日本のジャズ・ファンにとって、日本人好みとよく言われるピアニスト、ソニー・クラーク(Sonny Clark)が残した「Sonny Clark Trio」と言われたら、すぐ思い出すアルバムが2枚あるかと思われます。
まず、1枚は日本で「ジャズ喫茶の定番アルバム」として超有名な、ハードバップ・スタイルで演奏される「Sonny Clark Trio (Blue Note BLP-1579)」。
もう1枚が、1960年03月23日にニューヨークの「Capitol Studios」で録音された、今回ご紹介する「Sonny Clark Trio (Time T/70010)」です。
ソニー・クラーク(Sonny Clark)以外のメンバーはというと、ベースはジョージ・デュヴィヴィエ(George Duvivier)、ドラムスはマックス・ローチ(Max Roach)といった感じの、まあ、「Time(Time Records)」ではお馴染みのメンバーですね。
「Sonny Clark Trio (Blue Note BLP-1579)」は、有名ジャズスタンダード中心に演奏していたのに対し、「Sonny Clark Trio (Time T/70010)」は、ソニー・クラーク(Sonny Clark)の自作曲だけを演奏している点が興味深い気がします。
で、ハードバップ然とした「Sonny Clark Trio (Blue Note BLP-1579)」を先に慣れ親しんでいた為か、「Sonny Clark Trio (Time T/70010)」はかなり重厚な印象で、正直な話、聴くのがしんどかったりします。
しかしながら、「Sonny Clark Trio (Time T/70010)」をじっくり聴いてみると、「Sonny Clark Trio (Blue Note BLP-1579)」と同じ仕様というか構造であったりする事に、ようやく気がついたりして、中々面白いですね。
例えば1曲目の「Minor Meeting」は曲は違えと、聴いた印象としては「BeBop」と同じ感じだったりします。
あと、無伴奏ソロの「My Conception」は、同じく無伴奏ソロの「I'll Remember April」と同じ響きを持った演奏であったりします。
そんな風に自己流に解析していくと、何か陰鬱で聴きにくいアルバムが、少しだけですが聴き易く思えたりします(笑)。
Sonny Clark - Sonny Clark Trio +4 (1960)
Time T/70010 / M&I MYCJ-30104 [2001.07.18]
side 1 (A)
01. Minor Meeting (Sonny Clark) 3:48
02. Nica (Sonny Clark) 6:16
03. Sonny's Crib (Sonny Clark) 6:18
04. Blues Mambo (Sonny Clark) 5:01
side 2 (B)
05. Blues Blue (Sonny Clark) 4:24
06. Junka (Sonny Clark) 6:11
07. My Conception (Sonny Clark) 4:30
08. Sonia (Sonny Clark - S. Willson) 5:13
CD bonus tracks
09. Nica [alternate take] (Sonny Clark) 6:55
10. Blues Blue [alternate take] (Sonny Clark) 7:37
11. Junka [alternate take] (Sonny Clark) 5:02
12. Sonia [alternate take] (Sonny Clark - S. Willson) 7:22
Sonny Clark (p) George Duvivier (b #1-6,8,9-12) Max Roach (ds #1-6,8,9-12)
March 23, 1960 at Capitol Studios, NYC.
最後に、ソニー・クラーク(Sonny Clark)関連の過去記事へのリンクも貼っておきます。