「Albert Ayler - Spiritual Unity (ESP-Disk) 1964」魂揺さぶるサックスの音色
新潟は今、お盆の時期なので「幽霊(Ghosts)」がらみのアルバムを選んでみました(笑)。
アルバート・アイラー(Albert Ayler)は私にとって、数少ないフリー・ジャズで許せる(笑)ミュージシャンであります。
その中でも「ESP-Disk」時代のアルバムは、「インパルス (Impulse! Records)」時代ほど混沌としておらず、過剰に身構える事無く聴けるので重宝(?)しております。
さて、2014年に発売されたアルバート・アイラー(Albert Ayler)の「スピリチュアル・ユニティ(Spiritual Unity)50周年記念盤」は、通常4曲入りの処、このバージョンに限り5曲入りと、お得感満載のCDであります。
5曲目に追加された「Vibrations」とタイトルがつけられた曲は、アナログレコードの初版プレスのみ3曲目(レコードのB面1曲目)に収録されたもので、追加プレス以降は、現在の「Spirits」に差し替えられ、長らく日の目を見なかったんだとか。
ちなみに1993年、日本の「Venus Record」が「Spiritual Unity」をCD化した際、今回の「Vibrations」を、「Spirits II」という名前で追加収録していたそうですが、現物が手元にないので詳細は不明です。
まあ、ベースのゲーリー・ピーコック(Gary Peacock)、パーカッションのサニー・マレイ(Sonny Murray)を従え、アルバート・アイラー(Albert Ayler)の魂を揺さぶる音色を心ゆくまで堪能出来るのが、この「Spiritual Unity (ESP-Disk ESP-1002)」という訳でございます。
1曲目「幽霊(Ghosts: First Variation)」は、牧歌的なテーマから徐々に魂揺さぶる高揚した演奏になっていくのが楽しいですね。
2曲目の「魔術師(The Wizard)」は、テーマ部からかなり混沌とした演奏が続きます。
3曲目の「聖霊(Spirits)」は、何処か暗い洞窟のような場所で、神秘的な儀式に立ち会っているような雰囲気の曲です。
4曲目の「幽霊(Ghosts: Second Variation)」は、1曲目「幽霊(Ghosts: First Variation)」の2倍の長さがある演奏で、1曲目よりも明るい雰囲気がします。
「50周年記念盤」の目玉である5曲目「Vibrations」は感情多寡で、やや危なっかしい感じがする演奏のように思えます。
という訳で、「Spiritual Unity (ESP-Disk ESP-1002)」は、演奏の技量うんぬんを論じるより、どの音が一番感情を揺さぶったかを論じた方が、精神衛生的にもよろしい気がしてきました。
Albert Ayler - Spiritual Unity (50th Anniversary Expanded Edition)
ESP-Disk ESP-1002 / ESP-DISK ESP-1002 [2014.09]
side 1 (A)
01. Ghosts: First Variation (Albert Ayler) 5:14
02. The Wizard (Albert Ayler) 7:22
side 2 (B)
03. Spirits (Albert Ayler) 6:48
04. Ghosts: Second Variation (Albert Ayler) 10:03
Bonus Track
05. Vibrations (Albert Ayler) 7:49
Albert Ayler (sax) Gary Peacock (b) Sonny Murray (per)
July 10, 1964 in NYC.