ミシガン州デトロイト出身のアルトサックス奏者、ソニー・レッド(Sonny Red)のブルーノート(Blue Note Records)初リーダー・アルバムが、今回ご紹介する「Out Of The Blue (Blue Note BLP-4032)」です。
演奏される多くの楽曲に記載されるシルヴェスター・カイナー(Sylvester Kyner)なる名前は、ソニー・レッド(Sonny Red)の本名なんだとの事。
この時期のソニー・レッド(Sonny Red)の演奏スタイルは、アート・ペッパー(Art Pepper)系統の可憐で軽快にスイングするスタイルだった様ですが、1966年に録音された「Donald Byrd - Mustang! (Blue Note BLP-4238)」では、かなり強烈でアクの強い演奏スタイルに変貌しております(笑)。
私は「Donald Byrd - Mustang! (Blue Note BLP-4238)」の方を先に愛聴していたので、「Out Of The Blue (Blue Note BLP-4032)」の聴きやすいイメージにビックリしたという裏話もあったりします。
また、アルバム「Out Of The Blue (Blue Note BLP-4032)」からは主にジュークボックス向けであろうシングル盤として「Sonny Red - Stay As Sweet As You Are / Bluesville (Blue Note 45-1761)」、「Sonny Red - Alone Too Long / Blues In The Pocket (Blue Note 45-1762)」が発売されております。
このアルバムの為に1959年12月05日と1960年01月23日の録音が実施され、いずれの録音にもピアノのウィントン・ケリー(Wynton Kelly)が参加。
ファンキーかつ軽快なスイングで、ソニー・レッド(Sonny Red)の演奏に華を添えております。
1~6曲目は1959年12月05日の録音で、ベースはサム・ジョーンズ(Sam Jones)、
ドラムスはロイ・ブルックス(Roy Brooks)。
何処かで聴いた事ある感じだなあ・・・と思ったら、このメンバー編成、1960年08月に録音された「Blue Mitchell – Blue's Moods (Riverside Records RLP-9336)」のリズム隊そのままですね。
1曲目「Bluesville」は、シルヴェスター・カイナー(Sylvester Kyner)ことソニー・レッド(Sonny Red)の自作曲。
軽快かつファンキー、ややハネ気味に明るくスイングするブルースで、ソニー・レッド(Sonny Red)、ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)、サム・ジョーンズ(Sam Jones)と、軽快なるソロが続きます。
2曲目「Stay As Sweet As You Are」は、ゆったり気味な美しいバラッド。
ソニー・レッド(Sonny Red)の可憐で美しい音色にしばし、うっとりしてしまいますが、ソロ最初に登場するウィントン・ケリー(Wynton Kelly)の球を転がすような軽快なソロも聴き処です。
3曲目「I've Never Been In Love Before」は、アップテンポ・ナンバー。ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)のバッキングに刺激を受けつつ、ソニー・レッド(Sonny Red)が軽快にスイングしております。
4曲目「Nadia」は、明るくファンキー風味なソニー・レッド(Sonny Red)自作のブルース。
5曲目「Blues In The Pocket」は、ミディアム・テンポで演奏されるやや泥臭い感じなソニー・レッド(Sonny Red)自作のブルース。
6曲目「Alone Too Long」は、軽快かつ可憐にスイングする1曲です。
7、8曲目、そしてボーナス・トラックとして追加収録された9~13曲目は、1960年01月23日の録音でベースはポール・チェンバース(Paul Chambers)、ドラムスはジミー・コブ(Jimmy Cobb)・・・という事は、こちらは当時のマイルス・デイヴィス(Miles Davis)バンドのリズム隊そのもの(笑)。
気心しれた鉄壁のリズム隊とも言えますね・・・。
7曲目「The Lope」は、ソニー・レッド(Sonny Red)自作のブルース。
8曲目「Stairway To The Stars」は、美しいバラッドですね。
9~13曲目は、1996年に発売された米「Blue Note Connoisseur Series」の1枚として発売されたCD(CDP 7243 8 52440 2 5)に収録されたボーナス・トラックとなります。
9曲目「Crystal」は、超アップテンポで演奏されるソニー・レッド(Sonny Red)の自作曲。
10曲目「Lost April」は、軽快にスイングする1曲。
11曲目「You're Sensational」も、軽快にスイングする1曲。
12曲目「Blues For Kokee」は、ソニー・レッド(Sonny Red)自作のブルース。
13曲目「You're Driving Me Crazy」は、超アップテンポで演奏される曲となっております。
という訳で、ソニー・レッド(Sonny Red)のブルーノート(Blue Note Records)初リーダー・アルバム「Out Of The Blue (Blue Note BLP-4032)」は日本盤CDも出ておりますが、収録曲が多いという点で、1996年発売の米「Blue Note Connoisseur Series」をお勧めしておきます。
日本盤CDなら、1999年に発売された「RVG」リマスター(東芝EMI TOCJ-9093)かなあ。
米国発売のアナログ盤は、私は未聴ではありますが、良い音してると思います。
Sonny Red - Out Of The Blue +5 (BN Connoisseur)
Blue Note BLP-4032 / CDP 7243 8 52440 2 5 [1996]
Blue Note Connoisseur Series
side 1 (A)
01. Bluesville (Sylvester Kyner) 5:49
02. Stay As Sweet As You Are (Gordon, Revel) 6:12
03. I've Never Been In Love Before (Loesser) 5:20
04. Nadia (Sylvester Kyner) 4:04
side 2 (B)
05. Blues In The Pocket (Sylvester Kyner) 6:29
06. Alone Too Long (Fields, Schwartz) 2:56
07. The Lope (Sylvester Kyner) 5:13
08. Stairway To The Stars (Malneck, Parish, Signorelli) 6:17
CD Bonus Tracks
09. Crystal (Sylvester Kyner) 5:35
10. Lost April (DeLange, Newman, Hubert Spencer) 6:46
11. You're Sensational (Porter) 6:28
12. Blues For Kokee (Sylvester Kyner) 5:34
13. You're Driving Me Crazy (Donaldson) 5:27
#01-06 December 5, 1959 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Sonny Red (as) Wynton Kelly (p) Sam Jones (b) Roy Brooks (ds)
#07-13 January 23, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
Sonny Red (as) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds)