今回は、イタリア出身で主にフランスで活動を続けたドラマー、アルド・ロマーノ(Aldo Romano)のリーダーアルバムを紹介してみようと思います。
1989年11月13日、14日に録音された「To Be Ornette To Be (Owl Records OWL057CD)」は、フリージャズの創始者、オーネット・コールマン(Ornette Coleman)の作品を中心とし、各メンバーの自作ソロを挟んだ、案外聴きやすいアルバムです。
イタリア出身のトランペット、フリューゲルホルン、そして楽器と連動して鳴らすデジタルマルチエフェクターを駆使するパウロ・フレス(Paolo Fresu)のキュートで変幻自在の演奏が、最大の目玉となっております。
その他のメンバーは、イタリア出身のピアニスト、フランコ・ダンドレア(Franco D'Andrea)、同じくイタリア出身のベーシスト、フリオ・ディ・キャストリ(Furio Di Castri)という、調べてみると全員イタリア出身のメンバーで固められているアルバムでしたね。
それでは「To Be Ornette To Be (Owl Records OWL057CD)」の収録曲を、分かりやすくオーネット・コールマン(Ornette Coleman)のオリジナル・アルバム毎にまとめて紹介してみましょう。
まずはミディアムテンポの1曲目「The Blessing」と、軽快なボサ風味で演奏される11曲目「Jayne」。
「The Blessing」と「Jayne」のオリジナル・ヴァージョンは、1958年02月22日、24日録音の「Ornette Coleman - Something Else!!!! (Contemporary S7551)」で聴く事が出来ます。
続いてバラッド風味の3曲目「Lorraine」、ミディアムテンポの4曲目「Tears Inside」、アップテンポの6曲目「Mind And Time」。
「Lorraine」と「Tears Inside」、「Mind And Time」のオリジナル・ヴァージョンは、1959年03月09日、10日録音の「Ornette Coleman - Tomorrow Is The Question! (Contemporary S7569)」で聴く事が出来ます。
緊張感溢れる2曲目「W.R.U.」、緩急自在でテンション高めの7曲目「Check Up」。
「W.R.U.」と「Check Up」のオリジナル・ヴァージョンは、1961年01月31日録音の「Ornette Coleman - Ornette! (Atlantic SD-1378)」で聴く事が出来ます。
急速調の12曲目「Theme From A Symphony Skies Of America」。
「Theme From A Symphony Skies Of America」のオリジナル・ヴァージョンは、1976年12月録音の「Ornette Coleman - Dancing In Your Head (A&M/Horizon SP-722)」で聴く事が出来ます。
8ビートのロックンロール風味で演奏される9曲目「Feet Music」。
「Feet Music」のオリジナル・ヴァージョンは、1987年02月録音の「Ornette Coleman The Original Quartet & Prime Time - In All Languages (Caravan Of Dreams Productions CDP85008)」で聴く事が出来ます。
その他の曲はアルド・ロマーノ作曲の「Do」以外、各メンバーの自作ソロです。
パウロ・フレス(Paolo Fresu)作曲の5曲目「Contos De Sonu Intro'e Sonnu」は、デジタルマルチエフェクター「YAMAHA SPX90」を利用した多重録音っぽいです。そして、ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)っぽい(笑)。
まあ私は、パウロ・フレス(Paolo Fresu)目当てで聴いてるので、こういう演奏は全然、アリなんですが(笑)。
ベースのフリオ・ディ・キャストリ(Furio Di Castri)作曲の8曲目「Half Way」は、技巧を駆使したベース・ソロ。
ピアノのフランコ・ダンドレア(Franco D'Andrea)作曲の10曲目「The Blessing (Variations)」は、タイトル通り「The Blessing」を元にしたソロ・ピアノ。
ドラムスのアルド・ロマーノ(Aldo Romano)作曲の13曲目「Do」は、全メンバーが参加するボサノヴァ調の美しい曲。
リー・モーガン(Lee Morgan)の大人気曲「Ceora」を連想させますね。
Aldo Romano - To Be Ornette To Be
Owl Records OWL057CD/3800572 / 東芝EMI TOCJ-6158 [1997.10.22]
01. The Blessing (Ornette Coleman) 4:45
02. W.R.U. (Ornette Coleman) 4:07
03. Lorraine (Ornette Coleman) 4:50
04. Tears Inside (Ornette Coleman) 3:28
05. Contos De Sonu Intro'e Sonnu (Paolo Fresu) 1:43
06. Mind And Time (Ornette Coleman) 3:32
07. Check Up (Ornette Coleman) 5:13
08. Half Way (Furio Di Castri) 2:08
09. Feet Music (Ornette Coleman) 5:00
10. The Blessing (Variations) (Franco D'Andrea) 2:04
11. Jayne (Ornette Coleman) 5:36
12. Theme From A Symphony Skies Of America (Ornette Coleman) 3:28
13. Do (Aldo Romano) 4:05
Paolo Fresu (tp,flh,yamaha spx 90) Franco D'Andrea (p) Furio Di Castri (b)
Aldo Romano (ds)
November 13, 14 1989 at Ferber Studio, Paris.
パウロ・フレス(Paolo Fresu)が使用する「YAMAHA SPX90」は、1986年に発売されたデジタルマルチエフェクターで、リバーブ、ディレイ、コーラス、ピッチチェンジなどを多数のエフェクトプログラムを搭載しているそうです。
他にも利用用途があるんで、デジタルマルチエフェクター買おうかなー(笑)。