加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Bennie Green - Walkin' & Talkin' (Blue Note) 1959」ほのぼのトロンボーン奏者の最終作

ハード・バップ全盛期のブルーノート(Blue Note Records)に抱く、我々日本人が持つイメージとは少しかけ離れた、ほのぼのムード満点のトロンボーン奏者であるベニー・グリーン(Bennie Green)。

 

 

「Bennie Green - Walkin' & Talkin' (Blue Note) 1959」ほのぼのトロンボーン奏者の最終作

 

ブルーノート(Blue Note Records)1500番台での第2弾として発売されたアルバム「Soul Stirrin (Blue Note BST-81599)」に続くブルーノートにおける第3弾でかつ、最終作となるアルバムが1959年01月25日録音の「Walkin' & Talkin' (Blue Note BST-84010)」です。

 

このアルバムに収録された全曲ともに非常に聴き易く、当時ジュークボックスで大人気となり、ブルーノート(Blue Note Records)にアルバム、シングル共に膨大な録音を残した「The Three Sounds」に通じる、キャッチーな演奏が続きます。

 

 

「Bennie Green - Walkin' & Talkin' (Blue Note) 1959」ほのぼのトロンボーン奏者の最終作

※ジャケット裏の写真は「discogs」からお借りしました。


共演するミュージシャンを眺めると、テナーサックスのエディ・ウィリアムス(Eddy Williams)、ピアノのギルド・マホネス(Gildo Mahones)、ベースのジョージ・タッカー(George Tucker)、ドラムスのアル・ドレアレス(Al Dreares)という、ブルーノートらしからぬメンバーが揃っております。

 


まあ、アルバム全体の雰囲気としては、本作に参加するピアノのギルド・マホネス(Gildo Mahones)と演奏スタイルが近い気がするソニー・クラークSonny Clark)が「Cool Struttin'」含んだ自作3曲を携えて参加する、1960年09月27日録音の「Bennie Green (Time Records S/2021)」に近いですね。

 

 

 

指バッチンとカウントから始まるシャッフル風リズムで演奏される1曲目「The Shouter」は、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)の作品。

 


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トロンボーンのベニー・グリーン(Bennie Green)と、テナーサックスのエディ・ウィリアムス(Eddy Williams)による2管編成で奏でられる、まさに、のほほんとしたテーマに続き、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)、ベニー・グリーン(Bennie Green)、エディ・ウィリアムス(Eddy Williams)の順で、リラックス気味でファンキーなソロが繰り広げられます。

 


ダンサブルでうきうきするような2曲目「Green Leaves」も、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)の作品で、ベニー・グリーン(Bennie Green)、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)と、軽快で明快なソロが続きます。

 


ややスローテンポでファンキー風味な3曲目「This Love Of Mine」は、ベニー・グリーン(Bennie Green)、エディ・ウィリアムス(Eddy Williams)の順で、ゆったりとしたソロが繰り広げられております。

 

 


アナログレコードだとB面1曲目、アルバムタイトル曲である4曲目「Walkin' And Talkin'」は、ベニー・グリーン(Bennie Green)の自作曲。

 


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ジョージ・タッカー(George Tucker)の速足で移動するかの如きウォーキング・ベースに導かれ、コール&レスポンスが入るちょっとブルージーなテーマが始まりますが、小節数数えてみると、これファンキーなブルースですね。

 

ベニー・グリーン(Bennie Green)を先頭に「The Three Sounds」に通じる明快で聴き易いソロが続きますが、この特性に目を付け、後年発売されるシングル盤用の録音を敢行したりと、何とか売り上げに繋げようとアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)らが奮戦努力したみたいですが、結果は・・・まあ、このアルバムが最終作ですからね(苦笑)。

 

 

5曲目「All I Do Is Dream Of You」も、ほど良いファンキーさがある非常に聴き易い演奏で、ベニー・グリーン(Bennie Green)、エディ・ウィリアムス(Eddy Williams)、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)の順で、ファンキーかつ明快なソロが続きます。

 


ちょっとシリアスかつファンキーな6曲目「Hoppin' Johns」は、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)の作品で、エディ・ウィリアムス(Eddy Williams)、ベニー・グリーン(Bennie Green)、ギルド・マホネス(Gildo Mahones)の順で、これまた聴き易いファンキーなソロが続きます。

 


「Walkin' & Talkin' (Blue Note BST-84010)」を久々に全曲聴き通してみましたが、前述の通り全曲ともキャッチーで「The Three Sounds」に通じるものが感じられる理由の一つがギルド・マホネス(Gildo Mahones)の、ソニー・クラークSonny Clark)と同質でファンキーな演奏なのかもしれません。

 

Bennie Green - Walkin' & Talkin' (RVG)
Blue Note BST-84010 / 東芝EMI TOCJ-9571 [2004.01.28] 24 bit by RVG


side 1 (A)
01. The Shouter (Gildo Mahones)  4:58
02. Green Leaves (Gildo Mahones)  5:45
03. This Love Of Mine (Sinatra, Sanicola, Parker)  6:46

side 2 (B)
04. Walkin' And Talkin' (Bennie Green)  8:59
05. All I Do Is Dream Of You (Freed, Brown)  5:34
06. Hoppin' Johns (Gildo Mahones)  5:30


Bennie Green (tb) Eddy Williams (ts) Gildo Mahones (p) 
George Tucker (b) Al Dreares (ds) 

January 25, 1959 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ. 

 

 

 

ベニー・グリーン(Bennie Green)のブルーノート(Blue Note Records)三部作、残りのアルバムは下記リンクからどうぞ・・・。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

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