1961年06月16日、数多の名ライブが録音された伝説のジャズ・クラブ「The Five Spot Cafe」で行われたエリック・ドルフィー（Eric Dolphy）とブッカー・リトル（Booker Little）の双頭クインテットによる伝説のライブ。
その時のライブは「Prestige/Neww Jazz Records」が、４枚のアルバムに分散収録して発売しているので、今では気軽に聴く事が出来るようになりました。
その伝説のライブで演奏された曲を当時のリズム隊と若手フロントという編成で、約25年後の1986年09月30日から10月05日にかけニューヨークのジャズ・クラブ「Sweet Basil」で再演されました。
この再演ライブの企画は、ジュディ・スニード（Judy Sneed）女史なる写真家の発案
なんだそうで。
その再演ライブの模様を収録したアルバムの第１弾が「Eric Dolphy & Booker Little Memorial Quintet - Eric Dolphy & Booker Little Remembered Live At Sweet Basil (Paddle Wheel K28P-6450)」という訳です。
早世してしまったブッカー・リトル（Booker Little）とエリック・ドルフィー（Eric Dolphy）の役目を担うのは、トランペットのテレンス・ブランチャード（Terence Blanchard）と、アルトサックスとバスクラリネットを持ち替えて演奏するドナルド・ハリソン（Donald Harrison）という、新進気鋭の若手コンビ。
リズム隊は1961年06月16日のまま、ピアノのマル・ウォルドロン（Mal Waldron）、ベースのリチャード・デイヴィス（Richard Davis）、ドラムスのエド・ブラックウェル（Eddie Blackwell）という布陣。
さて約２２分にも及ぶ１曲目、エリック・ドルフィー（Eric Dolphy）作曲の「The Prophet」は、「Eric Dolphy – At The Five Spot Vol. 1 (Prestige/New Jazz NJ-8260)」収録曲。
ドナルド・ハリソン（Donald Harrison）のエリック・ドルフィー（Eric Dolphy）を意識しつつも自身の演奏スタイルを崩さず展開していくソロ、続くテレンス・ブランチャード（Terence Blanchard）もフレーズの端々にブッカー・リトル（Booker Little）風味をまぶしつつも、まんまコピーに陥る事なく、独自路線を展開して見せるのは凄いですね・・・。
３番手に登場するピアノのマル・ウォルドロン（Mal Waldron）は、比較的落ち着いたソロを聴かせてくれますし、続くベースのリチャード・デイヴィス（Richard Davis）もデジタル録音のせいか、やんちゃ気味なソロを弾いているにも関わらず、どっしりとしたソロを弾いているように聴こえます。
２曲目、アップテンポで演奏されるブッカー・リトル（Booker Little）作曲の「Aggression」は、「Eric Dolphy – At The Five Spot Vol. 2 (Prestige PRLP-7294)」に収録された曲。
テレンス・ブランチャード（Terence Blanchard）のブッカー・リトル（Booker Little）を意識しつつ、ウイントン・マルサリス（Wynton Marsalis）を筆頭とする新伝承派の流れを汲んだ特徴的なソロ・フレーズを連発しておりますし、続くドナルド・ハリソン（Donald Harrison）も、自身がアップテンポでよく使うソロフレーズを連発しておりますね（笑）。
ピアノのマル・ウォルドロン（Mal Waldron）も、高揚気味で快調なソロを聴かせてくれます。
３曲目、ブッカー・リトル（Booker Little）作曲の「Booker's Waltz」は、「Eric Dolphy & Booker Little – Memorial Album Recorded Live At The Five Spot (Prestige PR-7334)」収録曲で、ドナルド・ハリソン（Donald Harrison）は、アルトサックスからバスクラリネットを持ち替えて演奏しております。
で、ソロ先発で登場するテレンス・ブランチャード（Terence Blanchard）が、中々良いですね。
ドナルド・ハリソン（Donald Harrison）は、ソロの時はアルトサックスに持ち替えます（笑）。
ソロ３番手は、ベースのリチャード・デイヴィス（Richard Davis）で面白いソロを弾いてはいるんですが、古いＣＤで聴いているせいか、ベースの音が薄っぺらいです（笑）。
動画投稿サイトには、全曲まとめてアップされてますが、もちろん、音は良くないのでなるべく音の良いアナログレコードとかＣＤで聴いて下さいませ。
という事で、某評論家（油井正一さんか？）さんが絶賛していたらしい「Eric Dolphy & Booker Little Memorial Quintet - Eric Dolphy & Booker Little Remembered Live At Sweet Basil (Paddle Wheel K28P-6450)」ですが、近年、再発されているらしいので、そちらの再発ＣＤか、アナログ・レコードで聴く事をお勧めしておきます。
Mal Waldron, Eric Dolphy & Booker Little Memorial Quintet - Eric Dolphy & Booker Little Remembered Live At Sweet Basil
Paddle Wheel/King Records K28P-6450 / K32Y-6145 [1987]
side 1 (A)
01. The Prophet (Eric Dolphy) 21:41
side 2 (B)
02. Aggression (Booker Little) 13:11
03. Booker's Waltz (Booker Little) 11:44
Terence Blanchard (tp) Donald Harrison (as, bass-cl)
Mal Waldron (p) Richard Davis (b) Eddie Blackwell (ds)
October 3 & 4, 1986 at Sweet Basil, NYC.
Mixed at King Studio, Tokyo, November, 1986
Concept by Judy Sneed
