ラージ・アンサンブルやビックバンド向けの作編曲者で有名なオリバー・ネルソン(Oliver Nelson)のアルバムに、マルチリード奏者のエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)が準主役として参加するのが「Straight Ahead (New Jazz NJLP-8255)」です。
一聴すると2管編成とは思えぬ重厚なアンサンブルが見事な作品が続きますが4曲目「Ralph's New Blues」を除き、オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)の作品となっております。
バックを固めるピアノ・トリオはリチャード・ワイアンズ(Richard Wyands)のピアノ、ジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)のベース、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)のドラムスという編成です。
全編聴き通すとオリバー・ネルソン(Oliver Nelson)が、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)を上手く生かす選曲で録音に臨んでいる事が伺えます・・・。
静寂感溢れる重厚なアンサンブルが魅力的な1曲目「Images」、6拍子(4+2拍子)という変則的な曲ながら軽快に演奏される2曲目「Six And Four」、イントロでのバラッド調の演奏が一転し、ファンキー風味に染まる3曲目「Mama Lou」まで一気に聴き通せてしまいますね。
4曲目「Ralph's New Blues」のみ、ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)の作品。
この室内楽的なテーマ、何処かで聴いた事あるなあ・・・と調べてみたら、1955年に録音された「The Modern Jazz Quartet – Concorde (Prestige PRLP-7005)」の1曲目で演奏された曲ですね。
荘厳なテーマから一転して、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のアバンギャルドな
バスクラリネット・ソロが出て来て「そう来るか(笑)」と思ったり・・・。
続くオリバー・ネルソン(Oliver Nelson)のソロは前衛寄りではあるものの、知的な雰囲気漂うファンキーかつ端正な感じがします。
急速調で演奏されるタイトル曲でもある5曲目「Straight Ahead」は、ビ・バップの流れを汲んだ前衛風味の曲。
ここまでアップテンポだと無茶はしないだろうな・・・と思ったら、ソロ2番手のエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)がバスクラリネットが攻めたソロを聴かせてくれます(笑)。
6曲目「111-44」も、ビ・バップ味溢れる一曲。
こうゆう感じの曲だと、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)の前衛風味と、オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)の知的なソロが上手く繋がる気がします(個人的感想)。
「Straight Ahead (New Jazz NJLP-8255)」のジャケットも、色味の違うものがあるみたいですので、参考までに。
Oliver Nelson with Eric Dolphy - Straight Ahead
New Jazz NJLP-8255
side 1 (A)
01. Images (Oliver Nelson) 5:46
02. Six And Four (Oliver Nelson) 7:16
03. Mama Lou (Oliver Nelson) 5:02
side 2 (B)
04. Ralph's New Blues (Milt Jackson) 9:54
05. Straight Ahead (Oliver Nelson) 5:32
06. 111-44 (Oliver Nelson) 3:26
Eric Dolphy (as, b-cl, fl) Oliver Nelson (ts, as, cl) Richard Wyands (p)
George Duvivier (b) Roy Haynes (ds)
March 1, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)とエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)のコンビネーションで一番有名なのはやはり「ブルースの真実」でしょうねえ・・・。
以前に書いた、オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)とエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)がらみのアルバムも貼っておきます。