マルチ・リード奏者エリック・ドルフィー（Eric Dolphy）と、トランペット奏者ブッカー・リトル（Booker Little）が結成した双頭バンドは、短命ながらも充実したライブ録音を残しました。
その1961年07月16日にニューヨークの「ファイブ・スポット・カフェ（Five Spot Cafe）」で収録されたライブ録音は、「At The Five Spot Vol. 1 (New Jazz NJLP-8260)」、「At The Five Spot Vol. 2 (Prestige PRLP-7294)」、「Eric Dolphy & Booker Little Memorial Album (Prestige PR-7334)」、「Here And There (Prestige PR-7382)」という４枚のアルバムに分散収録されております。
「At The Five Spot Vol. 1 (New Jazz NJLP-8260)」は以前、ご紹介した事がありましたね。
エリック・ドルフィー（Eric Dolphy）とブッカー・リトル（Booker Little）に加え、ピアノのマル・ウォルドロン（Mal Waldron）、ベースのリチャード・デイヴィス（Richard Davis）、ドラムスのエド・ブラックウェル（Ed Blackwell）というハード・バップ期にはお馴染みのクインテット編成での演奏ではあるものの、フロント二人の先鋭的な演奏により、今なお、古臭さを感じさせないライブが繰り広げられております。
さて今回ご紹介する「At The Five Spot Vol. 2 (Prestige PRLP-7294)」は、アナログレコード時代にはＡＢの両面にそれぞれ１曲づつという長尺の演奏が２曲収録されております。
冒頭から緊張感溢れる１曲目「Aggression」は、ブッカー・リトル（Booker Little）の作品。
ロングトーンを生かした如何にもブッカー・リトル（Booker Little）らしい曲調であり、ソロにおいても、お得意のハイトーンを駆使した縦横無尽な演奏を聴かせてくれます。
エリック・ドルフィー（Eric Dolphy）はブッカー・リトル（Booker Little）のソロ最後にフレーズを被せながら登場。バスクラリネットの艶のある低音を生かしたアグレッシブなソロを聴かせてくれます。
ソロはその後、ピアノのマル・ウォルドロン（Mal Waldron）、ベースのリチャード・デイヴィス（Richard Davis）、最後はドラムスのエド・ブラックウェル（Ed Blackwell）とフロント陣によるソロ交換と続きます。
２曲目「Like Someone In Love」は、スタンダード・ナンバー。
約６年前の1955年11月23日に録音され、ケニー・ドーハム（Kenny Dorham）の演奏が特に素晴らしいライブ盤「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note BLP-1508)」で演奏されたヴァージョンを踏襲しつつ、双頭バンドらしい味付けが加えられた演奏となっております。
エリック・ドルフィー（Eric Dolphy）はこの曲ではフルートを吹いており、熱演が続く中、会場の熱気を覚ますような清涼感溢れる演奏となっております。
続くブッカー・リトル（Booker Little）もハイトーンを駆使しつつ、比較的穏やかな演奏を聴かせてくれます。
Eric Dolphy - At The Five Spot Vol. 2 (1961)
Prestige PRLP-7294 / Prestige PR-7826
side 1 (A)
01. Aggression (Booker Little) 16:45
side 2 (B)
02. Like Someone In Love (Van Heusen - Burke) 19:42
Booker Little (tp) Eric Dolphy (as,bcl,fl) Mal Waldron (p) Richard Davis (b) Ed Blackwell (ds)
July 16, 1961 at Five Spot Cafe, NYC.
