加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「John Lee & Gerry Brown – Still Can't Say Enough (Blue Note) 1976」ブレッカー兄弟参加の隠れ名盤

1970年代後半のブルーノート(Blue Note Records)には、こんな良質でファンキー、そしてクロスオーヴァー(昔でいう処のフュージョン)なアルバムがありまして。

 

 

「John Lee & Gerry Brown – Still Can't Say Enough (Blue Note) 1976」ブレッカー兄弟参加の隠れ名盤

 

エレクトリック・ベースのジョン・リー(John Lee)と、ドラムスのジェリー・ブラウン(Gerry Brown)というリズム隊が双頭リーダー名義となっている1976年08月に録音されたアルバム「Still Can't Say Enough (Blue Note BN-LA701-G)」には、ホーン隊に当時勢いに乗るブレッカー兄弟他、豪華な面々が参加する隠れ名盤であり、クロスオーヴァーフュージョンね)ファン必聴の1枚でございます。

 

大昔にジャケットに穴が開いたデッドストック品を中古レコード屋で見つけ、長年、アナログレコードをカセットにダビングしたものを聴いてたのですが。

ブルーノート(Blue Note Records)CD再発が進んでも、このアルバムだけは中々CD化されないので重い腰を上げ、板おこし(アナログ・レコードから録音)してから、自家リマスター施して長年聴いておりました。まあ、愛聴盤の1枚です。

 

まあ、余談はこれ位にして。

 

という訳で、録音に参加するメンバーを見ると、ホーン隊に名前を連ねるミュージシャンは、まさにクロスオーヴァー(要するにフュージョン)を代表する面々揃い。

 

ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)とマイケル・ブレッカーMichael Brecker)のお馴染みブレッカー・ブラザーズを筆頭に、ブレッカー・ブラザーズの人脈だと泣きのアルトサックス奏者・デビッド・サンボーン(David Sanborn)、後年「Song For Barry」という曲を捧げられたトロンボーンのバリー・ロジャース(Barry Rodgers)が参加してますね。

 

その他、トランペット界のハイノート・ヒッター、ジョン・ファディス(Jon Faddis)、アルト・サックスのゲイリー・バーツGary Bartz)、テナー・サックスのアーニー・ワッツ(Ernie Watts)、バリトン・サックスのロニー・キューバー(Ronnie Cuber)と、よくこれだけの面子を集められたものだなーと感心してしまいます(スケジュールと予算的な観点から)。

 

ブレッカー・ブラザーズ(The Brecker Brothers)人脈勢ぞろいという状況なので、ホーン隊の奏でるアンサンブルには、もろブレッカー・ブラザーズという感じのリフが頻出します(笑)。

 

途中、ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)や、デビッド・サンボーン(David Sanborn)なんかが耳馴染のソロ・フレーズを吹いておりますので、ぼーっと聴いていると誰のリーダー・アルバムなんだか分からなくなる時があったりします(笑)。

 


例えば1曲目の「Freeze It Up」なんかは、ホーン隊奏でるリフがもろブレッカー・ブラザーズ(The Brecker Brothers)ですね(笑)。

 


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2曲目の「Love The Way You Make Me Feel」と5曲目の「Talkin' Bout The Right One」には色っぽいおねーさん達の歌とコーラスが入り、なんか1970年代の「空気感」みたいなものが、このアルバムから感じ取る事が出来たりします。

 


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3曲目の「Rise On」は、ツイン・ギターが奏でるテーマにゴージャズなホーンが被さるという感じで、トランペット、時々なんちゃってドラマーな私にとっては大好き(笑)な1曲。

 


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短めですが、ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)とマイケル・ブレッカーMichael Brecker)が仲良くソロで登場したりと、聴き処満載でございます。

 

 

John Lee & Gerry Brown – Still Can't Say Enough (1976)
Blue Note BN-LA701-G

side 1 (A)
01. Freeze It Up (John Lee) 4:49
02. Love The Way You Make Me Feel (John Lee) 5:06
03. Rise On (Gerry Brown) 6:12
04. Funky Row (John Lee) 3:43

side 2 (B)
05. Talkin' Bout The Right One (John Lee) 5:11
06. Strut 'N' Get Up (John Lee) 4:38
07. Breakin' (John Lee) 4:26
08. Down The Way (John Lee) 5:20
09. Out The Box (John Lee) 1:27


Jon Faddis (tp) Randy Brecker (tp,flh) Barry Rodgers (tb) 
Gary Bartz (as) David Sanborn (as) 
Michael Brecker (ts) Ernie Watts (ts) Ronnie Cuber (bs) 
Hubert Eaves (p,org,clavinet) Harold Ivory Williams IV (org,p) 
Ian Underwood (synth) Rob Franken (synth,org) 
Ray Gomez (g) Reggie Lucas (g) 
John Lee (el-b) Gerry Brown (ds,per,timpani) Mtume (conga,per,vo) 
Tawatha Agee (vo) C.P. Alexander (vo) Donald Smith (vo)

August, 1976 at Electric Lady Studios, NYC. 

 

 

 

ブルーノート(Blue Note Records)に残る、もう1枚のアルバムがこちら。