加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Eric Dolphy - Here And There (Prestige)」1961年に録音されたライブ中心の拾遺集

マルチ・リード奏者エリック・ドルフィーEric Dolphy)が、プレステッジ(Prestige/New Jazz Records)に残したライブ録音や未発表曲、別テイクなどからなるアルバムが「Here And There (Prestige PR-7382) 」です。

 

「Eric Dolphy - Here And There (Prestige)」1961年に録音されたライブ中心の拾遺集

 

拾遺集であるため後年、CD化された際にオリジナル・セッションをアルバム化したCDにボーナス・トラックとして追加収録されたりしているので、レア度は多少、薄くはなっておりますが、1961年のライブを中心に編纂されている事で、演奏の充実度はむしろ濃い位かと思われます。

 

さて、最初の2曲は1961年07月16日、ニューヨークの「ファイブ・スポット・カフェ(Five Spot Cafe)」にて、ブッカー・リトルBooker Little)との双頭バンド名義で録音されたライブ。

 

演奏メンバーは、エリック・ドルフィーEric Dolphy)とブッカー・リトルBooker Little)に加え、ピアノのマル・ウォルドロンMal Waldron)、ベースのリチャード・デイヴィス(Richard Davis)、ドラムスのエド・ブラックウェル(Ed Blackwell)です。

 


1曲目「Status Seeking」は、マル・ウォルドロンMal Waldron)の作品。

 


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リチャード・デイヴィス(Richard Davis)のウォーキング・ベースから始まる感じで、ソロに入ると、エリック・ドルフィーEric Dolphy)とブッカー・リトルBooker Little)が絶妙に絡み合いつつ、刺激的な演奏を繰り広げております。

 

 

2曲目「God Bless The Child」は、5分半にも及ぶエリック・ドルフィーEric Dolphy)のバス・クラリネット独奏となっております。

 

因みに「ファイブ・スポット・カフェ(Five Spot Cafe)」での録音は、「At The Five Spot Vol. 1  (New Jazz NJLP-8260)」、「At The Five Spot Vol. 2 (Prestige PRLP-7294)」、「Eric Dolphy & Booker Little Memorial Album (Prestige PR-7334)」、「Here And There (Prestige PR-7382)」という4枚のアルバムに分散収録されております。

 

 

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アナログ・レコードだと、ここからB面となります。

 

3曲目「April Fool」は、エリック・ドルフィーEric Dolphy)自身の作品であり、1960年の04月01日(April Fool)に録音された初リーダーアルバム「Outward Bound (New Jazz NJLP-8236)」の残り(未発表)曲。

 


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ドルフィー以外の演奏メンバーはフレディ・ハバードFreddie Hubbard)、ジャッキー・バイアードJaki Byard)、ジョージ・タッカー(George Tucker)、ロイ・へインズ(Roy Haynes)です。

 

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ロイ・へインズ(Roy Haynes)のブラシに導かれ、エリック・ドルフィーEric Dolphy)がフルートで、妖精が舞う如く可憐な演奏を聴かせてくれます。

 

 

4曲目「Don't Blame Me (Take 2)」は1961年09月08日、デンマークコペンハーゲン
録音されたライブ録音からの未発表曲。

 


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名前をどう読むのかわからない(スマン)欧州のピアノ・トリオをバックに演奏しております。

 

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この曲でも、エリック・ドルフィーEric Dolphy)は、ほぼウォーキング・ベースをバックにフルートを演奏しております。

 

アルト・サックスやバス・クラリネットを演奏する時は、どうしても前衛的な色彩が濃くなってしまいますが、フルートを演奏する時はクリアな音色で、まっとう(?)な演奏を聴かせてくれます。

 

 

Eric Dolphy - Here And There (1961)
Prestige PR-7382

side 1 (A)
01. Status Seeking (Mal Waldron)  11:30
02. God Bless The Child (Holiday - Herzog)  5:16

side 2 (B)
03. April Fool (Eric Dolphy)  4:07
04. Don't Blame Me (Take 2) (Fields - McHugh)  13:30


#01, 02 July 16, 1961 at the Five Spot, New York City.

Booker Little (tp) Eric Dolphy (as,bcl,fl) Mal Waldron (p) 
Richard Davis (b) Ed Blackwell (ds) 


#03 April 1, 1960 at Van Gelder Studio, Englewood Cliffs.

Freddie Hubbard (tp) Eric Dolphy (as, b-cl, fl) Jaki Byard (p) 
George Tucker (b) Roy Haynes (ds) 


#04 September 6, 1961 in Berlingske Has, Copenhagen.

Eric Dolphy (as, b-cl, fl) Bent Axen (p) Erik Moseholm (b) Jorn Elniff (ds) 

 

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