加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse!) 1961

オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)と言えば真っ先に思う浮かぶのが、この大名盤「Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse! AS-5)」です。

 

邦題「ブルースの真実」と書いた方が、あー、アレね、と言う人が多いのかもしれません。

 

Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse!) 1961

 

1曲目の「Stolen Moments」は、日本のジャム・セッション用の参考譜面集、通称「黒本」に載っているほど、演奏者にも良く知られている曲だったりします。

 

 

 

ちなみに私が「Stolen Moments」という曲を知ったのは、クインシー・ジョーンズQuincy Jones)楽団の1961年の発掘ライブ演奏「Great Wide World Of Quincy Jones Live!」という日本企画盤でした。

 

Great Wide World Live

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近年、発掘されたど迫力のライブ音源でも聴く事が可能演奏でますが、「Stolen Moments」に関しては、フレディがちょっと大人し目な印象があったりします。

 

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さて、邦題「ブルースの真実」、「Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse! AS-5)」には、オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)の他、トランペットのフレディ・ハバードFreddie Hubbard)、マルチリード奏者のエリック・ドルフィーEric Dolphy)、バリトン・サックスのジョージ・バロー(George Barrow)という、今の視点で捉えると、大編成バンドでも演奏出来る技量を持った、やや革新的というかトンガリ気味な面子が揃っております。

 

 

リズム隊は、ビル・エヴァンスBill Evans)のピアノ、ポール・チェンバースPaul Chambers)のベース、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)のドラムスと、この手のラージ・アンサンブルとしては、これまたトンガリ気味な面子が揃ってたりしますね。

 

 

格式高く、ピンと張りつめた雰囲気が全編に続く1曲目「Stolen Moments」を聴いていると、何故か「Miles Davis - Kind Of Blue」を思い出したりするのですが・・・。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

よーく考えると、ピアノのビル・エヴァンスBill Evans)と、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)が、「Kind Of Blue」にも参加してるんですね。

 

一般的にブルースを呼ばれる曲は「12小節」で構成されるのですが、「Stolen Moments」は「16小節」で構成されてますので、変形ブルースと言った方がよろしいでしょう。

 


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今、真剣に聴き直してみると、作編曲を担当したオリバー・ネルソン(Oliver Nelson)は、「Stolen Moments」に関して、マイルスのアルバム「Kind Of Blue」の1曲目「So What」をかなり意識している様にも思えます・・・。

 

兎に角、1曲目の「Stolen Moments」が頭抜けた出来であるため、私は残りの曲に関しては印象が薄く、というかまったく頭に入っておりません(笑)。

 

 

唯一、2曲目の早すぎるマーチング風味な「Hoe-Down」は、フレディ・ハバードFreddie Hubbard)のド派手なソロ、続くエリック・ドルフィーEric Dolphy)の破天荒気味なソロと印象的な演奏が続くので、あー、こういう曲あったなあ・・・と。

 


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オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)の整然としたソロと、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)の独特なドラム・ソロも面白いかと思います。

 

 

「Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse! AS-5)」は、まあ、当時の革新的なメンバーを集め、ジャズの原点である「ブルース」を素材にトンガった演奏を聴かせるオリバー・ネルソン(Oliver Nelson)の作編曲者としての実力を世に知らしめた1枚なんだと思います。

 

このアルバムは別ジャケットでも発売されており、どちらのバージョンで知られているのか分からないので、別ジャケットの方も掲載しておきます。

 

Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth (Impulse!) 1961

 

Oliver Nelson - The Blues and The Abstract Truth
Impulse! AS-5 / IMPD-154 / Universal UCCI-9030 [2001.08.01]


side 1 (A)
01. Stolen Moments (Oliver Nelson)  8:48
02. Hoe-Down (Oliver Nelson)  4:45
03. The Cascades (Oliver Nelson)  5:33

side 2 (B)
04. Yearnin' (Oliver Nelson)  6:24
05. Butch and Butch (Oliver Nelson)  4:37
06. Teenie's Blues (Oliver Nelson)  6:34


Freddie Hubbard (tp) Eric Dolphy (as,fl) Oliver Nelson (as,ts,arr) 
George Barrow (bs) Bill Evans (p) Paul Chambers (b) Roy Haynes  (ds) 

February 23,1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

 

ブルースの真実

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