加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)がジャズ名盤の個人的感想など綴ってます。

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

ジャズ界の帝王、マイルス・デイヴィスMiles Davis)がまだ駆け出しの頃は、天才チャーリー・パーカーCharlie Parker)との共演で腕を磨きつつ、パーカーの悪影響でクスリにハマる事となります。

クスリを入手するために演奏をこなす、といった日々を過ごしていた為、お洒落に気を遣うお金も余裕も無くなり、心身ともにボロボロになっていきます・・・。

 

そんな時代を捉えたの録音が、今回紹介する「Miles Davis And Horns (Prestige PRLP-7025)」となります。

 

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

このアルバムは、1951年01月17日と1953年02月19日に録音された2つのセッションをまとめ、12インチレコードとして発売されたものです。


1951年01月17日の録音は最初、10インチレコード「Modern Jazz Trumpets (Prestige PRLP-113)」及び「Miles Davis - Blue Period (Prestige PRLP-140)」として発売されたもの。

 

また、「Miles Davis - Morpheus / Blue Room (Prestige 734)」と「Miles Davis - Down / Whispering (Prestige 742)」という2枚のシングルとしても発売されている様です。

 

 

1953年02月19日の録音は最初、10インチレコード「Miles Davis - Plays Al Cohn Compositions (Prestige PRLP-154)」として発売されたもので、シングル「Miles Davis - Tasty Pudding Part 1&2 (Prestige 884)」としても発売されている様です。

 

さて1~4曲目、1951年01月17日の録音は、マイルス・デイヴィスMiles Davis)のトランペットの他、トロンボーンのベニー・グリーン(Bennie Green)、テナーサックスにソニー・ロリンズSonny Rollins)、ピアノにジョン・ルイス(John Lewis)、ベースはパーシー・ヒース(Percy Heath)、ドラムスにロイ・ヘインズ(Roy Haynes)というメンバーで録音されました。

 

このセッションの録音の前、マイルスはチャーリー・パーカーCharlie Parker)の「Swedish Schnapps (Verve MGV-8010)」に収録された録音に参加しており、そこで気力、体力共に使い果たしバテ気味な模様が記録されております(笑)。

 


1曲目アップテンポで複雑な構成の「Morpheus」は、ジョン・ルイス(John Lewis)の曲。

 


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短い時間でマイルス・デイヴィスソニー・ロリンズジョン・ルイスとソロが続くあたりは「クールの誕生」を連想させますね。

 

2曲目のタッド・ダメロンTadd Dameron)風な「Down」は、マイルス・デイヴィスMiles Davis)の作曲。

マイルス・デイヴィスの気持ちよさそうなソロに続き、トロンボーンのベニー・グリーン(Bennie Green)のほのぼのとしたソロ、ソニー・ロリンズSonny Rollins)の気合の入ったソロが続きます。

 

3曲目「The Blue Room [take 2]」は、美しいバラッド形式で演奏されており、9曲目にボーナス・トラックとして「The Blue Room [take 1]」が収録されております。

こういうバラッドでは、マイルス・デイヴィスのトランペットが冴えますね。前のチャーリー・パーカーとのセッションが無ければ、もっとビシっとした録音が残されてたと思います。

 

4曲目、軽快なテンポで演奏される「Whispering」は、ソニー・ロリンズSonny Rollins)、ベニー・グリーン(Bennie Green)とそれこそ軽快なソロに続き、マイルス・デイヴィスが登場。

 


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この曲だけは、気合の入ったバテを感じさせない演奏を繰り広げております。

 

マイルス自身の録音がイマイチだったためか、セッションの最後に「Sonny Rollins With The Modern Jazz Quartet, Art Blakey And Kenny Drew (Prestige PRLP-7029)」に収録される「I Know」という曲を、マイルスがピアノを弾いて録音しております。

1日に歴史的な3つのセッションをこなすとは、かなり驚異的ですね。

 

 

5~8曲目、1953年02月19日の録音には、マイルス・デイヴィスMiles Davis)のトランペットの他、テナーサックスにアル・コーン(Al Cohn)とズート・シムズZoot Sims)、ピアノにジョン・ルイス(John Lewis)、ドラムスはケニー・クラークKenny Clarke)。

その他、聞きなれないトロンボーンソニー・トルイット(Sonny Truitt)、ベースのレナルド・ガスキン(Leonard Gaskin)も参加しております。

 

全曲、アル・コーン(Al Cohn)の作品が演奏されておりますが、当初予定してたジョン・ルイス(John Lewis)の持ち込んだ2曲が難解すぎて急遽、スタジオでアル・コーンが2曲書いたため、全曲アル・コーンの作品という事になったそうで。

 

この頃のマイルス・デイヴィスは、クスリにどっぷり浸かっているいる状態だったようで、録音の前にズート・シムズとキメてから演奏をしたようです・・・。

 

この時期のジャズミュージシャンは、チャーリー・パーカーCharlie Parker)を筆頭にクスリの汚染が録音にも悪影響を及ぼしていた様で、プレステッジ(Prestige Records)もセッションに参加するメンバーを選ぶ際、クスリでおかしな事をしないミュージシャンを選定する様になっていたらしいです。

 

5曲目「Tasty Pudding」は、重厚なアンサンブルが魅力の1曲。

 


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ケニー・クラークKenny Clarke)のドラムと、ややくぐもったマイルスのトランペット・ソロが、1953年という激動の時期に足掻きながらも独自のスタイルを確立していくマイルス葛藤の日々の様子を映しだしてくれます。

 

6曲目「Willie The Wailer」は、アップテンポで演奏される軽快な1曲。

アンサンブルをバックに演奏されるマイルスのトランペット・ソロも快調です。

 

7曲目「Floppy」も、複雑なアンサンブルを交えるアップテンポの軽快な1曲。

マイルスのトランペット・ソロは、軽快そのもの。

 

8曲目「For Adults Only」は、ミディアムテンポで演奏される曲。

 


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最初のテナーサックス・ソロは、音色から判断してアル・コーン(Al Cohn)でしょうねえ。続く同じくテナーサックス・ソロは、ズート・シムズZoot Sims)だと思われます。

3番目に登場するマイルス、これまた快調なソロを聴かせてくれます。

 

Miles Davis - Miles Davis And Horns +1 
Prestige PRLP-7025 / OJCCD-053-2 / Victor Entertainment VICJ-60421 [2010.06.14]

side 1 (A)
01. Morpheus (John Lewis)  2:23
02. Down (Miles Davis)  2:53
03. The Blue Room [take 2] (Richard Rodgers, Lorenz Hart)  3:01
04. Whispering (John Schoenberger, Richard H Coburn, Vincent Rose) 3:04

side 2 (B)
05. Tasty Pudding (Al Cohn) 3:23
06. Willie The Wailer (Al Cohn)  4:28
07. Floppy (Al Cohn)  6:03
08. For Adults Only (Al Cohn)  5:36

Bonus Track
09. The Blue Room [take 1] (Richard Rodgers, Lorenz Hart)  2:50


#01-04,09  January 17, 1951 at Apex Studios, NYC.
Miles Davis (tp) Bennie Green (tb) Sonny Rollins (ts #1,2,4) John Lewis (p)

Percy Heath (b) Roy Haynes (ds) 


#05-08  February 19, 1953 at Beltone Recording Studios, NYC.
Miles Davis (tp) Sonny Truitt (tb #7) Al Cohn (ts) Zoot Sims (ts) John Lewis (p)

Leonard Gaskin (b) Kenny Clarke (ds) 

 

 

マイルス・デイヴィスMiles Davis)のアルバムを紹介する場合、2冊の参考図書は必携です(笑)。

 

 

近年、マイルス・デイヴィスMiles Davis)のアナログ10インチレコードが、BOXセットで復刻されておりますので、そちらの曲順も付記しておきます。

 

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

 

●Prestige PRLP-113 
Fats Navarro, Dizzy Gillespie, Miles Davis, Kenny Dorham - Modern Jazz Trumpets

side 1 (A)
01. Fats Navarro – Stop
02. Fats Navarro – Go
03. Fats Navarro – Wailing Wall
04. Dizzy Gillespie – Thinking Of You

side 2 (B)
05. Miles Davis – Morpheus
06. Miles Davis – Whispering
07. Miles Davis – Down
08. Dizzy Gillespie – Nice Work If You Can Get It
09. Kenny Dorham – Maxology

 

#09 May 15, 1949 at Studio Technisonor, Paris, France. (Kenny Dorham)
#01-03  September 20, 1949 in NYC. (Fats Navarro)
#04,05  September 16, 1950 in NYC. (Dizzy Gillespie)
#05-07  January 17, 1951 at Apex Studios, NYC. (Miles Davis)

 

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

 

●Prestige PRLP-140 Miles Davis - Blue Period

side 1 (A)
01. Bluing (Miles Davis)  9:55

side 2 (B)
02. Blue Room (Take 1) (Hart-Rodgers)  2:50
03. Out Of The Blue (Miles Davis)  6:16

 

 

「Miles Davis And Horns (Prestige) 1951,1953」若きマイルス葛藤の日々の記録

●Prestige PRLP-154 Miles Davis - Plays Al Cohn Compositions

side 1 (A)
01. Tasty Pudding (Al Cohn)  3:20
02. Floppy (Al Cohn)  5:58

side 2 (B)
03. Willie The Wailer (Al Cohn)  4:25
04. For Adults Only (Al Cohn)   5:32 

 

 

ハイレゾでデジタル配信(ダウンロード販売)も行われているようなので、セールス等で安くなる機会があれば、入手しようかと(密かに)思っております。