「Charnett Moffett – Net Man (Blue Note) 1987」デジタル世代のベース・オン・トップ
ジャズベーシスト、チャ―ネット・モフェット(Charnett Moffett)の訃報が飛び込んできました。
4月11日に心臓発作で急死した模様。54歳だったとのこと。
なので急遽、CD棚からデビューアルバム「Net Man (Blue Note)」を引っ張り出してみました。
このアルバムは最初、地元の新発田図書館にあったレコードで聴いて気に入り、後にCD見つけて購入したもの。
ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)、ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)のお馴染みマルサリス兄弟、スタンリー・ジョーダン(Stanley Jordan)に、トニー・ウィリアムス(Tony Williams)。
10代後半から20代前半で、上記のような大物ミュージシャンと共演してきたチャ―ネット・モフェット(Charnett Moffett)。
彼のデビュー・アルバムが、この1987年に新生ブルーノートから発売された「Net Man (Blue Note)」です。
ドラム・マシンとシンセサイザーをバックに、ベースでテーマを演奏したりと、デジタル世代の「ベース・オン・トップ(Bass On Top)」と呼ぶに相応しい仕上がりとなっております。
なお、ブランフォード・マルサリスとスタンリー・ジョーダンは、このアルバムに参加してますが、あれ、トニーとウイントンはどうしたんでしょうねえ・・・。
あと、ブレッカー兄弟の弟、テナーサックスのマイケル・ブレッカー(Michael Brecker)も参加してましたね。
お父さんはオーネット・コールマン(Ornette Coleman)のトリオでドラムを叩いてた、あのチャールス・モフェット(Charles Moffett Sr.)。
アルバムにもしっかり参加してます。
ちなみに、チャ―ネット・モフェット(Charnett Moffett)の名前は、お父さんの名前チャールス(Charles)と、オーネット(Ornette)を混ぜ合わせたもののようです(笑)。
プロデューサーは、ウイントン・マルサリスのバンドで一緒だったケニー・カークランド(Kenny Kirkland)。シンセサイザーで参加してます。
ケニー・ドリュー・ジュニア(Kenny Drew Jr.)は、アコーステック・ピアノとシンセサイザーで参加。
エレクトリック・サウンド強めの曲と、アコーステックな曲が混ざっているあたりは、当時のジャズ界が、いわゆる「フュージョン・サウンド」から、今でいうところの「ストレート・アヘッド・ジャズ」に移行していた時期である事を、思い出させてくれますね。
Charnett Moffett – Net Man
Blue Note BLJ-46993 (CDP 7 46993 2) / 東芝EMI CJ32-5001 [1987.10.28]
side 1 (A)
01. Mizzom (Charnett Moffett) 4:30
02. Swing Bass (Charnett Moffett) 4:17
03. One Left Over (Charnett Moffett) 4:08
04. Mona Lisa (Jay Livingston, Ray Evans) 4:28
side 2 (B)
05. The Dance (Charnett Moffett) 3:03
06. Net Man (Charnett Moffett) 5:49
07. Softly As In A Morning Sunrise (Oscar Hammerstein, Sigmund Romberg) 4:21
08. For You (Charnett Moffett) 12:03
#01, 04 March 11, 1987 at RPM Sound Studios, NYC.
#08 March 13, 1987 at RPM Sound Studios, NYC.
Kenny Kirkland (synth) Charnett Moffett (b, drum machine) Mino Cinelu (per)
#05 March 9, 1987 at RPM Sound Studios, NYC.
Stanley Jordan (g) Kenny Kirkland (synth) Charnett Moffett (b) Al Foster (ds)
#02 March 10, 1987 at RPM Sound Studios, NYC.
Michael Brecker (ts) Kenny Drew Jr. (p) Charnett Moffett (b) Codaryl "Cody" Moffett (ds)
#07 March 13, 1987 at RPM Sound Studios, NYC.
Charles Moffett Jr. (ts) Kenny Drew Jr. (p) Charnett Moffett (b) Charles Moffett Sr. (ds)
#03, 06 March 15, 1987 at RPM Sound Studios, NYC.
Kenny Drew Jr. (synth) Charnett Moffett (b, el-b, drum machine) Mino Cinelu (per)
Codaryl "Cody" Moffett (cymbals)
Producer – Kenny Kirkland
Co-producer – Charnett Moffett
Executive-Producer – Christine Martin
そういえばトニー・ウィリアムスの新生ブルーノート第1弾「Foreign Intrigue (Blue Note BT- 85119)」でもトニーがエレクトリック・ドラム叩いてましたね。
ジャズ界でもエレクトリック・サウンドを導入するのが当たり前。
そういう時期だったんでしょうね。