「ホーン奏者の様にシングルトーンでソロをとる事が出来る」という理由で、ブルーノート(Blue Note Records)のオーナー、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)のお気に入りだったケニー・バレル(Kenny Burrell)。
ケニー・バレル(Kenny Burrell)は普段、ピアノレス・トリオでライブを行っていた
様ですが、1959年08月25日に実施されたライブ録音「On View At The Five Spot Cafe (Blue Note BLP-4021)」では、テナーサックスのティナ・ブルックス(Tina Brooks)、ピアノのボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)とローランド・ハナ(Roland Hanna)、ベースのベン・タッカー(Ben Tucker)、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)といったアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)肝いりのミュージシャンと共に、ピアノ・トリオをリズム・セクションとしてカルテット、あるいはクインテット編成による熱演を繰り広げております。
この編成からも伺える事ですが、アルフレッド・ライオン(Alfred Lion)はケニー・バレル(Kenny Burrell)をリズムセクションの一員としてではなく、ホーン奏者として捉えていた模様。
08月25日というと、まだ夏の暑い時期でしょう・・・「On View At The Five Spot Cafe (Blue Note BLP-4021)」には、ケニー・バレル(Kenny Burrell)がつま弾くギターの音の端々から、夏の熱気残る「深夜の空気感」すら感じられる、生々しい演奏が記録されております。
1曲目「Birk's Works」は、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)を加えたクインテット編成で演奏され、ピアノはボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)。
まあ、ビバップ時代の名曲が、「Moanin'」調のファンキー・テイストで演奏されております。
2曲目「Hallelujah」はカルテット編成で演奏されており、ピアノはローランド・ハナ(Roland Hanna)に交代します。
こちらは、ハードバップの香り漂う演奏で、最後にアート・ブレイキー(Art Blakey)のロング・ソロまで入ってます(笑)。
3曲目「Lady Be Good」は、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)を加えたクインテット編成で、ピアノはボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)。
アップテンポで、痛快なハードバップ・・・という感じの演奏が全編で繰り広げられております。
4曲目「Lover Man」は、カルテット編成で演奏されており、ピアノはボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)。
ややファンキー風味なバラッドですが、ケニー・バレル(Kenny Burrell)のシングルトーンによるソロが冴えわたります。
ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)のソロになった途端、ファンキー風味が増す
のはご愛敬といった感じですかね(笑)。
5曲目「36-23-36」はカルテット編成で演奏される、ケニー・バレル(Kenny Burrell)の自作曲。ピアノはローランド・ハナ(Roland Hanna)です。
時々、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)ばりにファンキーなピアノを聴かせるローランド・ハナ(Roland Hanna)が面白いです(笑)。
Kenny Burrell - On View At The Five Spot Cafe (RVG)
Blue Note BLP-4021 / 東芝EMI TOCJ-9139 [1999.09.22]
side 1 (A)
01. Birk's Works (Dizzy Gillespie) 9:15
02. Hallelujah (Clifford Grey, Leo Robin, Vincent Youmans) 11:43
side 2 (B)
03. Lady Be Good (George Gershwin, Ira Gershwin) 8:15
04. Lover Man (Jimmy Davis, Ram Ramirez, James Sherman) 9:48
05. 36-23-36 (Kenny Burrell) 3:35
Tina Brooks (ts #1,3) Bobby Timmons (p #1,3,4) Roland Hanna (p #2,5)
Kenny Burrell (g) Ben Tucker (b) Art Blakey (ds)
August 25, 1959 at "Five Spot Cafe", NYC.
ライブ録音されたものの未発表となった音源に関しては後年、日本のキングレコード
から発売された拾遺集「Swingin' (GXF-3070, GXK-8155)」に「If You Could See Me Now」、「Swingin'」、「Beef Stew Blues」の3曲が収録されております。
1987年には、アナログレコードで発売された5曲に、拾遺集「Swingin' (GXF-3070, GXK-8155)」で日の目をみた3曲を加え、曲順を入れ替えた「On View At The Five Spot Cafe (Blue Note CDP 7 46538 2)」が発売。
2011年には「Hybrid SACD]として、アナログレコードの曲順のまま、3曲をボーナス・トラックとして追加収録した「On View At The Five Spot Cafe (Analogue Productions CBNJ 84021 SA)」が発売されております。