加持顕のジャズに願いをのせて

新潟在住の加持顕(かじあきら)が、ジャズの名盤について個人的感想を気まぐれに投稿。

「Miles Davis - Someday My Prince Will Come (Columbia) 1961」製作者に捧げる曲を録音した意図は

1960年12月に結婚し、マイルス・デイヴィス夫人となったフランシス・テイラー(Frances Taylor)がアルバム・ジャケットを飾る「Someday My Prince Will Come (Columbia CL-1656/CS-8456)」。

 

「Miles Davis - Someday My Prince Will Come (Columbia) 1961」製作者に捧げる曲を録音した意図は

アルバム・ジャケットに奥さんを起用したり、裏のライナーノートを省略するなど、マイルスはジャケット制作にまで口を挟んでおります。

 

「Miles Davis - Someday My Prince Will Come (Columbia) 1961」製作者に捧げる曲を録音した意図は

わがまま言った事への交換条件的な意味合いなのか、コロンビアの社長であるゴダード・リーバーソン、プロデューサーのテオ・マセロという制作側のトップに捧げる曲を入れるという、おだてというか、政治的なバランスを取りつつ作られたアルバムである事が伺えます(笑)。

 

マイルスの、自分の意見を通す為には賄賂(笑)もどきの行為も辞さないという姿勢には、長年音楽業界で生き抜き身に着けた「知恵と経験、そして直感」が反映されているものと思われます(冗談ですよ)。

 


さて、1961年03月の07日、20日、21日の3日間で録音されたセッションから拾遺されたアルバムですが、テナーサックスのハンク・モブレーHank Mobley)、ピアノのウイントン・ケリー(Wynton Kelly)、ベースのポール・チェンバースPaul Chambers)、ドラムスのジミー・コブ(Jimmy Cobb)というレギュラー・メンバーに、2曲ほどジョン・コルトレーンJohn Coltrane)がゲスト参加しております。

 

 

1、2曲目は1961年03月20日のセッションからで、「Someday My Prince Will Come」にジョン・コルトレーンJohn Coltrane)がゲスト参加しております。

 

1曲目「Someday My Prince Will Come」は、ピアノ・トリオによる印象的なイントロからマイルスの突き刺さるミュート・トランペットの音色が際立つ演奏です。

 


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ハンク・モブレーのマイルドなソロ、ウイントン・ケリーのきらびやかなソロに続き、再びマイルスがテーマを奏で、ジョン・コルトレーンの饒舌なソロが登場します。


2曲目「Old Folks」は、穏やかな雰囲気のバラッド演奏。マイルスのミュート・トランペットが心に染み入ります。

 


3、4曲目は1961年03月07日のセッションから

 

3曲目「Pfrancing」は、マイルス・デイヴィス (Miles Davis) の自作曲で、奥さんのフランシス・テイラー(Frances Taylor)に捧げた曲で多分、「No Blues」と同一曲だろうと思われます。

 


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ウイントン・ケリー、マイルス・デイヴィス、再びウイントン・ケリー、ハンク・モブレーマイルス・デイヴィスジミー・コブポール・チェンバース、ウイントン・ケリーという、ちょっと変則的なソロ・リレーが展開されております。

 

 

4曲目「Drad Dog」は、マイルス・デイヴィス (Miles Davis) の自作曲。

 

この曲もマイルスのミュート・トランペットが心に染み入るバラッド形式での演奏となります。

コロンビアの社長、ゴダード・リーバーソン(Goddard Lieberson)の名前の綴りをいじった曲名ですが、1960年に録音した「Sketches Of Spain (Columbia CS-8271/CL-1480)」で予算を大幅超過を許可してもらった件の、お礼代わりに捧げた曲なのではないかと思われます。

 

 

5、6曲目は1961年03月21日のセッションからで、5曲目「Teo」にジョン・コルトレーンJohn Coltrane)がゲスト参加しております。


5曲目「Teo」は、マイルス・デイヴィス (Miles Davis) の自作曲。「Teo」とは勿論、プロデューサーのテオ・マセロ(Teo Macero)の事でしょうねえ。

 


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「Sketches Of Spain (Columbia CS-8271/CL-1480)」の延長線上にあるようなスパニッシュ・モードの切れ味鋭い曲であり、マイルスがトランペットで、胸を締め付けるような切ないメロディを切々と吹き綴っております。

こういう曲調だと、ジョン・コルトレーンの固めの音色が映えますねー。


1959年の「Porgy And Bess (Columbia CS-8085/CL-1274)」と、1960年の「Sketches Of Spain (Columbia CS-8271/CL-1480)」は、テオ・マセロが録音したテープを切り貼りして完成品に仕上げていたそうで、そのあたりの苦労をねぎらって曲を捧げたのかもしれません。

 

Porgy & Bess

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SKETCHES OF SPAIN

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なお、「Someday My Prince Will Come (Columbia CL-1656/CS-8456)」もテープ編集で完成品に仕上げているとの事。

 


6曲目「I Thought About You」も、バラッドでの演奏。

マイルスがミュート・トランペットで、キュートにメロディを吹き綴っております。

 

 

 

Miles Davis - Someday My Prince Will Come
Columbia CL-1656/CS-8456 / Sony Records SRCS-9105 [1996.09.21]

side 1 (A)
01. Someday My Prince Will Come (F.E. Churchill, L. Morey)  9:04
02. Old Folks (D.L. Hill, W. Robison)  5:16
03. Pfrancing (Miles Davis)  8:32

side 2 (B)
04. Drad Dog (Miles Davis)  4:50
05. Teo (Miles Davis)  9:34
06. I Thought About You (J. Van Heusen, J. Mercer)  4:53


#01,02  March 20,1961  at 30th Street Studios, NYC.

Miles Davis (tp) Hank Mobley (ts) John Coltrane (ts #01) Wynton Kelly (p) 
Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 


#03,04  March 7, 1961 at Columbia 30th Street Studios, NYC.

Miles Davis (tp) Hank Mobley (ts) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 


#05,06  March 21,1961  at 30th Street Studios, NYC.

Miles Davis (tp) John Coltrane (ts #5) Hank Mobley (ts #6) Wynton Kelly (p)

Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds) 

 

 

 

マイルスとコルトレーンとの共演は、既発BOXセットにまとめられております。