加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

John Coltrane - Stardust (Prestige) 1958

ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)をリーダーとするアルバム「Stardust (Prestige PRLP-7268)」は、1958年の06月11日と12月26日に行われた2つのセッションから拾遺されたアルバムです。

 

John Coltrane - Stardust (Prestige) 1958

 

1曲目と3曲目は、1958年06月11日の録音です。

 

ピアノのレッド・ガーランドRed Garland)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのジミー・コブ(Jimmy Cobb)という、マイルス・デイヴィスMiles Davis)バンドでお馴染みのトリオに、トランペットとフリューゲル・ホルンを吹くウィルバー・ハーデン(Wilbur Hardin)が加わるクインテット編成となっております。

 


1曲目「Stardust」は、スイング時代から演奏される古典的な名曲ですが、コルトレーンの固めな音色で奏でられるテナーサックス・ソロに続き、ウィルバー・ハーデン(Wilbur Hardin)が吹く甘めな音色のフリューゲル・ホルンによるソロが、見事な対比となる演奏です。

 


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続くレッド・ガーランドRed Garland)のロマンテックなピアノ・ソロ、ポール・チェンバースPaul Chambers)の弓弾きソロも見事な演奏ですね。

 


3曲目「Love Thy Neighbor」は、軽快なテンポで演奏される1曲。

 

コルトレーンはいつも通り、モンクのつけようがない演奏を聴かせてくれますが、ソロで続くウィルバー・ハーデン(Wilbur Hardin)が案外、健闘しているのが面白かったりします。

 

リー・モーガンLee Morgan)とかドナルド・バードDonald Byrd)に肉薄する演奏を聴かせてくれているのですが、私はあんまり聴く機会に恵まれなかったのは何故だろう(笑)。

 

 

2曲目と4曲目は、1958年12月26日の録音です。

 

ピアノのレッド・ガーランドRed Garland)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのアート・テイラーArt Taylor)というハードバップ時代にはよく見かけるトリオ編成をバックに、4曲目のみトランペットのフレディ・ハバードFreddie Hubbard)が加わります。

 


2曲目「Time After Time」は、レッド・ガーランドRed Garland)の落ち着いたピアノ・イントロから始まる1曲。

 

この曲で、ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)の素晴らしいバラッド演奏を堪能出来ます。

 


4曲目「Then I'll Be Tired Of You」も、バラッド演奏。

 


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個人的にはコルトレーンの演奏に関しては、フリー寄りの激しいものより、こういった
バラッド演奏の方が好みなんですね。

 

この曲だけ加わるフレディ・ハバードの、比較的ロマンテックで甘めなソロも、意外性もあり、良かったりします。

 

 

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John Coltrane - Stardust
Prestige PRLP-7268 / Victor Entertainment VICJ-2174 [1996.11.27]


side 1 (A)
01. Stardust (Carmichael, Parrish)  10:42
02. Time After Time (Styne / Cahn)  7:44

side 2 (B)
03. Love Thy Neighbor (Ravel, Gordon)  9:23
04. Then I'll Be Tired Of You (Schwartz, Harburg)  9:31

 


#0,1 03  July 11, 1958 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
Wilbur Hardin (tp #3, flh #1) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) 
Jimmy Cobb (ds) 

 

#02,04  December 26, 1958 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
Freddie Hubbard (tp #4) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds) 

 

 

 

STARDUST-RUDY VAN GELDER

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John Coltrane - Settin' The Pace (Prestige) 1958

ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)をリーダーとし、ピアノのレッド・ガーランドRed Garland)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのアート・テイラー(Arthur Taylor)というハード・バップ時代の鉄壁リズム・セクションと1958年03月26日に録音したアルバムが、「Settin' The Pace (Prestige PRLP-7213)」。

 

John Coltrane - Settin' The Pace (Prestige) 1958


同日録音でワンホーン・カルテット編成なためか、比較的まとまった印象がある、ハードバップ系アルバムだったりします。

 

レッド・ガーランドポール・チェンバースアート・テイラーという、ハードバップ時代の鉄壁トリオがバックですから、演奏のクオリティは、保障されているようなものですしね。

 

1曲目「I See Your Face Before Me」は、しっとりとした歌モノ風味な演奏。ジョン・コルトレーンレッド・ガーランドと、比較的ロマンテックなソロが続きます。

 


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2曲目「If There Is Someone Lovelier Than You」は、軽快かつハードバップ風味な演奏です。

 


3曲目「Little Melonae」は、ジャッキー・マクリーン(Little Melonae)が書いた作品の中で、多分、一番有名な曲だと思われます。

 

ハード・ボイルドなマイルス・デイヴィスMiles Davisクインテットでの演奏とは異なり、軽快なハード・バップ風味で演奏されているのが珍しいというか、何だか新鮮に聴こえますね。

 

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4曲目「Rise 'N' Shine」は、ドラムスのアート・テイラーが奮戦する超アップテンポな1曲。

 


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ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)は、一般的に「シーツ・オブ・サウンド」と呼称される、音の隙間を埋め尽くす高速ソロ・フレーズを延々、吹き続けております(笑)。

 

 

John Coltrane - Settin' The Pace
Prestige PRLP-7213 / Victor Entertainment VICJ-2161 [1996.11.27]


side 1 (A)
01. I See Your Face Before Me (Dietz-Schwartz)  9:56
02. If There Is Someone Lovelier Than You (Dietz-Schwartz)  9:18

side 2 (B)
03. Little Melonae (Jackie McLean)  14:03
04. Rise 'N' Shine (DeSylva, Youmans)  7:17


John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Arthur Taylor (ds) 
March 26, 1958 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

 

 

Settin the Pace

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John Coltrane - Lush Life (Prestige) 1958

今回は、ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)の1957年から1958年に渡る3つのセッションから拾遺された「Lush Life (Prestige PRLP-7188)」です。

 

John Coltrane - Lush Life (Prestige) 1958

ピアノレス・トリオによる3曲と、クインテットとカルテットでそれぞれ1曲づつの、計5曲で構成されたアルバムです。

 

さて、アナログレコードのA面に相当する1曲目から3曲目は1957年08月16日、ベースのアール・メイ(Earl May)、ドラムスのアート・テイラー(Arthur Taylor)を従えたピアノレス・トリオ編成で録音されたセッションから。

 

この編成でジャズ・ファンが思い出すのは、1957年11月03日に録音されたソニー・ロリンズSonny rollins)の名ライブ・アルバム、ヴィレッジ・ヴァンガードの夜「A Night At The Village Vanguard (Blue Note BLP-1581)」だと思われますが、コルトレーンは勿論、プレステッジ(Prestige Records)も、相当意識していたであろう事は、容易に推測出来ますね。

 

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1曲目「Like Someone In Love」は、ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)の独奏から始まり、余裕たっぷり、ゆったりとしたテンポでの演奏が続きます。

 


2曲目「I Love You」は、冒頭からアート・テイラー(Arthur Taylor)のドラムスが冴えわたる1曲。

 


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ドラムス、ベースのバッキング演奏は、ソニー・ロリンズSonny rollins)の「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」での演奏を、相当意識しているように思えます。

 

3曲目「Trane's Slow Blues」は、ジョン・コルトレーンJohn Coltrane)自作のブルースですが、これまたソニー・ロリンズSonny rollins)を意識していると思われる、歌心溢れた奔放かつ豪快な演奏となっております。

 

 

4曲目の表題曲でもある「Lush Life」は、トランペットのドナルド・バードDonald Byrd)、ピアノのレッド・ガーランドRed Garland)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのルイス・ヘイズ(Louis Hayes)というクインテット編成で、1958年01月10日に録音されたセッションから。

 


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テーマ部から最初のコルトレーンのソロは、カルテット編成でしっとりと演奏されますので、あれっと思いますが、レッド・ガーランドRed Garland)のブロック・コードを効果的に用いた耽美的ともいえるピアノ・ソロの後、お待たせしました!的な雰囲気の中、ドナルド・バードDonald Byrd)の端正なトランペット・ソロが登場します(笑)。

 

後テーマの前半は、ソロを吹いた流れでドナルド・バードDonald Byrd)が吹き、テーマの後半はジョン・コルトレーンJohn Coltrane)中心に展開し、ドナルド・バード
が絡むという、かなり構成が練られた展開となっております。

 


5曲目の「I Hear A Rhapsody」は、ピアノのレッド・ガーランドRed Garland)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのアル・ヒース(Al Heath)というカルテット編成で、1957年05月31日に録音されたセッションから。

 

アップテンポ気味のソロ演奏は、マイルス・ディヴィス(Miles Davisクインテットにおけるコルトレーンの猪突猛進気味なソロ演奏を彷彿とさせますね。

 

 

John Coltrane - Lush Life
Prestige PRLP-7188 / Victor Entertainment VICJ-2129 [1996.09.28]


side 1 (A)
01. Like Someone In Love (Van Heusen-Burke)  4:57
02. I Love You (Cole Porter)  5:29
03. Trane's Slow Blues (John Coltrane)  6:01

side 2 (B)
04. Lush Life (Billy Strayhorn)  13:54
05. I Hear A Rhapsody (Dick Gasparre, George Fragos, Jack Baker)  5:58


#01-03  August 16, 1957 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
John Coltrane (ts) Earl May (b) Arthur Taylor (ds) 

#04  January 10, 1958 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
Donald Byrd (tp) John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Louis Hayes (ds) 

#05  May 31, 1957 at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Al Heath (ds) 

 

ラッシュ・ライフ

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Lush Life (Reis)

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