加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Freddie Hubbard – Born To Be Blue (Pablo Today)」フレディ・ハバードの隠れ良盤

1980年代、アコーステック・サウンドによるジャズが人気再燃した際、いわゆるフュージョンやエレクトリック・サウンド方面のアルバムを出していたベテラン・ミュージシャン達が堰を切ったようにアコーステック・サウンド・ジャズに回帰していったのは、日本のジャズ・ファン及びアマチュア・ミュージシャンにとっては、有難いことでありました。

 

その時期、バブル経済ブイブイいわせていた日本資本のレコード会社がニューヨークに乗り込んで、人気ミュージシャンに往年の名曲を再演させたりしてましたね。

 

また、ジャズ・フェスティバルと呼ばれる野外音楽イベントに、ベテラン・ジャズ・ミュージシャンを招聘し、場合によってはライブ録音をしたりと、ジャズの歴史的にも日本が重要な役割を担ってたりもしてました。

 

有名ジャズ・レコード会社の名盤を積極的に再発したりと、あの当時、日本がアメリカのジャズ・ミュージシャンにとって、かなり有難い存在であった事は間違いないでしょう。

 

さて、前置きはさておき、今回は「新発田市歴史図書館」という処から、未だに貸し出ししてくれるアナログ・レコードをPCMレコーダーで録音し、「24bit/48kHz」で自家リマスタリングした音源から。

 

新発田市歴史図書館」には現在(2025年)、CDで入手困難なアルバムが結構収納されているので、とっても助かっております。

 

 

「Freddie Hubbard – Born To Be Blue (Pablo Today)」フレディ・ハバードの隠れ良盤

という事で、大人気トランペッター、フレディ・ハバードFreddie Hubbard)が、相方に「Muse Records」からテナー・サックス奏者、ハロルド・ランド(Harold Land)借り受けて1981年12月14日に録音された「Born To Be Blue (Pablo Today D2312134)」の紹介に移ります。

 

Freddie Hubbard and His Orchestra – Born To Be Blue (LP)
Pablo Today D2312134 [1982]

side 1
01. Gibraltar (Freddie Hubbard)  12:10
02. True Colours (Freddie Hubbard)  7:58

side 2
03. Born To Be Blue (Mel Torme, Robert Wells)  7:22
04. Joy Spring (Clifford Brown)  6:45
05. Up Jumped Spring (Freddie Hubbard)  7:09


Freddie Hubbard (tp) Harold Land (ts) Billy Childs (key) 
Larry Klein (b) Steve Houghton (ds) Buck Clark (per) 

December 14, 1981 at Ocean Way Recording Studio, Hollywood, California.

 

 

このアルバム「Born To Be Blue (Pablo Today D2312134)」は、フレディ・ハバードFreddie Hubbard)自身のプロデュース作品なので、アルバムの出来には少し懐疑的ではあったのですが、表題にも書いた通り、真剣に聴いてみると、「フレディ・ハバードの隠れ良盤」だという結論に達しました。

 

いやー、入手したアルバムは一度くらいは、真面目に聴いてみるものだな(笑)。

 


パーカッションの連打からのフレディ・ハバードFreddie Hubbard)の雄たけびで始まるエキゾチックなラテン・テイスト満載の1曲目「Gibraltar(ジブラルタル)」。12分にも及ぶ長尺な演奏ですが、ソロ1番手のハロルド・ランド(Harold Land)、続くフレディ・ハバードと、奔放かつ魅力的なソロを聴かせてくれてます。

 


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ドラムとパーカッションによるソロを挟み、ダイアン・リーブス(Dianne Reeves)の座付きピアニストとしての活躍が印象深いビリー・チャイルズ(Billy Childs)のラテン・テイストな短いピアノ・ソロが登場。フレディ・ハバードハロルド・ランドによるソロの掛け合いを挟み、フレディの落ち着いた深みあるソロへと雪崩れ込んでいきます。

 


テーマ部の仕掛けが多い、フレディらしいシリアスな2曲目「True Colours」。

リズム隊の執拗な煽りを受けつつ、豪快にブローするフレディ・ハバード、続くハロルド・ランドはリズム隊の煽りを悠然と受け流し(笑)、いわゆるモーダルなソロを聴かせてくれます。

 

ビリー・チャイルズのピアノ・ソロを挟み、フレディ・ハバードとリズム隊による壮絶なるソロ合戦が凄いです(笑)。

 


3曲目は、表題曲でもある「Born To Be Blue」。タイトル通りブルージーなバラッド風味な演奏です。フレディ・ハバードの深みあるソロを十分に堪能出来る1曲であります。続くハロルド・ランドとビリー・チャイルズのソロは短めで、そのままテーマに戻ります。

 


4曲目「Joy Spring」は、クリフォード・ブラウンClifford Brown)の名演が有名な1曲。ハロルド・ランド(Harold Land)はかつて、クリフォード・ブラウンClifford Brown)とマックス・ローチMax Roach)の双頭コンボで活躍していたので、あえての選曲でしょう。

 

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ここでは、パーカッション入りの歯切れ良い感じの演奏であり、フレディ・ハバードFreddie Hubbard)は時々、クリフォード・ブラウンClifford Brown)のソロからインスパイアされたソロ・フレーズを吹いておりますので、やや集中して聴いてみて下さい。

 

ハロルド・ランド(Harold Land)はモーダルでありつつ、かなり奔放なソロを吹いている感じがします。

 


5曲目「Up Jumped Spring」は多分、一番知られた3拍子で書かれたフレディ・ハバードFreddie Hubbard)のオリジナル楽曲。

 

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珍しく、かなりゆったりとしたテンポで演奏されているので、この曲のソロ・コピーには最適かもしれません。

 

ハロルド・ランドのモーダルなソロ、ビリー・チャイルズのきらびやかなソロに続き、
このアルバムでは唯一のベース・ソロが登場。そのままエンディング・テーマに雪崩れ込みます。

 

 

 

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