加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

Max Roach - Award Winning Drummer (Time) 1959

人気絶頂だったマックス・ローチMax Roach)率いるクインテットは1956年06月26日、天才トランペッターであったクリフォード・ブラウンClifford Brown)とピアニストのリッチー・パウエル(Richie Powell)を、雨降る深夜における交通自損事故で失った事で空中分解。

 

バンドの要を突如失ったマックス・ローチMax Roach)は、失意のどん底に叩き落とされます。

 

 

その直後から1958年04月頃までの約2年間は、旧知のトランペッター、ケニー・ドーハムKenny Dorham)を迎え、「Max Roach + 4」名義で活動を続けていた訳ですが。

 

マックス・ローチ・プラス・フォア

マックス・ローチ・プラス・フォア

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1958年06月に録音された「Max Roach + 4 On The Chicago Scene (EmArcy MG-36132)」辺りから、シカゴ音楽院を出たばかりで、ニューヨークに移った直後の若き天才トランペッター、ブッカー・リトルBooker Little)をバンドに獲得。

 

クリフォード・ブラウンClifford Brown)の再来」と評される、若き才能あるトランペッターと演奏する事で、再び注目を浴びる事となります。

 

まあ可哀そうな事に、そのブッカー・リトルBooker Little)も約3年後の1961年10月05日、わずか23歳の若さで亡くなってしまう訳ですが、その辺は別の機会に。

 

 

Max Roach - Award Winning Drummer (Time) 1959

さて、ブッカー・リトルBooker Little)を得たマックス・ローチMax Roach)は、テナー・サックスのジョージ・コールマン(George Coleman)、チューバのレイ・ドレイパー(Ray Draper)、ベースのアート・デイヴィス(Art Davis)というピアノレス・クインテットを結成。

 

その珍しい編成のピアノレス・クインテットで1958年11月04日に録音したアルバムが、今回ご紹介する「Award Winning Drummer (Time T/70003)」となります。

 

ピアノが居ないため、チューバのレイ・ドレイパー(Ray Draper)がバッキングの要となり、編曲の良し悪しでサウンドの印象が大きく変わってしまったりと、試行錯誤の過程を思わせる演奏の様に聴こえますが、ブッカー・リトルBooker Little)とジョージ・コールマン(George Coleman)が勢いがある曲では、「Max Roach=Clifford Brown Quintet」時代に肉薄する演奏を聴かせてくれます。

 

そんな演奏が、ジョージ・コールマン(George Coleman)が書いた3曲目「Variations On the Scene」です。

 


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ここでのブッカー・リトルBooker Little)とマックス・ローチMax Roach)の熱い演奏は、まさに「Max Roach=Clifford Brown Quintet」時代の熱気が蘇った風にも感じます。

 

5曲目の「Old Folks」におけるブッカー・リトルBooker Little)の演奏も、かなり熱いですねえ・・・。

 


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こんな感じで、ブッカー・リトルBooker Little)を得た、マックス・ローチMax Roach)バンドの快進撃がしばらく続きます。

 

 

Max Roach - Award Winning Drummer (Time) 1959

※このレコードのジャケットは、「Discogs」からお借りしました。

 

Max Roach - Award Winning Drummer +3 (1959)
Time T/70003 / Teichiku TECW-20634 [1997.12.17]


side 1 (A)
01. Tuba De Nod (Max Roach)  3:58
02. Milano (John Lewis)  5:12
03. Variations On the Scene (George Coleman)  5:39
04. Pies Of Quincy (Max Roach)  3:20

side 2 (B)
05. Old Folks (W. Robinson-D.L. Hill)  4:17
06. Sadiga (George Coleman)  6:33
07. Gandolfo's Bounce (Booker Little)  5:43

CD Bonus Tracks
08. Milano (alternate take) (John Lewis)  6:30
09. Old Folks (alternate take) (W. Robinson-D.L. Hill)  4:28
10. Gandolfo's Bounce (alternate take) (Booker Little)  6:11


Booker Little (tp) Ray Draper (tuba) George Coleman (ts) Art Davis (b) Max Roach (ds) 

November 4, 1958 at Capitol Studios, NYC.

 

 

 

マックス・ローチMax Roach)に関する以前書いたブログ記事を掲載しておきます。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

 

ついでに、ブッカー・リトルBooker Little)関連の記事も。

 

kaji-jazz.hatenablog.com

 

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