加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Paris Jam Session (Fontana) 1959」バド、バルネ含むライブ録音

名曲「Moanin'」の大ヒットで一躍、世界的な人気者となったアート・ブレイキー(Art Blakey)率いるジャズ・メッセンジャーズ(The Jazz Messengers)が、ヨーロッパに移住したバド・パウエルBud Powell)、フランスのサックス奏者バルネ・ウィラン(Barney Wilen)をゲストに迎え、パリのシャンゼリゼ劇場で繰り広げたライブ録音が「Paris Jam Session (Fontana 680 207 TL)」です。

 

 

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Paris Jam Session (Fontana) 1959」バド、バルネ含むライブ録音

 

御大アート・ブレイキー(Art Blakey)の他、トランペットのリー・モーガンLee Morgan)、テナー・サックスのウェイン・ショーターWayne Shorter)、ピアノのウォルター・デイヴィス Jr(Walter Davis Jr.)、ベースのジミー・メリット(Jymie Merritt)という、歴代ジャズ・メッセンジャーズの中でも上位に位置するであろうメンバー構成であります。

 

 


レコード時代のAエ面に相当する2曲にはバド・パウエルBud Powell)と、バルネ・ウィラン(Barney Wilen)が参加。曲はいずれもバド・パウエルBud Powell)の作品です。


万雷の拍手で締めくくられる1曲目「異教徒の踊り(Dance Of The Infidels)」。

 


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ソロの順番はバルネ・ウィラン(Barney Wilen)、リー・モーガンLee Morgan)、ウェイン・ショーターWayne Shorter)、バド・パウエルBud Powell)で、最後のアート・ブレイキー(Art Blakey)のドラムとのソロ交換の勢いが凄いですね。猛者揃いの白熱した演奏が続きますが、中でも高揚気味なバド・パウエルBud Powell)の安定したソロが聴けるのは嬉しいですね。

 

 

ビバップ時代の名曲が、ハード・バップ時代の洗練されたスタイルで演奏される
2曲目「Bouncing With Bud」。

 

ソロの順番は1曲目と同じく、バルネ・ウィラン(Barney Wilen)、リー・モーガンLee Morgan)、ウェイン・ショーターWayne Shorter)、バド・パウエルBud Powell)。

 

フロントの面々がハード・バップの先のスタイルを模索している感じなのに対し、バド・パウエルBud Powell)は変わらず、自ら広めたビバップ・スタイルで演奏している感じがします(笑)。

 


哀愁漂うファンキー・ナンバーである3曲目「The Midget」は、リー・モーガンLee Morgan)の作品。

 


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ゲスト抜き「Art Blakey and The Jazz Messengers」だけで、バンドとしての緊密なる一体感が感じられる演奏となっており、この曲からピアノはウォルター・デイヴィス Jr(Walter Davis Jr.)に交代してます。演奏スタイルとしては「モード」になるのかな?

 

ソロの順番はリー・モーガンLee Morgan)、ウェイン・ショーターWayne Shorter)、ウォルター・デイヴィス Jr(Walter Davis Jr.)、ジミー・メリット(Jymie Merritt)で、各自の世界観を前面に押し出した重厚なる演奏を繰り広げております。

 

シャッフルから始まるアート・ブレイキー(Art Blakey)のドラム・ソロもたっぷり聴けます。

 


アート・ブレイキー(Art Blakey)のドラムが最大に生かされた4曲目「A Night In Tunisia」。

 

冒頭、リー・モーガンLee Morgan)とウェイン・ショーターWayne Shorter)もパーカッションを打ち鳴らし、御大のドラム・ソロを盛り上げております。

 

鬼神の如く吹きまくるウェイン・ショーターWayne Shorter)、続くリー・モーガンLee Morgan)はディジー・ガレスピーDizzy Gillespie)楽団時代から十八番であるこの曲を華麗にブローしております。

 

ジミー・メリット(Jymie Merritt)、アート・ブレイキー(Art Blakey)とリズム隊のソロに、パーカッションで仲良く色どりを添えるフロントの二人が、なんか微笑ましいです(笑)。

 

演奏最後の壮大なるカデンツァに万雷の拍手が被さる処で突如、フェード・アウトしていくのが、何とも惜しいですが、ゲスト含めメンバー各位の絶好調期の演奏が聴ける1枚であります。

 

 

「Art Blakey and The Jazz Messengers - Paris Jam Session (Fontana) 1959」バド、バルネ含むライブ録音

 

Art Blakey and The Jazz Messengers - Paris Jam Session
Fontana 680 207 TL / Universal 832 692-2

Gitanes Jazz Productions Jazz In Paris 40 [2000]


side 1 (A)
01. Dance Of The Infidels (Bud Powell)  12:27
02. Bouncing With Bud (Bud Powell, Walter Fuller)  11:38

side 2 (B)
03. The Midget (Lee Morgan)  11:04
04. A Night In Tunisia (Dizzy Gillespie, Frank Paparelli)  7:04


Lee Morgan (tp) Barney Wilen (as #1,2) Wayne Shorter (ts) Bud Powell (p #1,2) 
Walter Davis Jr. (p #3,4) Jymie Merritt (b) Art Blakey (ds) 

December 18, 1959 at Theatre Des Champs-Elysees, Paris, France.

 

Paris Jam Session

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パリのジャム・セッション

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