'm A Fool To Want You (S. Herron/F. Sinatra/J. Wolf)
04. Que Rest-t-il De Nos Amours (C.Trenet/L. Chauliac)
05. Beautiful Love (V. Young)
06. Blue de Memphis (A. Goraguer)
07. My Funny Valentine (R. Rodgers/L. Hart)
08. Mon Blouson ~ C'est Ma Maison (M. Moor/B. Wilen)
09. You Must Believe In Spring (M. Legrand)
10. Grisbi (J. Wiener)
11. Les Petites Femmes de Paris (G. Delerue)
12. Ask Me Now (T. Monk)


Barney Wilen (ts, ss) Jacky Terrasson (p) Gilles Naturel (b) Peter Gritz (ds) 

July 10, 11 & 12, 1990 at Acousti Studio in Paris.

 

 

近年、バルネ・ウィラン(Barney Wilen)のライブが発掘されたり、「IDA Records」時代のアルバムが追加曲入りリマスター盤として発売されたりしておりますが、良い音で聴けるのは、素直に嬉しいですね。

 

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バルネ・ウィランが世界的に注目され出したのは、1958年に公開されたルイ・マル(Louis Malle)監督作品映画「死刑台のエレベーター(Ascenseur pour l'echafaud)」のサウンドトラックに、マイルス・デイヴィスMiles Davis)と共に参加した頃からだと思われます。

 

 

その後、フリー・ジャズに傾倒したり、長期に渡るアフリカ旅行中に収集(録音)した現地の音楽を元にアルバムを作ったりと、一見自由奔放な音楽活動を経た後、晩年には「IDA Records」、日本の「Alfa Jazz」や「Venus Records」などに、原点回帰を思わせる豪快かつ抒情溢れるハード・バップ・テナーを聴かせるアルバムを多数録音しております。

 

モシ

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