加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Freddie Redd - The Connection (Blue Note) 1960」麻薬問題を題材にしたミュージカル

ピアニスト、フレディ・レッド(Freddie Redd)をリーダーとし、1960年02月15日に録音された「The Connection (Blue Note BST-84027)」は、麻薬問題を題材にしたミュージカルの劇中音楽を収録したアルバムです。

 

「Freddie Redd - The Connection (Blue Note) 1960」麻薬問題を題材にしたミュージカル

ジャケットの通り「ザ・コネクション(The Connection)」に出演したメンバーで録音されているようで、ミュージカルの劇中音楽とはいえ、音楽単独でも楽しめる作品です。

 

劇中音楽の作曲は全てフレディ・レッド(Freddie Redd)。また、アルトサックスの巨人、ジャッキー・マクリーンJackie McLean)の参加が、このアルバムの人気を高めております。

 

The Connection (1961) a Shirley Clarke film adapted from the 1959 play by Jack Gelbe


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「ザ・コネクション(The Connection)」は、1959年からミュージカルとして上演され、メンバーを変えヨーロッパでも上演されたり、映画化もしているようです。

 

 


1曲目の「Who Killed Cock Robin」は、軽快にスイングするハードバップ・ナンバー。

 


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4ヶ月前の1959年10月に録音された「Jackie McLean - Swing, Swang, Swingin' (Blue Note BST-84024)」と同様の雰囲気漂っております。

 

 

2曲目は、マイナー調で哀愁漂う「Wigglin'」。
フレディ・レッド(Freddie Redd)主導でブルージーに演奏が進んで行きます。

 

3曲目、ピアノのルバートから始まる「Music Forever」。
歯切れの良いリズム隊をバックに気持ち良さそうに吹きまくるジャッキー・マクリーンJackie McLean)、続くフレディ・レッドはブロック・コード中心のソロで盛り上げます。


4曲目、ミディアム・テンポの「Time To Smile」。
演奏を聴いているとタイトル通り思わずにんまりしてしまいます。

 

5曲目、マーチ風のリズムで始まる「Theme For Sister-Salvation」。

 


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途中、劇的にリズム・パターンが変るのは劇中音楽ならではの構成ですね。

 

6曲目、急速調の「Jim Dunn's Dilemma」は確か、麻薬が切れかかった時の焦燥感を表現したものだったと思います。

やや重苦しい雰囲気の中、マクリーンのくぐもったアルトが緊張感をさらに張り詰めています。

 

7曲目、「O.D.」は、オーヴァー・ドープ(麻薬の打ちすぎ)の略だったはず。
緊急事態のはずなのに、跳ねるようにスイングしているのは、薬で意識が「飛んでいる」情景を表現しているためか・・・。

 

Freddie Redd - The Connection (RVG)
Blue Note BST-84027 / Blue Note 7243 5 63836 2 3 [2005] RVG Edition

side 1
01. Who Killed Cock Robin (Freddie Redd)  5:18
02. Wigglin' (Freddie Redd)  5:55
03. Music Forever (Freddie Redd)  5:49

side 2
04. Time To Smile (Freddie Redd)  6:22
05. Theme For Sister Salvation (Freddie Redd)  4:43
06. Jim Dunn's Dilemma (Freddie Redd)  5:35
07. O.D. (Freddie Redd)  4:41


Jackie McLean (as) Freddie Redd (p) Mike Mattos (b) Larry Ritchie (ds) 

February 15, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

 

 

「ザ・コネクション(The Connection)」は、2009年にルネ・マクリーン(Rene McLean)のカルテットで再演されているようです。

 


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The Rene McLean Quartet
Rene McLean (as) Alan J. Pslmer (p) Andy NcCloud (b) Emmanuel Harold (ds)

 

ジャッキー・マクリーンのご子息が再演するだけあって、サックスの音色はオリジナル版のマクリーンを髣髴とさせます。