ロン・カーター(Ron Carter)が、ベースとチェロをファンキーに弾くアルバムに、
マルチリード奏者のエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)と、ピアノのマル・ウォルドロン(Mal Waldron)が準主役級の扱いで参加するのが「Where? (New Jazz NJLP-8265)」です。
他のメンバーは、ベースがジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)で、ドラムスがお久しぶりな感じがするチャーリー・パーシップ(Charlie Persip)。
ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)のライブ盤を聴くのが一番分かりやすいのですが、ロン・カーター(Ron Carter)はかなりファンキーな演奏を得意とするベース奏者なんですよね。
マイルス・デイヴィス(Miles Davis)クインテット時代における、新主流派的演奏ではロン・カーター(Ron Carter)の存在がかなり薄れてしまうんですが。
こういうファンキー風味が前面に出た作品だと、ポール・チェンバース(Paul Chambers)よりも存在感増し気味で、ファンキーな感じが顕著に出てきますね・・・。
ファンキー風味溢れる1曲目「Rally」は、ロン・カーター(Ron Carter)の自作曲。
前衛色の濃いエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のバス・クラリネットと、マル・ウォルドロン(Mal Waldron)のピアノが、ロン・カーター(Ron Carter)の演奏に引っ張られ、かなりファンキーな感じに聴こえてきます。
2曲目「Bass Duet」も、ロン・カーター(Ron Carter)の自作曲。
ジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)とのファンキーで重厚なベース・デュオが繰り広げられます。
超有名スタンダードの3曲目「Softly, As In A Morning Sunrise」では、ロン・カーター(Ron Carter)がポール・チェンバース(Paul Chambers)ばりの弓弾きで、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)と仲良くテーマを吹き分けております。
ここではアルト・サックスを吹くエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)ですが、ホンカーの如くファンキーに吹く感じが面白いですね。
表題曲でもある4曲目「Where?」は、ランディー・ウエストン(Saucer Eyes)の作品。
ロン・カーター(Ron Carter)はピアノ・トリオをバックに、テーマ部ではチェロを優雅に、ソロではややファンキーに弓弾きしております。
5曲目「Yes, Indeed」は、サイ・オリバー(Sy Oliver)の作品。
エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のフルートと、ロン・カーター(Ron Carter)のチェロが仲良くテーマを奏でているのが微笑ましいですね(笑)。
で、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)の刺激的なフルート・ソロが冴えわたっております。
6曲目「Saucer Eyes」は、ランディー・ウエストン(Saucer Eyes)の作品。
エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)は、ここでもフルートを演奏してます。
絶妙にファンキー風味を混ぜたロン・カーター(Ron Carter)のベース・ランニングと、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)の軽快なフルート・ソロが絶品。
Ron Carter - Where? (1961)
New Jazz NJLP-8265 / Prestige PR-7843
side 1 (A)
01. Rally (Ron Carter) 5:40
02. Bass Duet (Ron Carter) 5:42
03. Softly, As In A Morning Sunrise (Hammerstein - Romberg) 7:37
side 2 (B)
04. Where? (Randy Weston) 5:58
05. Yes, Indeed (Sy Oliver) 5:49
06. Saucer Eyes (Randy Weston) 5:07
Eric Dolphy (as, b-cl, fl) Mal Waldron (p) Ron Carter (b, cello)
George Duvivier (b) Charlie Persip (ds)
June 20, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.