加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

Quincy Jones – Go West, Man! (ABC-Paramount) 1957

トランペット奏者としてプロ活動を始め、作編曲者として2023年現在も90歳という高齢ながら音楽活動を続けている、クインシー・ジョーンズQuincy Jones)。

 

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前回ご紹介したアメリカの東海岸で録音された「私の考えるジャズ(That's How I Feel About Jazz)」に続き、西海岸(ロサンジェルス)に移り録音された、続編的なアルバムが今回の「Go West, Man! (ABC-Paramount ABC-186)」です。

 

Quincy Jones – Go West, Man! (ABC-Paramount) 1957

 

「Go West, Man! (ABC-Paramount ABC-186)」はフロントが3種類、各パートのみで奏でられるアンサンブル交え、演奏する曲が3曲づつ、計9曲ほど収録されております。

 

具体的には「トランペット4管」だけで3曲、「アルト・サックス4管」だけで3曲、「テナー・サックス3管にバリトン・サックス」で3曲という感じの、かなり変則的。

 

トロンボーン」はどうした?という突っ込みも入れたくなったりしますが、是非もなき話なんで、それは今回、置いときます。

 

まあ、編曲家としてのクインシー・ジョーンズQuincy Jones)の野心が剥き出しといった感じのアルバムだったりもします。

 

 

1957年02月のロサンジェルスで録音されたホーン・セクションがアルト・サックス4管というセッションでは、1曲目の「Dancin' Pants」、6曲目の「Be My Guest」、9曲目の「King Road Blues」という計3曲を演奏。

 

ベニー・カーター(Benny Carter)、ハーブ・ゲラー(Herb Geller)、チャーリー・マリアーノ(Charlie Mariano)、アート・ペッパーArt Pepper)という著名なアルト・サックス4人に、ルー・レビー(Lou Levy)のピアノ、レッド・ミッチェル(Red Mitchell)のベース、シェリー・マン(Shelly Manne)のドラムスというセクションです。

 


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アルト・サックス4管によるアンサンブルと各人のソロとのバランスが絶妙な感じがするセクションであったりします。

 

 

1957年02月のロサンジェルスで録音されたホーン・セクションがトランペット4管ののみというセッションでは、2曲目の「Blues Day」、4曲目の「No Bones At All」、8曲目の「London Derriere」の3曲を演奏。

 

コンテ・カンドリ(Conte Candoli)、ピート・カンドリ(Pete Candoli)、ハリー・エディソン(Harry Edison)、ジャック・シェルドン(Jack Sheldon)という主にビックバンド畑で活躍していたトランペット4人に、カール・パーキンス(Carl Perkins)のピアノ、リロイ・ビネガー(Leroy Vinnegar)のベース、メル・ルイス(Mel Lewis)のドラムスというセクションです。


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こちらは、ほど良い豪華さと華麗なるソロが楽しめるセクションですね。

 

 

1957年02月のロサンジェルスで録音されたホーン・セクションがテナー・サックス3管にバリトン・サックスが加わるセッションでは、3曲目の「Bright Moon」、5曲目の「The Oom Is Blues」、バラッド5曲をメドレーで綴る7曲目「Ballad Medley」の3曲を演奏しております。

 

ウォルター・ベントン(Walter Benton)、バディ・コレット(Buddy Collette)、ビル・パーキンス(Buddy Collette)のテナー3人に、ペッパー・アダムス(Pepper Adams)のバリトンという木管低音担当4人に、カール・パーキンス(Carl Perkins)のピアノ、リロイ・ビネガー(Leroy Vinnegar)のベース、シェリー・マン(Shelly Manne)のドラムスというセクションです。


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こちらのセクションは、渋めの実力派が揃っている感じですが、鋭利な刃物の如きバリトン・サックスのペッパー・アダムス(Pepper Adams)の存在感が頭一つ抜け出ている感じですね。

 

この「Go West, Man! (ABC-Paramount ABC-186)」では、クインシー・ジョーンズQuincy Jones)は指揮に徹し、編曲はバラッド・メドレーを除き、曲を書いた本人が担当しているというのもポイントなのかもしれません。

 

短いながらも各メンバーのソロも充実しておりますし、スモール・コンボにおいて複数管の編成でどう編曲するかという、お手本的なアルバムなのかもしれません。

 

Quincy Jones – Go West, Man!
ABC-Paramount ABC-186 [1957]


side 1 (A)
01. Dancin' Pants (Jimmy Giuffre / arr by Jimmy Giuffre)  3:47
02. Blues Day (Jimmy Giuffre / arr by Jimmy Giuffre)  4:43
03. Bright Moon (Jimmy Giuffre / arr by Jimmy Giuffre)  5:21
04. No Bones At All (Johnny Mandel / arr by Johnny Mandel)  3:58
05. The Oom Is Blues (Charlie Mariano / arr by Charlie Mariano)  5:09

 

side 2 (B)
06. Be My Guest (Lennie Niehaus / arr by Lennie Niehaus)  4:30

07. Ballad Medley  6:19
   1. What's New (Haggart, Burke) 
   2. We'll Be Together Again (Fischer, Laine) 
   3. Time On My Hands (Adamson, Gordon, Youmans) 
   4. You Go To My Head (Gillespie, Coots) 
   5. Laura (Raksin, Mercer) 

08. London Derriere (Johnny Mandel / arr by Johnny Mandel)  4:06
09. King Road Blues (Lennie Niehaus / arr by Lennie Niehaus)  5:07

 


#01,06,09  February, 1957 in Los Angels.
Benny Carter (as) Herb Geller (as) Charlie Mariano (as) Art Pepper (as) 
Lou Levy (p) Red Mitchell (b) Shelly Manne (ds) Quincy Jones (conductor)

 

#02,04,08  February, 1957 in Los Angels.
Conte Candoli (tp) Pete Candoli (tp) Harry Edison (tp) Jack Sheldon (tp) 
Carl Perkins (p) Leroy Vinnegar (b) Mel Lewis (ds) Quincy Jones (conductor)

 

#03,05,07  February, 1957 in Los Angels.
Walter Benton (ts) Buddy Collette (ts) Bill Perkins (ts) Pepper Adams (bs)
Carl Perkins (p) Leroy Vinnegar (b) Shelly Manne (ds) Quincy Jones (conductor)

 

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