ジョン・コルトレーン（John Coltrane）のアルバム「Coltrane's Sound (Atlantic SD-1419)」、邦題「夜は千の眼を持つ (The Night Has A Thousand Eyes)」は、アトランテック時代の諸作の中でも、コルトレーンを敬愛するミュージシャン達によく聴かれていると思われます。
私の知り合いであるミュージシャンを例に出しますと、収録曲の中で「夜は千の眼を持つ (The Night Has A Thousand Eyes)」が、私の学生時代からよく演奏されていると記憶しております。
マッコイ・タイナー（McCoy Tyner）とエルヴィン・ジョーンズ（Elvin Jones）を擁するコルトレーン・カルテットも、アトランテック・スタジオで録音すると後期の鬼気迫るドロドロした部分がなく、何だか爽やかな感じがするのが面白いというか・・・。
急速調で演奏される「夜は千の眼を持つ (The Night Has A Thousand Eyes)」、２曲目バラードの名演「Central Park West」、インパルス時代の予告編的な３曲目「Liberia」、４曲目のスタンダード「身も心も (Body And Soul)」と、この時代のコルトレーンらしさが全編で横溢しております。
５曲目「Equinox」は哲学的な匂いがするやや耽美的な演奏であり、オリジナル・アルバム最後を飾る６曲目「Satellite」はコルトレーン・チェンジを用いた「夜は千の眼を持つ」のヴァリエーション的な演奏となっております。
ボーナストラックとして収録された７曲目「26-2」は一転して、古き良きジャズ・スタンダードの香り漂う演奏であり、50年代ハードバップ時代の明るく豪快な演奏をあえて再演した風に感じられます。
ちなみに、このセッションの録音データを眺めると、私の手元に唯一なく（笑）、新潟市周辺の図書館で見かけないアルバム「Coltrane Plays The Blues (SD-1382)」は、同日セッションなんですね。
John Coltrane - Coltrane's Sound +2 (1960)
Atlantic SD-1419 / Warner Music Japan WPCR-25106 [2006.11.22]
side 1 (A)
01. The Night Has A Thousand Eyes (Buddy Bernier, Jerry Brainin) 6:53
02. Central Park West (John Coltrane) 4:16
03. Liberia (John Coltrane) 6:54
side 2 (B)
04. Body And Soul (Edward Heyman, Frank Eyton, Johnny Green, Robert Sour) 5:41
05. Equinox (John Coltrane) 8:39
06. Satellite (John Coltrane) 5:57
CD Bonus Tracks
07. 26-2 (John Coltrane) 6:18
08. Body And Soul [alternate take] 5:59
#02,04 & 08 afternoon, October 24, 1960 at Atlantic Studios in NYC.
John Coltrane (ss, ts) McCoy Tyner (p) Steve Davis (b) Elvin Jones (ds)
#06 evening, October 24, 1960 at Atlantic Studios in NYC.
John Coltrane (ss, ts) McCoy Tyner (p) Steve Davis (b) Elvin Jones (ds)
#01,03,05 & 07 October 26, 1960 at Atlantic Studios in NYC.
John Coltrane (ss, ts) McCoy Tyner (p) Steve Davis (b) Elvin Jones (ds)
