加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (1963)」土着的音色で蠱惑する前衛ジャズ

フリー・ジャズ」とか「前衛ジャズ」と呼ばれるジャンルのミュージシャンの演奏は、一聴して本能的に「是か非か」、あるいは「好きか嫌いか」で、聴き続ける事が可能か判断するしかないと思っております。

 

その判断材料は、楽器の「音色」であったり音楽に「共感出来るか否か」という、物凄い個人的な感情に左右される「極私的」な音楽であるという認識です。

 

フリー・ジャズ」がジャズ界を席巻したのは、世界的ないわゆる「激動の時代」。

 

日本でも「安保闘争」や「学生運動」など社会が騒乱一色に染まる時期であり、日本赤軍などが象徴する「暴力が日常茶飯事に展開される時代」の音楽として受け入れられた側面があったように思えます。


私が「フリー・ジャズ」とか「前衛ジャズ」に分類されるミュージシャンで聴き続けて
いるのはエリック・ドルフィー(Eric Dolhpy)、オーネット・コールマンOrnette Coleman)、ドン・チェリーDon Cherry)、そして今回のアルバート・アイラーAlbert Ayler)だったりします。

 

「土着的音色で蠱惑する前衛ジャズ」とでも言えばいいのか、アルバート・アイラーがサックスで紡ぎ出す音色には、人を惹きつける魔力のようなものが備わっている気がします。

 

「Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (1963)」土着的音色で蠱惑する前衛ジャズ

さて、アルバート・アイラーAlbert Ayler)の「My Name Is Albert Ayler (Debut DEB-140)」を最初に聴いた理由は、「山下達郎さんが好きなジャズのアルバムの1枚」だという事から。

 

山下達郎さんが1970年代初頭のデビュー当時(Sugar Babe時代)所属してた事務所には、日本が誇るフリー・ジャズ・ピアニストである山下洋輔さんが在籍しており、山下洋輔さんのライブや、ジャズ喫茶で「フリー・ジャズ」に接していたが故に、アルバート・アイラーの名前を挙げたんだと思います。

 

山下達郎さんが2008年にライブを再開した際に起用したドラムスの小笠原拓海さんが、「山下洋輔ニュー・カルテット」のメンバーであった事は、かつて同じ事務所に所属していたご縁なんだと分かると、「何で小笠原拓海さんを起用した?」という疑問が、少しだけ解消される訳で・・・。

 

前衛(フリー)ジャズを聴き出して間もないので、どうしても前置きが長くなってしまいますが、この辺でアルバート・アイラーAlbert Ayler)の「My Name Is Albert Ayler (Debut DEB-140)」の話に戻します。


1曲目の「Introduction by Albert Ayler」 は、自身で自己紹介を述べるトラック(笑)。 
「My Name Is Albert Ayler~」から始まり、これまでの音楽履歴を淡々と述べております。


2曲目の「Bye Bye Blackbird」は、冒頭フェードインで始まりますが、マイルス・デイヴィスMiles Davis)の演奏を延々聴いてた耳には、次元の異なる演奏の様に聴こえます。

 


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バックのトリオは普通のジャズしてますが、アルバート・アイラーの音色とフレーズは異次元。その落差で、エリック・ドルフィー以来の衝撃を受けました・・・なんじゃ、これは、と(笑)。


3曲目の「Billie's Bounce」は、個人的には、ややおとなし目のエリック・ドルフィーといった感じです。

 

そういえばエリック・ドルフィーの1961年に渡欧し、地元ミュージシャンと演奏してたから、こういうフリーキーな演奏も、すんなり対応出来る下地が出来てたのかな。

 


4曲目の「Summertime」は、一番聴きやすい演奏かもしれません。

 


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アルバート・アイラーの演奏は、酷暑の中「こんな暑いんじゃ、やってらんねーよなー」とか、息も絶え絶えに言ってるように聴こえますが(笑)。


5曲目の「On Green Dolphin Street」は、これもドルフィーの演奏と聴き比べると、面白いかもしれません。

 

エリック・ドルフィーの演奏が「ビバップとフリーの境界線、ぎりぎり」で演奏していたのに対し、アルバート・アイラーの演奏は「境界線をフリー方向に、やや超えてる」演奏だと思います。まさに感性の赴くままのフリーな演奏が展開されております。

 


6曲目「C.T. 」は、このアルバム唯一の自作曲。

 


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最初、助走の如く軽く吹きちらした後、アルバート・アイラー怒涛の咆哮が始まります・・・その後の展開は、フリー好き(詳しい人)にでも解説してもらって下さいませ。

そういえば以前、新発田市内にあるお寺を会場にしたライブにて、至近距離で聴いた坂田明さんが、こんな感じの演奏してた事、思い出しました。

 


フリージャズ界隈でオーネット・コールマン(Ornette Colema)以外、気に入ったミュージシャンが中々見つからなかったんですが。

 

エリック・ドルフィーEric Dolphy)の延長線上で聴けるアルバート・アイラーは、ようやく腰を据えて聴いてみたいミュージシャンとなりました。

 

他のフリー系ミュージシャンを色々聴いてはいるのですが、聴くに堪えない(体が受け付けない)ヒトが多かったので・・・・。

 

「Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (1963)」土着的音色で蠱惑する前衛ジャズ

「Black Lion」盤のジャケット。「Discogs」からお借りしました。

 

Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (1963)
Debut DEB-140

side 1 (A)
01. Introduction by Albert Ayler (Albert Ayler) 1:15
02. Bye Bye Blackbird (Dixon, Henderson) 7:19
03. Billie's Bounce (Parker) 5:59
04. Summertime (Gershwin, Gershwin, Heyward) 8:46

side 2 (B)
05. On Green Dolphin Street (Kaper, Washington) 9:05
06. C.T. (Albert Ayler) 12:01


Albert Ayler (ss,ts) Niels-Henning Orsted Petersen (b) 
Niels Brondsted (p) Ronnie Gardiner (ds)

January 14, 1963 at Danish National Radio Studios, Copenhagen, Denmark.

 

 

 

 

アルバート・アイラーAlbert Ayler)の「Spiritual Unity」については、追加曲入りの「50周年記念盤」を入手したので、機会を改めご紹介しようかと思っております。

 

「Spiritual Unity」は結構好きです(笑)。

 

Spiritual Unity

Spiritual Unity

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