アルバム「The Jon Eardley Seven (Prestige PRLP-7033)」は、珍しい4管アンサンブルを交えたトランペット奏者、ジョン・アードレイ(Jon Eardley)のリーダー作ではあるものの。
リーダーの知名度がイマイチな為か、共演者のズート・シムズ(Zoot Sims)やフィル・ウッズ(Phil Woods)の演奏に、注目が集まってしまいがちだったりします。
そんな訳で、1965年頃にジャケットとタイトルを「Zoot Sims - Koo Koo With Phil Woods & Jon Eardley (Status ST-8309)」と変え、再発されていたりします。
ちなみにトランペットのジョン・アードレイ(Jon Eardley)、テナー・サックスのズート・シムズ(Zoot Sims)、アルト・サックスのフィル・ウッズ(Phil Woods)以外のメンバーは上手いが、個性が薄い上に他のアルバムでは見かけた事がないので、省略致します(笑)。
1曲目の「Leap Year」は、4管アンサンブルが印象に残る哀愁系ハード・バップといった感じの曲ですね。
ズート・シムズ(Zoot Sims)、フィル・ウッズ(Phil Woods)などの華麗なソロが続いた後、比較的端正なジョン・アードレイ(Jon Eardley)のトランペット・ソロが登場。
ちなみに、ピアノがややホレス・シルヴァー(Horace Silver)調、ドラムスがケニー・クラーク(Kenny Clark)っぽかったりします。
クラシカルなブラス・アンサンブルから始まる2曲目「There's No You」は、バラッド調の演奏で、ジョン・アードレイ(Jon Eardley)のチェット・ベイカー(Chet Baker)風味の演奏をお楽しみいただけます。
アップテンポで奏でられるホーン・アンサンブルが心地よい3曲目「On the Minute」は、これまた哀愁系ハード・バップといった感じの曲で、ズート・シムズ(Zoot Sims)のソロが素晴らしいです。
4曲目「Ladders」も、アンサンブル重視な哀愁系ハード・バップで、ジョン・アードレイ(Jon Eardley)の端正なソロが良く、続くズート・シムズ(Zoot Sims)のソロも素敵でございます。
5曲目「Koo Koo」は、ミディアム・テンポのややファンキー調な曲で、テーマ部のアンサンブルの動きが、何だかビックバンドっぽいですね。
6曲目「Eard's Word」は、フィル・ウッズ(Phil Woods)からの提供曲で、何だかマイルス・デイヴィス(Miles Davis)の名演が残されたブルース「Walkin'」っぽい感じですね。
そういう視点で聴くと、ジョン・アードレイ(Jon Eardley)のソロがマイルスっぽかったりします(笑)。
各メンバーの合間に挿入されるアンサンブルも豪華で良いですね。
Jon Eardley - The Jon Eardley Seven
Prestige PRLP-7033 / Vicotr Entertaiment VICJ-60462 [2000.01.21]
side 1 (A)
01. Leap Year (George Syran) 4:56
02. There's No You (Hal Hopper) 5:46
03. On the Minute (Jon Eardley) 8:00
side 2 (B)
04. Ladders (Jon Eardley) 5:14
05. Koo Koo (Jon Eardley) 5:47
06. Eard's Word (Phil Woods) 5:13
Jon Eardley (tp) Milt Gold (tb) Phil Woods (as) Zoot Sims (ts)
George Syran (p) Teddy Kotick (b) Nick Stabulas (ds)
January 13,1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.