今回はキャノンボール・アダレイ(Cannonball Adderley)の弟でコルネット奏者であるナット・アダレイ(Nat Adderley)の代表作。
1960年01月の25日と27日の2日間に渡り録音された「Work Song (Riverside RLP12-318)」です。
偉大な兄ちゃん(キャノンボール・アダレイ)の影に隠れて過小評価されておりますが、本作や「Wynton Kelly - Kelly Blue(Riverside 12-318)」でのハイトーンを多用した快演を聴く限り、かなりの実力の持ち主であることが伺えます。
アルバム「Work Song (Riverside RLP12-318)」は各メンバーが持ち寄ったファンキーなオリジナル曲(1、2、5、6、9)と、ストレートなスタンダード・バラッド(3、4、7、8)に分ける事が出来ます。
具体的な曲名は、ファンキーなオリジナル曲は「Work Song」、「Pretty Memory」、「Fallout」、「Sack Of Woe」、「Scrambled Eggs」。
ストレートなスタンダード・バラッドは「I've Got A Crush On You」、「Mean To Me」、「My Heart Stood Still」、「Violets For Your Furs」となります。
曲順も、ファンキーな曲で煽った後にスタンダード・バラッドで一息つかせて、またファンキーな曲に続けるという、飽きの来ない工夫がなされています。
まあ、食べ物に例えると、ジューシーなカツサンドを食べた後、新鮮な野菜サンドが出てくるような感じですかね。
しかも〆には、タマゴサンドが用意されているという気の使い方。
次に、曲の簡単なご紹介を。
まずファンキーな曲では、超有名曲「Moanin'」の作者、ボビー・ティモンズ(Bobby timmons)がバックにソロに大活躍しております。
リズム・セクションの3人は、当時のキャノンボール・アダレイ・クインテットのメンバーなんであり、このメンバーで「This Here Is Bobby Timmons (Riverside RLP 12-317)」も録音しております。
その他面白いのは、ボビー・ティモンズ(Bobby timmons)が表題曲で1曲目でもある「Work Song」のソロで「Moanin'」のオリジナル録音(Blue note)とほぼ同じフレーズを使用すること。ここ、笑いをこらえるのにちょっと苦労します。
また、「I've Got A Crush On You」などのストレートなスタンダード・バラッドでは、ウェス・モンゴメリー(Wes montgomery)の味わい深いギターが堪能出来ます。
ナット・アダレイ、いやファンキー・ジャズの入門盤として、本アルバムを聴いてみる事をお勧めします。
あまたあるジャズのベスト盤をお持ちの方であれば、表題曲の「Work Song」耳にする事があるかと思われますが。
「Work Song」を聴いて気に入った人にこっそりお知らせしておきますが、本盤「Work Song (Riverside RLP12-318)」では、素晴らしいバラッドも聴けますよ・・・。
何気に、ウェス・モンゴメリー(Wes montgomery)まで参加してるし。
Nat Adderley - Work Song
Riverside RLP12-318 / Victor VICJ-60333 [1999.08.04]
side 1 (A)
01. Work Song (Nat Adderley) 4:14
02. Pretty Memory (Bobby Timmons) 3:51
03. I've Got A Crush On You (I&G.Gershwin) 2:54
04. Mean To Me (Turk-Ahlert) 5:00
05. Fallout (Nat Adderley) 4:52
side 2 (B)
06. Sack Of Woe (Julian Adderley) 4:26
07. My Heart Stood Still (Rodgers-Hart) 6:25
08. Violets For Your Furs (Adair-Dennis) 3:48
09. Scrambled Eggs (Sam Jones) 3:21
#02,04,05,07 January 25,1960 at Reeves Sound Studios,NYC.
Nat Adderley(cor) Bobby Timmons (p #2,5) Wes Montgomery(g)
Sam Jones (cello, b #2,5,7) Keter Betts(b) Louis Hayes(ds)
#01,03,06,08,09 January 27,1960 at Reeves Sound Studios,NYC.
Nat Adderley(cor) Bobby Timmons (p #1,6,9) Wes Montgomery(g)
Sam Jones (cello, b) Percy Heath (b #1,6,9) Louis Hayes (ds #1,6,9)