1995年に発売された、マルチリード奏者のエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)がプレステッジ(Prestige/New Jazz Records)に残した録音をまとめた9枚組BOXセット「Eric Dolphy - The Complete Prestige Recordings (Prestige 9PRCD-4418-2)」の中でも異色なアルバムが「The Latin Jazz Quintet + Eric Dolphy - Caribe (New Jazz NJLP-8251)」ですね。
「The Latin Jazz Quintet」という、ピアノ・トリオにヴィブラフォンとパーカッションを加えたグループに、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)が客演する形になっております。
演奏される6曲のうち3曲は、ピアニストのジーン・ケーシー(Gene Casey)の作品です。
ハード・パップとソウル・ジャズを絶妙に混ぜ合わせたラテン系サウンドに、リード奏者としてエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のフリーキーな演奏が混ざっても、違和感感じないのは不思議というか・・・まあ、つまり、ラテン系の熱いブローと、エリック・ドルフィーのフリーキーなブローには親和性というか、類似性があったという事でしょうね(笑)。
まあ、このアルバム全曲紹介するのはちょっとつらいので何曲か、かいつまむだけで止めます。
アルバムタイトルでもある1曲目の「Caribe」では、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)はアルト・サックスで参加。
いつも通り(笑)な、フリーキーなソロを聴かせてくれます。
4曲目の「First Bass Line」は、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)がバス・クラリネットに持ち換えて演奏に参加。
木管楽器らしい温かみのある音色で自由奔放なソロを聴かせてくれます。
アルバム最後となる6曲目の「Sunday Go Meetin'」では、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)はフルートで参加。
ちょっとアーシー気味な演奏に、フルート・ソロで程よい浮遊感を与えております。
アルバム「The Latin Jazz Quintet + Eric Dolphy - Caribe (New Jazz NJLP-8251)」を聴く事で、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)が、どんなバンドで演奏してもアンサンブルを乱さず溶け込める事が出来、かつソロでは自己の個性を十分に発揮する、かなり高度な柔軟性を持ち合わせていた事を容易に理解出来たりします(笑)。
The Latin Jazz Quintet + Eric Dolphy - Caribe
New Jazz NJLP-8251 / Prestige MPP-2503
side 1 (A)
01. Caribe (Gene Casey) 10:06
02. Blues In 6/8 (Juan Amalbert - Ricci) 5:43
03. First Bass Line (Gene Casey) 4:05
side 2 (B)
04. Mambo Ricci (Juan Amalbert - Ricci) 6:55
05. Spring Is Here (Richard Rodgers - Lorenz Hart) 5:06
06. Sunday Go Meetin' (Gene Casey) 5:49
Eric Dolphy (as, b-cl, fl) Carlie Simons (vib) Gene Casey (p) Bill Ellington (b)
Manny Ramos (ds, tim) Juan Amalbert (conga)
August 19, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.