加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Out of the Blue - Live At Mt. Fuji (Blue Note)」1986年マウント・フジでのライブ盤

さて、日本に舞台を拡大した新生ブルーノートは1986年8月末、山梨県の山中湖畔で3日間に渡り繰り広げられたライブ・プログラムから1枚だけアルバムを発売します。

 

「Out of the Blue - Live At Mt. Fuji (Blue Note)」1986年マウント・フジでのライブ盤

 

それが「OTB Live At Mt.Fuji (Blue Note BST-85141)」です。

 

当日のプログラムによると前半は、リズム・セクションのみで「バド・パウエルに捧げる」プログラムを演奏した模様。

 

ピアノのハリー・ピケンズ(Harry Pickens)は、アップテンポの1曲目「A Parisian Thoroughfare」からパウエル風の流暢なタッチの演奏を聴かせます。

 

まさにバリー・ハリス(Barry Harris)の「At The Workshop (Riverside)」を再現したような感じで・・・。

 

 

 

で、一番の聴き所はやはり、ピアノ・ソロによる「虹の彼方に(Over The Rainbow)」でしょう。

 

多少走り気味で落ち着きの無い「オリジナル演奏」に比べスロー気味で、会場いっぱいに響き渡るかのような演奏は気持ちいいですね。

 

なお全ての演奏は、バド・パウエルBud Powell)本人がブルー・ノート・レコードに残した演奏のフォーマットを可能な限り忠実に再現しているので、オリジナルと聴き比べてみるのも一興かと思われます。

 

 


後半は、OTBのメンバー全員揃って、メンバーのオリジナルを3曲演奏します。

 

その内2曲は、2枚目のアルバム「Inside Track」からで、テーマ曲の「OTB」のみデビューアルバムの収録曲です。

 

 

まずスタジオ録音よりもリズム陣(特にドラム)のキメが多くなっており、1年でメンバー全員が急成長している事を実感出来ますね。

 

最後の「OTB」、ピアノのハリー・ピケンズ(Harry Pickens)がソロの途中に「朝日のようにさわやかに」の1節を挟むのですが、気づいた一部のお客さんが歓声で応えています。

 

いいですねー、この一体感。

 

 

Out of the Blue -  Live At Mt. Fuji 
Manhattan Blue Note BST-85141

01. A Parisian Thoroughfare (Bud Powell) [trio] 03:31
02. Celia (Bud Powell) [trio] * 04:45
03. Over The Rainbow (H.Arlen/E.Y.Harburg) [piano solo] * 03:04
04. Blue Pearl (Bud Powell) [trio] 04:43

05. Nathan Jones (Ralph Peterson) 11:23
06. Elevation (Ralph Bowen) 11:39
07. OTB (Michael Philip Mossman) 11:35


OTB featuring Harry Pickens Trio [Tribute to Bud Powell]

Michael Philip Mossman(tp) Kenny Garrett(as) Ralph Bowen(ts)
Harry Pickens(p) Kenny Davis(b) Ralph Peterson(ds)

August 31,1986 (Sun) 1st set/3rd Day

* Does not appear L.P. configuration

 

Live at Mt Fuji

Live at Mt Fuji

  • アーティスト:Otb
  • Blue Note
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成田正氏の作成したWEBデータベースの情報によると、アルバム収録曲の他に「All God's Children Got Rhythm」と「Un Poco Loco (Bud Powell)」が演奏されたそうです。


Un Poco Loco」におけるラルフ・ピーターソン(Ralph Peterson)のドラム、是非聴いてみたいですね。

 

オリジナル・レコーディングにおけるドラムスのマックス・ローチMax Roach)のようにカウベル使ったのかな?

 

 

kaji-jazz.hatenablog.com