チャーリー・パーカー(Charlie Parker)が編み出した、アルト・サックスによるビバップ奏法を習得した一人である、ソニー・クリス(Sonny Criss)。
1970年代に突如おこなった「ビバップ・リバイバル」なる動きと連動し、日本でも来日公演が企画されるほど、ソニー・クリス(Sonny Criss)人気は高まっていた様です。
軽やかで優しい雰囲気がする吹き方は、アート・ペッパー(Art Pepper)などの白人系アルト・サックス奏者に近い感じがしますね。
そんなソニー・クリス(Sonny Criss)が、1975年03月01日に録音したアルバムで、日本でも人気が高いアルバムが「Saturday Morning (Xanadu 105)」です。
バックを務めるリズム・セクションの面々は、ピアノがバリー・ハリス(Barry Harris)、ベースにリロイ・ヴィネガー(Leroy Vinnegar)、ドラムスがレニー・マクブラウン(Lenny McBrowne)となっております。
では、アルバム「Saturday Morning (Xanadu 105)」収録曲をざっと紹介していきます。
哀愁漂う1曲目「Angel Eyes」、ラテン風味で軽快にスイングする2曲目「Tin Tin Deo」、ソニー・クリス(Sonny Criss)の自作曲でブルージーな「Jeannie's Knees」と、ハードバップ風味満点な演奏が続きます。
アナログ・レコード時代にはB面に相当する4曲目で表題曲でもある「Saturday Morning」は、ソニー・クリス(Sonny Criss)の自作曲で、そこはなとなく漂う哀愁感がたまりませんね。
6曲目「Until The Real Thing Comes Along」は、ぽかぽかした午後の陽だまり感溢れる演奏。
なお、5曲目のクラシカルな雰囲気の無伴奏ソロによるイントロから始まる「My Heart Stood Still」と、CD再発時に追加されたバリー・ハリス(Barry Harris)が書いた7曲目「Confusion」は、ソニー・クリス(Sonny Criss)が抜けたピアノ・トリオによる演奏です。
Sonny Criss – Saturday Morning +1 (1975)
Xanadu 105 / 徳間 Japan TKCB-71511 [1998.11.21]
side 1 (A)
01. Angel Eyes (Earl Brent, Matt Dennis) 5:29
02. Tin Tin Deo (Gil Fuller, Chano Pozo) 6:44
03. Jeannie's Knees (Sonny Criss) 5:08
side 2 (B)
04. Saturday Morning (Sonny Criss) 5:01
05. My Heart Stood Still (Lorenz Hart, Richard Rodgers) 6:48
06. Until The Real Thing Comes Along (Sammy Cahn, Saul Chaplin, L.E. Freeman) 5:46
CD Bonus Track
07. Confusion (Barry Harris) 4:04
Sonny Criss (as - omit #5,7) Barry Harris (p) Leroy Vinnegar (b) Lenny McBrowne (ds)
March 1, 1975 in Los Angeles, CA.
ついでなんで、蛇足というか補足事項を。
ソニー・クリス(Sonny Criss)は1977年11月19日の朝、ピストル自殺で急逝した事になっておりますが・・・。
寺島靖国さんの大ヒット作「辛口JAZZノート」には、予定された来日公演のため、招聘元である「もんプロ」の西藤さんがアメリカまでソニー・クリスを迎えに行き、その死の三時間前にソニー・クリスを生演奏を聴いた話が載っております。
警察は自殺として処理したものの、銃で腹を撃って亡くなっている状況から見て、どうも他殺、しかもリー・モーガン(Lee Morgan)同様、女性にヤラレたのではないかという話・・・。
「もんプロ」の西藤さんがソニー・クリス(Sonny Criss)に、1曲吹いてくれとリスエストした際、この「Saturday Morning (Xanadu 105)」をレコード・プレイヤーにのせ、2曲目の「Tin Tin Deo」に合わせてアルト・サックスを吹いたそうな・・・。
そういう裏話を聞くと、このアルバムに抱く印象が多少なりとも変わる方が居るかもしれません・・・。
ついでなんで、ソニー・クリス(Sonny Criss)関連のアルバム紹介記事へのリンクも貼っておきますね。