加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「John Coltrane - Soultrane (Prestige) 1958」プレステッジ時代の最高傑作(諸説あり)

テナーサックスの巨人、ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)が、マイルス・デイヴィスMiles Davis)らジャズ・ジャイアンツと共演する事で急激な成長を遂げた時期が1958年付近、丁度、プレステッジ(Prestige Records)と契約していた時代であったりします。

 

「John Coltrane - Soultrane (Prestige) 1958」プレステッジ時代の最高傑作

1958年02月07日、ピアノのレッド・ガーランドRed Garland)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのアート・テイラーArt Taylor)という顔なじみのメンバーと録音したのが「Soultrane (Prestige PRLP-7142)」です。


CDの帯に「プレステッジ時代の最高傑作!」書かれている事もある位、この後続くアトランテック時代、インパルス時代に録音された名盤群に対抗出来るアルバムだと思われます。

 

データを眺めると、「Soultrane (Prestige PRLP-7142)」を録音する前後には、「Miles Davis - Milestones (Columbia CL-1193)」に収録されたセッションに参加している模様。

 

 

1曲目の「Good Bait」は、タッド・ダメロンTadd Dameron)とカウント・ベイシーCount Basie)の共作なんですね。マイルス・デイビスMiles Davis)も、作曲者のタッド・ダメロンとの共演した演奏を残しております。

 


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ジョン・コルトレーンのソロを聴いていると、超有名ブルース「Blue Train」が思い浮かんでしまいますが、演奏しているキーが同じなのかな?ソロ・フレーズはかなり、似通ってます。

 


2曲目の「I Want To Talk About You」は、初期のマイルス・デイビスを自身のバンドに雇い可愛がっていた事で知られるヴォーカリスト、ビリー・エクスタイン(Billy Eckstine)が書いたバラッド。

 


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ジョン・コルトレーンの演奏も良いですが、レッド・ガーランドのブロック・コードを多用した物憂げなソロも聴きものでございます。

 


3曲目の「You Say You Care」は、軽快なテンポで演奏されております。


4曲目の「Theme For Ernie」は、ディジー・ガレスピーDizzy Gillespie)楽団のアルト奏者で、1957年02月に若くして急死したアーニー・ヘンリー(Ernie Henry)に捧げられた美しいバラッド。

 

 

5曲目「Russian Lullaby」は、アルバム最後を飾るに相応しい演奏かと。

昔、NHK-FMで「よみがえるジャズの名盤」という番組が放送されましたが、そこでもオンエアされていた記憶があります。

 


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レッド・ガーランドの優雅なブロック・コードから始まるこの曲、超アップテンポに変わってから聴く事が出来るジョン・コルトレーンの演奏は、俗に「シーツ・オブ・サウンド」を形容される音の洪水ですね。

 

この曲のスピードには流石のレッド・ガーランドもマイッタか、つっかかり気味のソロを展開。ジョン・コルトレーンカデンツァを経て、演奏は終了します。

 

 

「John Coltrane - Soultrane (Prestige) 1958」プレステッジ時代の最高傑作(諸説あり)

 

John Coltrane - Soultrane 
Prestige PRLP-7142

side 1 (A)
01. Good Bait (Tadd Dameron - Count Basie) 12:01
02. I Want To Talk About You (Billy Eckstine) 10:48

side 2 (B)
03. You Say You Care (Styne-Robin) 6:11
04. Theme For Ernie (Fred Lacey) 4:52
05. Russian Lullaby (Irving Berlin) 5:31


John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Arthur Taylor (ds) 
February 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

 

Soultrane

Soultrane

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ついでなんで「Soultrane (Prestige PRLP-7142)」が録音された付近のデータも掲載しておきます。

 

Coltrane 58: the..

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January 10, 1958 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
John Coltrane - Lush Life (Prestige PRLP-7188)

Lush Life (Reis)

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John Coltrane - The Believer (Prestige PRLP-7292)

Believer

Believer

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John Coltrane - The Last Trane (Prestige PR-7378)


John Coltrane - Black Pearls (Prestige P-24037)

Black Pearls

Black Pearls

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February 4, 1958 at Columbia 30th Street Studios, NYC.
Miles Davis - Milestones (Columbia CL-1193)

MILESTONES

MILESTONES

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February 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
John Coltrane - Soultrane (Prestige PRLP-7142)

 


March 4, 1958 at Columbia 30th Street Studios, NYC.
Miles Davis - Milestones (Columbia CL-1193)

 

March 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
Kenny Burrell & John Coltrane (New Jazz NJLP-8276)

 

March 26, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
John Coltrane - Settin' The Pace (Prestige PRLP-7213)

John Coltrane - The Last Trane (Prestige PR-7378)

 


May 13, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
●Wilbur Harden - Tanganyika Strut (Savoy MG-12136)

Tanganyika Strut

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May 26, 1958 at Columbia 30th Street Studios, NYC.
Miles Davis - 1958 Miles (CBS/Sony 20AP-1401)

 

 

「Ugetsu - Art Blakey and The Jazz Messengers (Riverside)」江戸時代の読本「雨月物語」を題材に

昭和的な話から始まりますが。

 

今回は、アナログレコードからカセットテープに録音し、よく聴いていたアート・ブレイキー(Art Blakey)率いるジャズ・メッセンジャーズの、お馴染みバードランドで1963年06月16日に録音されたライブ盤「Ugetsu (Riverside RS9464)」をご紹介致します。

 

「Ugetsu - Art Blakey and The Jazz Messengers (Riverside)」江戸時代の読本「雨月物語」を題材に


ウェイン・ショーターWayne Shorter)が音楽監督を務めている頃の、重厚なアンサンブルが魅力の「3管メッセンジャーズ」による演奏です。

 

その他の参加メンバーはトランペットのフレディ・ハバードFreddie Hubbard)、トロンボーンカーティス・フラーCurtis Fuller)、ピアノのシダー・ウォルトンCedar Walton)、ベースのレジー・ワークマン(Reggie Workman)という強力な布陣。


1961年の初来日公演で熱烈歓迎に遇い、大の日本贔屓となったアート・ブレイキーらしく、「ウゲツ(雨月物語)」と「オン・ザ・ギンザ(銀座)」という、日本を題材にした2曲を演奏しております。

 

ニューヨークでのライブなのに(笑)。

 

 

新潟の某砂漠地帯の丘の上にある大学に通っていた時代、ブルーノートに残された大量のライブ盤を聴く前、このアルバム「Ugetsu (Riverside RS9464)」を脳に刷り込んでしまったので、「アート・ブレイキーのライブ」と言われ、最初に脳内再生されるのはこのアルバムであり、特に「Ping Pong」のリズム・パターンは、頭にこびり付いて離れないほどに聴き込みましたね。

 

 

さて1曲目の「One By One」は、1980年代にウイントン・マルサリスの参加で息を吹き返したジャズ・メッセンジャーズでも、良く演奏されていましたねー。

 


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ウェイン・ショーターWayne Shorter)が書いたこの曲は、どの時代の演奏でも好きですね。

 

2曲目の表題曲「Ugetsu」は、江戸時代の代表的な読本(よみほん)である「雨月物語(うげつものがたり)」を題材にした曲で、アート・ブレイキーは、MCで「ジャパニーズ・ファンタジー」と言ってますね。

 


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ネット情報によると「上田秋成が書いた日本・中国の古典から脱化した怪異小説九篇から成る」読本らしいです。

ピアノのシダー・ウォルトンCedar Walton)が書いた曲ですが、怪異小説を題材にしているのに、何となくオリエンタル風味の爽やかなテーマだったりします。

 

ブルー・スピリッツ+2

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そういえば、フレディ・ハバードFreddie Hubbard)が書いた曲に「Jodo(浄土)」という曲がありましたね。

 

 

3曲目「Time Off」は、トロンボーンカーティス・フラーCurtis Fuller)が書いた緊張感溢れるアップテンポの曲。

トロンボーンで軽々高速フレーズを繰り出すカーティス・フラーが凄いですね。

 


4曲目の「ピン・ポン(Ping Pong)」は、やはりアート・ブレイキーの叩きだす特異なリズム・パターンが好きです(笑)。

 


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大学生の頃から良く真似して叩いていたので、今でも思い出すとついつい手でパターンを刻んでしまいます。8小節で簡潔するパターンですが、テキトーに譜面にするとこんな感じ(コレジャ、ワカランヨネ)。

|タン、タン|タン、タン|タン、タン|タン、タン|
|タン、タン|タン、タン|タンタンタタッ|タン、タン|

 

「ピン・ポン(Ping Pong)」はブルーノート(Blue Note Records)から発売された「Roots & Herbs」というアルバムにスタジオ録音が収録されているので、興味のある方はどうぞ。

 

Roots & Herbs

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5曲目「I Didn't Know What Time It Was」は、ウェイン・ショーターWayne Shorter)の独奏から始まる、やや耽美的なバラッドです。

 


6曲目の「On The Ginza」は、東京の銀座をイメージした曲なんでしょうね。

アート・ブレイキーはアナウンスで「東京のショッピング街」と紹介しておりますね。

 

トロンボーンを含む重厚なる三管アンサンブルが印象的な曲ですが、この曲も最晩年までライブで演奏しておりましたね。

 

 

バードランドでのライブ盤「Ugetsu (Riverside RS9464)」は、贅沢すぎるサイドメンに囲まれ、全員が最高の演奏を聴かせてくれます。

 

とりあえず、聴いて損はないアルバムではないかと。

 

 

Art Blakey and The Jazz Messengers (Art Blakey's The Jazz Messengers) - Ugetsu + 4
Riverside RS9464 / OJCCD-090-2

side 1 (A)
01. One By One (Wayne Shorter)  6:19
02. Ugetsu (Cedar Walton)  11:05
03. Time Off (Curtis Fuller)  4:58

side 2 (B)
04. Ping Pong (Wayne Shorter)  8:07
05. I Didn't Know What Time It Was (Rodgers-Hart)  6:30
06. On The Ginza (Wayne Shorter)  7:07

CD bonus tracks
07. Eva (Wayne Shorter)  5:53
08. The High Priest (Wayne Shorter)  5:22
09. The Theme (Curtis Fuller)  1:45


Freddie Hubbard (tp) Curtis Fuller (tb) Wayne Shorter (ts) 
Cedar Walton (p) Reggie Workman (b) Art Blakey (ds)

June 16, 1963 at Birdland, NYC.

 

ウゲツ+3(紙ジャケット仕様)

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「Nat Adderley - Work Song (Riverside) 1960」お勧めファンキー・ジャズ入門盤

今回はキャノンボール・アダレイCannonball Adderley)の弟でコルネット奏者であるナット・アダレイNat Adderley)の代表作。

 

「Nat Adderley - Work Song (Riverside) 1960」お勧めファンキー・ジャズ入門盤

1960年01月の25日と27日の2日間に渡り録音された「Work Song (Riverside RLP12-318)」です。

 

偉大な兄ちゃん(キャノンボール・アダレイ)の影に隠れて過小評価されておりますが、本作や「Wynton Kelly - Kelly Blue(Riverside 12-318)」でのハイトーンを多用した快演を聴く限り、かなりの実力の持ち主であることが伺えます。

 

 


アルバム「Work Song (Riverside RLP12-318)」は各メンバーが持ち寄ったファンキーなオリジナル曲(1、2、5、6、9)と、ストレートなスタンダード・バラッド(3、4、7、8)に分ける事が出来ます。

 

具体的な曲名は、ファンキーなオリジナル曲は「Work Song」、「Pretty Memory」、「Fallout」、「Sack Of Woe」、「Scrambled Eggs」。

ストレートなスタンダード・バラッドは「I've Got A Crush On You」、「Mean To Me」、「My Heart Stood Still」、「Violets For Your Furs」となります。

 

曲順も、ファンキーな曲で煽った後にスタンダード・バラッドで一息つかせて、またファンキーな曲に続けるという、飽きの来ない工夫がなされています。

まあ、食べ物に例えると、ジューシーなカツサンドを食べた後、新鮮な野菜サンドが出てくるような感じですかね。

しかも〆には、タマゴサンドが用意されているという気の使い方。

 


次に、曲の簡単なご紹介を。


まずファンキーな曲では、超有名曲「Moanin'」の作者、ボビー・ティモンズBobby timmons)がバックにソロに大活躍しております。

 

リズム・セクションの3人は、当時のキャノンボール・アダレイクインテットのメンバーなんであり、このメンバーで「This Here Is Bobby Timmons (Riverside RLP 12-317)」も録音しております。

 

ジス・ヒア

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その他面白いのは、ボビー・ティモンズBobby timmons)が表題曲で1曲目でもある「Work Song」のソロで「Moanin'」のオリジナル録音(Blue note)とほぼ同じフレーズを使用すること。ここ、笑いをこらえるのにちょっと苦労します。

 


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また、「I've Got A Crush On You」などのストレートなスタンダード・バラッドでは、ウェス・モンゴメリーWes montgomery)の味わい深いギターが堪能出来ます。

 


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ナット・アダレイ、いやファンキー・ジャズの入門盤として、本アルバムを聴いてみる事をお勧めします。


あまたあるジャズのベスト盤をお持ちの方であれば、表題曲の「Work Song」耳にする事があるかと思われますが。

 

「Work Song」を聴いて気に入った人にこっそりお知らせしておきますが、本盤「Work Song (Riverside RLP12-318)」では、素晴らしいバラッドも聴けますよ・・・。

 

何気に、ウェス・モンゴメリーWes montgomery)まで参加してるし。

 

 

Nat Adderley - Work Song
Riverside RLP12-318 / Victor VICJ-60333 [1999.08.04]

side 1 (A)
01. Work Song (Nat Adderley)  4:14
02. Pretty Memory (Bobby Timmons)  3:51
03. I've Got A Crush On You (I&G.Gershwin)  2:54
04. Mean To Me (Turk-Ahlert)  5:00
05. Fallout (Nat Adderley)  4:52

side 2 (B)
06. Sack Of Woe (Julian Adderley)  4:26
07. My Heart Stood Still (Rodgers-Hart)  6:25
08. Violets For Your Furs (Adair-Dennis)  3:48
09. Scrambled Eggs (Sam Jones)  3:21


#02,04,05,07 January 25,1960 at Reeves Sound Studios,NYC. 

Nat Adderley(cor) Bobby Timmons (p #2,5) Wes Montgomery(g) 
Sam Jones (cello, b #2,5,7) Keter Betts(b) Louis Hayes(ds)


#01,03,06,08,09 January 27,1960 at Reeves Sound Studios,NYC. 

Nat Adderley(cor) Bobby Timmons (p #1,6,9) Wes Montgomery(g) 
Sam Jones (cello, b) Percy Heath (b #1,6,9) Louis Hayes (ds #1,6,9)

 

ワーク・ソング

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