ドラムスのチコ・ハミルトン(Chico Hamilton)をリーダーとするクインテットは、フロントにマルチリード奏者のバディ・コレット(Buddy Collette)、チェロのフレッド・カッツ(Fred Katz)、ギターのジム・ホール(Jim Hall)、ベースのカーソン・スミス(Carson Smith)という、ジャズ界隈では珍しい編成のバンドです。
今回ご紹介するアルバム「Chico Hamilton - Chico Hamilton Quintet (Pacific Jazz PJ-1209)」は1955年08月04日、カリフォルニアの「The Strollers」におけるライブ録音をアナログレコード時代のB面に配し、A面には1955年08月23日に行われたスタジオ録音を配し編纂されたものです。
アナログレコード時代のA面に配された1955年08月23日に行われたスタジオ録音では、木管系で優しい音色のマルチリードに、チェロ、ギター、ベースというドラムスの音をあまり邪魔しない楽器をメンバーに選んでる感じがしますね。
3曲目の「Blue Sands」は、本多俊夫さんが自身のジャズ系ラジオ番組でテーマ曲として使ってらしたそうで、日本では知られた曲の様です。
チコ・ハミルトン(Chico Hamilton)クインテットのバンドサウンドの例としては、2曲目の「My Funny Valentine」あたりが分かりやすいかな・・・と思ったりします。
チェロのフレッド・カッツ(Fred Katz)がテーマを奏で、途中からギターのジム・ホール(Jim Hall)やフルートのバディ・コレット(Buddy Collette)がさりげなく絡んでいき、ソロに突入するという、何というかお洒落な演奏の流れが良いです。
アナログレコード時代のB面に配された1955年08月04日、カリフォルニアの「The Strollers」におけるライブ録音では、流石にベースなどの低音楽器の音は薄くなりますが、その分、音空間の「広さ」が感じられる、如何にも「ライブらしい音」となってます。
7曲目のざっくりとした勢いある音で始まる「Spectacular」は、ギターのジム・ホール(Jim Hall)の作品であり、ギター・ソロの合間に、チェロとアルト・サックスの合いの手が入る感じが面白いですね。
ライブならではの高揚した雰囲気の中、演奏が進んでいく感じが素敵です。
Chico Hamilton - Chico Hamilton Quintet (1955)
Pacific Jazz PJ-1209 / Toshiba EMI TOCJ-6822 [2006]
side 1 (A)
01. A Nice Day (Buddy Collette) 2:54
02. My Funny Valentine (Rodgers-Hart) 4:18
03. Blue Sands (Buddy Collette) 6:33
04. The Sage (Fred Katz) 3:35
05. The Morning After (Chico Hamilton) 2:08
side 2 (B)
06. I Want To Be Happy (Youmans-Caesar) 2:13
07. Spectacular (Jim Hall) 5:19
08. Free Form (Improvisation) 5:05
09. Walking Carson Blues (Carson Smith) 6:15
10. Buddy Boo (Buddy Collette) 5:18
#01-05 August 23, 1955 at Radio Recorders, Los Angeles, CA.
Buddy Collette (ts,as,cl,fl) Fred Katz (cello) Jim Hall (g) Carson Smith (b)
Chico Hamilton (ds)
#06-10 August 4, 1955 at The Strollers, Long Beach, CA.
Buddy Collette (ts,as,cl,fl) Fred Katz (cello) Jim Hall (g) Carson Smith (b)
Chico Hamilton (ds)