「Lou Donaldson - Blues Walk (Blue Note) 1958」コンガ入りで陽気な人気アルバム
チャーリー・パーカー派のアルト・サックス奏者、ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)がブルーノート(Blue Note Records)で最初にヒットしたアルバムだと思われるのが、今回ご紹介する「Blues Walk (Blue Note BST-81593)」です。
後年のインタビュー記事を読んだ時の記憶を辿ると、CD化されたこのアルバムを、ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)ご本人も、頻繁に聴いていた模様。
コンガ入りでソウル臭強めのアルバムである為、お堅いジャズ・マニアよりは一般の音楽ファンが好みそうな、頭を空っぽにして聴いていると、とっても幸せな気分になれる陽気なアルバムでございます。
演奏メンバーは、アルバム「Swing and Soul (Blue Note BST-81566)」同様にルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)の他、ピアノにハーマン・フォスター(Herman Foster)、ベースに(Peck Morrison)、ドラムスに(Dave Bailey)のピアノ・トリオに、コンガ奏者のレイ・バレット(Ray Barretto)が加わっております。
ブルーノート(Blue Note Records)では珍しい顔合わせですが、当時のルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)が率いていたバンドのレギュラー・メンバーであったのでは無いかと推測する次第。
ブロック・コードでハッピーに盛り上げるピアニスト、ハーマン・フォスター(Herman Foster)と同系統のピアニストとしては、最初に思い浮かぶのが「Horace Parlan - Us Three (Blue Note BST-84037)」で爆走するホレス・パーラン(Horace Parlan)ですね。
レイ・バレット(Ray Barretto)のノリの良いコンガが入っている事から、「Blues Walk (Blue Note BST-81593)」はリズムが主役のノレる(踊れる)アルバムだと思います。
しかし、これだけ気持ち良く演奏出来たらなんて素敵なんでしょう・・・そう思わせる1枚であります。
1曲目は、聴きだすとすぐブルースだと分かる(笑)、「Blues Walk」です。
ゆるやかなアルト・ソロに、コンガとピアノがリズミックに絡みつきます。
2曲目は軽快なアップテンポで疾走する「Move」。
自らジョニー・ホッジス(Johnny Hodges)に影響を受けたと語るルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)が奏でる優しい音色が心に沁みます。
3曲目は牧歌的な「The Masquerade Is Over」。
コンガの音が何だか、のどかな平野を歩く馬の蹄に聴こえて来ます。
4曲目はルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)自作の「Play, Ray」。タイトル通りコンガのレイ・バレット(Ray Barretto)にスポットを当てた作品です。
ピアノのハーマン・フォスターも、ソロではブロック・コード中心にゴリゴリ弾き倒し、最後には珍しく、コンガとリズム・セクションのソロ4小節交換が聴けます。
5曲目はバラッドの「Autumn Nocturne」で、これまた優しい気持ちになれる1曲。
ラスト6曲目の「Callin' All Cats」は、軽快なリズムに乗り、ルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)のハッピーになるソロ・フレーズが綴られていきます。
Lou Donaldson - Blues Walk (RVG)
Blue Note BST-81593 / 東芝EMI TOCJ-9048 [1998.11.26]
side 1 (A)
01. Blues Walk (Lou Donaldson) 6:42
02. Move (Denzil Best) 5:52
03. The Masquerade Is Over (Magidson-Wrubel) 5:51
side 2 (B)
04. Play, Ray (Lou Donaldson) 5:30
05. Autumn Nocturne (Josef Myrow) 4:52
06. Callin’ All Cats (Lou Donaldson) 5:15
Lou Donaldson (as) Herman Foster (p) Peck Morrison (b) Dave Bailey (ds)
Ray Barretto (conga)
July 28, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.