「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note) 1955」充実したライブ録音、2枚目
リーダーを明示しないジャズ・ユニット「The Jazz Messengers」が1955年11月23日、ジャズ・クラブ「カフェ・ボヘミア(The Cafe Bohemia)」で行ったライブ録音の後半(Vol.2)、2枚目となる「The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 (Blue Note BLP-1508)」を、簡単に紹介していきたいと思います。
なお前回、「The Jazz Messengers」結成に至るまで流れはご説明しましたので、そこは省略。
私はリラックス・ムード満点の2曲目「Like Someone In Love」が収録されている事から、「Vol.1 (Blue Note BLP-1507)」より、「Vol. 2 (Blue Note BLP-1508)」を聴く機会が多いです。
ソロのバックでリズム隊が倍テン(2倍のリズムを刻むこと)になる演出も、お洒落ですし。
1曲目の陽気な「Sportin' Crowd」は、よく「Royal Roost」や「Tenor Madness」と言う別名で演奏されているブルース・ナンバー。
ブルースとくればホレスが俄然張り切る!とってもお茶目なソロを聴かせてくれます。
3曲目、ジェロム・カーン作曲のバラッド「Yesterdays」は、ケニー・ドーハムのフューチャー・トラックですね。
4曲目、フロント陣もパーカッションをかき鳴らす「Avila and Tequila」は、アート・ブレイキーのフューチャー・トラック。
そういえばこの演奏パターンは、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)が音楽監督を務める頃の「チュニジアの夜(A Night In Tunisia)」でお馴染みですね。
追加曲ではアップテンポで演奏される6曲目「Just One Of Those Things」、ミディアムテンポで演奏される8曲目「風と共に去りぬ(Gone With The Wind)」と有名曲を披露。
7曲目に演奏されるハンク・モブレー(Hank Mobley)のオリジナル「Hank's Symphony」は、アート・ブレイキーのフューチャー・トラックでありテーマ部以外は、ほぼアート・ブレキーのソロでございます。
The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia Vol. 2 +3 (RVG)
Blue Note BLP-1508 / 東芝EMI TOCJ-66118 [2001.06.20]
side 1 (A)
01. Announcement by Art Blakey 0:37
02. Sportin' Crowd (Hank Mobley) 6:53
03. Like Someone In Love (J. Van Heusen, J. Burke) 9:15
side 2 (B)
04. Yesterdays (J. Kern, O. Harbach) 4:11
05. Avila and Tequila (Hank Mobley) 12:46
06. I Waited For You (D. Gillespie, G. Fuller) 9:47
CD Bonus Tracks
07. Just One Of Those Things (Cole Porter) 9:27
08. Hank's Symphony (Hank Mobley) 4:43
09. Gone With The Wind (A. Wrubel, H. Magidson) 7:27
The Jazz Messengers
Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts #omit 4) Horace Silver (p) Doug Watkins (b)
Art Blakey (ds)
November 23, 1955 at Cafe Bohemia, NYC.
そういえば1961年に「Five Spot」で録音された、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)とブッカー・リトル(Booker Little)の双頭バンドによる伝説のライブでも、本ライブのフォーマットに従った「Like Someone In Love」が演奏されておりましたね。
興味のある方は一度、聴き比べてみて下さい。